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核・原子力関連年表6B(2003年7月〜12月)

 
2003年
 
 7月 1日米紙ニューヨーク・タイムズは、米中央情報局(CIA)の情報として、北朝鮮がミサイル搭載可能な小型核弾頭の製造技術開発を進めていることを報道。ヨンドクトンとよばれる場所にある核実験施設を米国の偵察衛星が確認したという。
 7月 2日日本原子力発電敦賀原子力発電所1号機の新型の制御棒2本に相次ぎひび割れが見つかった問題で、原電は新たに別の3本で計184カ所のひび割れが見つかったと発表。予想外の早期のひび割れが見つかったことで、1号機の定期点検終了は後れる見込み。
 7月 3日北朝鮮の核兵器開発問題をめぐる日米韓外交当局の局長級協議が米国務省内で行われ、、日・米・韓・中・北朝鮮による5者協議が不可欠だとの立場を改めて確認。
 7月 4日核燃料サイクル開発機構の新型転換炉原型炉ふげんの低レベル放射性廃棄物処理建屋内の焼却炉で小規模の爆発が発生。同日鎮火。放射能漏れはなし。ふげんはすでに廃炉が決定している。
 7月 4日ブッシュ米大統領は、米国独立記念日の演説で、大量破壊兵器で米国市民に脅威を与える「無法者国家」には、先制攻撃もありうると述べる。
 7月 8日米紙ワシントン・ポストによると、1月の一般教書演説でブッシュ大統領が、イラクがアフリカからウランの購入を計画と指摘したことについて、米政権は誤りだったことを初めて認めたという。イラク戦争開戦の理由のひとつのため、今後問題に発展すると見られる。
 7月 9日日本原燃は、国内の原子力発電所の核燃料をフランスで再処理した際に出た高レベル放射性廃棄物を積んだ輸送船「パシフィック・スワン号」が今月23日に六ケ所村のむつ小川原港に到着すると発表。
 7月12日北朝鮮を監視中の米軍機がクリプトン85を観測したと発表。この物質は、原子炉から取り出された燃料棒の再処理の過程で発生するもので、北朝鮮が再処理を行っている証拠とみなされる。
 7月12日日本・イラン軍縮不拡散協議がテヘランで行われる。日本はイランとの石油開発契約で米国から圧力を受けているため、米国が疑惑を持っているイランの核兵器開発問題の解消を進めるよう話し合ったとみられる。
 7月12日米原子力空母ロナルド・レーガン(CVN-76)就航。排水量9万5000トン。ノーフォーク海軍基地で記念式典。存命中の元大統領の名前が冠せられた空母の就航は初めて。
 7月20日イラン、中距離ミサイル「シャハブ3」の実戦配備を宣言。イスラエルも射程に捉える。
 7月23日米政府高官は共同通信のインタビューに答えて、北朝鮮の核開発問題をめぐる多国間協議について、米朝中に日韓を加えた5カ国協議の開催が9月前半にずれ込む可能性を明らかにする。
 7月24日インドネシアのバリ島で開かれていたアジア欧州会議(ASEM)外相会合で、北朝鮮の核兵器開発放棄を求める議長声明が出される。
 7月30日米国防総省の「中国の軍事力」報告が発表され、中国の台湾攻撃用ミサイルの大規模な配備計画、米国本土に達する核兵器の配備と開発、弾道ミサイル防衛に絡む衛星攻撃兵器と同国の有人宇宙飛行計画の軍事転用などを指摘し、脅威を警告する内容となる。
 7月31日ロシア太平洋艦隊高官は個人的見解として、北朝鮮が核ミサイル発射の準備に入れば、米国の攻撃にロシアも協力して先制攻撃する必要があるとし、北朝鮮の核兵器使用は、先制攻撃によってのみ防げるとも述べる。理由として、極東での核兵器使用はロシアにも影響を与えることを指摘。ロシア太平洋艦隊のミサイル巡洋艦「ワリャーグ」の巡航ミサイルで北朝鮮の核ミサイル施設を攻撃可能と示す。
 7月31日米紙ワシントン・ポストは、米政府によるイラク人科学者に対する尋問でも、フセイン元大統領が大量破壊兵器の開発を進めていたという内容の証言を得られていないと報道。
 8月 1日広島の平和記念公園にある『原爆の子の像』の折鶴14万羽が放火され焼失。関西学院大学の学生が留年し就職できなかったことの不満から放火したと判明。2日に関西学院の関係者が謝罪に訪れる。この像では前年2月にも同様の事件が発生している。
 8月 1日北朝鮮の金正日総書記が、核開発問題に関して、米・朝・中3カ国協議に、日本、韓国、ロシアを加えた6カ国協議を受け入れることを7月14日に中国政府の特使として訪朝した戴秉国外務次官に伝えていたことが明らかになる。また、米国政府も、北朝鮮政府が6カ国協議に応じることで合意したと発表。
 8月 3日原爆や戦争犠牲者の救済をテーマにした新作能「原子雲」が京都市上京区の金剛能楽堂で初演。
 8月 4日米紙ロサンゼルス・タイムズは、イランが核兵器開発の最終段階にあり、2006年にも核兵器を保有する恐れがあると報道。同記事は報じた。フランスがまとめたイランの核開発に関する秘密報告書などを基にしている。開発には北朝鮮、ロシア、中国、パキスタンの科学者らの協力したという。
 8月 9日小泉純一郎首相は、長崎市で行われた平和祈念式典後、記者団の質問に答え、日本は唯一の被爆国だから、核廃絶、不拡散についての方針は変わらないこと、世界で頻発する戦争・紛争にもあきらめてはいけない、と述べる。
 8月 9日長崎の原爆投下時刻に消防署が行う黙祷の合図のサイレンを、防災無線で流す平和の鐘の音が聞こえなくなるのに配慮して中止に。一部の市民からはサイレンが聞こえず黙祷の時刻がわからなかったという苦情も。サイレンは屋外の市民向けに行われてきた。
 8月11日熱波で高温が続くフランスで、停電の可能性が高まり、原子力発電所4基分の出力制限を実施。また、フランス電力は、一部原子力発電所の排水を通常より高い水温で排出することを認める河川保護規則の特別免除を取得。
 8月12日高エネルギー加速器研究機構などの国際共同研究チームは、素粒子物理学の「標準理論」では説明できない新しい現象を観測したと発表。同研内の大型加速器で生成される「B中間子」と反粒子の「反B中間子」をペアで観測したところ、その壊れ方の中に、標準理論とは異なる結果が見られたため、一時的に未知の超高エネルギーの「超対称性粒子」が存在したのではないかと推測されている。素粒子間に働く4つの力を完全に解き明かす理論への期待も出ている。
 8月12日北朝鮮は、同国の核兵器開発に関する6ヶ国協議について、27日から北京で3日間行われるという条件で最終的に同意。
 8月13日日米韓3国は、27日から北京で開かれる6ヶ国協議に関する、局長級非公式協議を実施。検証可能で不可逆的な核開発完全放棄を求めることで一致。日米関係筋が明らかにした。
 8月13日ウクライナ政府は、チェルノブイリ原子力発電所から半径30キロ圏の立ち入り禁止区域の指定を緩和し、元住民の帰還を認める方針を決定。同地域のインフラ整備など、復興の計画を進める。
 8月14日国営イラン通信は、同国核エネルギー最高評議会が、1000メガワット級原子炉の建設に向けた契約に着手するよう命じたと報道。同国では建造中のブシェール原子力発電所に続く2基目となる。
 8月14日北米カナダとアメリカの東部から中部にかけての広範囲の地域で大規模な停電。原子力発電所を含む多くの発電所も停止。原因は、オハイオ州で起こった送電トラブルが引き金で安全装置が連鎖的に働き、多くの発電システムが停止したためと思われる。一時、カナダ政府はペンシルバニア州の原子力発電所で火災が起きたためと発表したが、アメリカ側は否定。
 8月14日西原正防衛大学校校長は、米紙ワシントン・ポストに寄稿し、米国と北朝鮮が不可侵条約を結ぶようなことになれば、日米安全保障条約と矛盾を来し、日本の核兵器開発を正当化することになるかもしれないと指摘。
 8月15日中国政府は、北朝鮮の核兵器開発問題をめぐる協議で、二国間協議を希望する北朝鮮と多国間協議を目指す米国の双方の希望を満たすため、妥協案の調整を進めていることが明らかになる。
 8月18日広島へ原爆を投下したB−29爆撃機「エノラ・ゲイ」が完全復元されて、ワシントン郊外のスミソニアン航空宇宙博物館別館(12月15日開館予定)で報道関係者に公開。同機は、1960年に解体。戦後50年にあたる1995年6月から98年5月まで開かれた同博物館本館特別展で、機体がばらばらの状態で展示された。同機の展示は、米軍人団体からは日本を被害者としかねないと反対意見が出る一方、反核団体からも、核兵器を肯定すると批判が出されている。同館では米日の歴史にとって重要であり、対ソ核抑止力としての歴史上の役割もあったとしている。
 8月20日韓国外交通商省は、27日から北京で開かれる6ヶ国協議について、次回協議の日程を決めるのが主要な目的であること、日本人拉致問題は多国間協議では主題とはならないことを示唆。
 8月20日北朝鮮の朝鮮中央通信は、アメリカが6カ国協議に関して米国が北朝鮮への核査察の早期実施を検討していることを指摘し、自主権への侵害行為で容認できないと警告。
 8月20日北朝鮮の金正日総書記は、訪朝中の徐才厚中国人民解放軍上将らと会見し、核兵器開発放棄をめぐる6ヶ国協議について、朝米不可侵条約締結を基本とすることで従来と変わらないことを説明。
 8月21日防衛庁が北朝鮮の弾道ミサイルに対応するため導入予定のミサイル防衛システムのうち、米国から購入する海上発射型の迎撃ミサイル「SM3」の調達費用が1発約20億円に上る事が判明。このミサイルはイージス艦に搭載して発射するタイプだが、性能信頼性についてはまだ完全とは言えない。自衛隊の保有するミサイルは高くても5億円未満。
 8月24日政府は、弾道ミサイル防衛システムの導入に備え、弾道ミサイルの発射準備が確認された場合、安全保障会議と閣議を経ずに首相の判断で自衛隊に防衛出動を命じ、ミサイルを迎撃することを可能にするための手続きについて検討。北朝鮮など近隣国から弾道ミサイルが発射された場合、日本本土まで早くて10分程度で着弾するため、通常の手続きではほぼ間に合わないため。
 8月25日北朝鮮が2002年5〜7月にかけて、寧辺の実験用原子炉と核再処理施設のある放射化学研究所の保守作業を集中的に行っていたことを、IAEA(国際原子力機関)当局者が明らかにする。
 8月26日IAEA(国際原子力機関)は、定期理事会向け報告書でイランのナタンツ核施設のサンプルから高度の濃縮ウランの成分を検出したこと、イランが90年代初めに濃縮ウラン製造につながるウラン転換実験を行ったことをと確認したと報告。濃縮ウランの検出については、すぐに核兵器の開発につながるわけではなく、輸入時の汚染なども検討される。
 8月27日北朝鮮の核兵器開発をめぐる6カ国協議が北京の釣魚台迎賓館で開催。参加各国が基調発言を行い、基本的立場を表明。 北朝鮮は米国の敵視政策を挙げて核抑止力を主張。不可侵条約の締結を求める。核兵器の有無には直接言及せず。全体協議の後、二国間協議を実施。
 8月27日米紙ワシントン・ポストは、イランがIAEA(国際原子力機関)に対し、同国のナタンツ核施設建設の際に濃縮ウランを製造するガス遠心分離機を外国から購入したことを認めたと報道。
 8月29日パキスタンを訪問したイランのハラジ外相はイスラマバードで会見し、イランが外国から輸入した機材を基に、濃縮ウラン製造施設を建設したことを明らかにし、兵器開発には使われないと述べる。あわせてパキスタンの関与については否定。
 8月29日原子力安全委員会は02年版原子力安全白書をまとめ、閣議に報告。原子力発電所の点検を電力会社任せにする国の安全規制に問題があったことを指摘。国民の信頼性を得るために関係者の情報公開を求める内容となっている。
 8月29日6カ国協議は釣魚台迎賓館で全体協議を行い、協議継続で合意し閉幕。朝鮮半島の非核化、核問題の段階的・同時並行的解決、各国が事態をこれ以上悪化させないことなど6項目を盛り込んだ議長総括も発表。
 8月30日ロシア北西部のキリジン島沖のバレンツ海で、解体作業のためにドックに曳航中だったロシア北方艦隊の原子力潜水艦K159が沈没。原子炉は停止しており、核兵器も搭載していなかった。同艦には作業のために10人ほどが乗艦していたと見られる。
 8月30日日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構の統合を検討している文部科学省原子力二法人統合準備会議は、新法人での原子力の基礎・基盤研究、核燃料サイクルの確立、放射性廃棄物の処分など8項目の業務を盛り込んだ報告書案をまとめる。
 8月30日6カ国協議に参加した北朝鮮の金永日外務次官らは、北京国際空港で声明を発表し、米国の要求が変わらなかった事を挙げて、「このような協議は開く必要がなく、興味も期待も持つことはできなくなった」と表明。
 9月 1日ウクライナの首都キエフで、日本・ウクライナ外相会談が行われ、北朝鮮の核開発に反対し、6カ国協議の継続を支持することなどを盛り込んだ共同声明に調印。
 9月 2日IAEA(国際原子力機関)の駐イラン大使サレヒ氏は、ロイター通信に対し、イランが1985年にウラン濃縮遠心分離機の部品を輸入していたことを、初めて認めた。
 9月 3日すべての核実験を禁止する包括的核実験禁止条約(CTBT)の第3回促進会議が、ウィーンで3日間の日程で始まる。条約発効のための各国の批准を促進するのが目的。
 9月 3日北朝鮮最高人民会議は、6カ国協議などの同国の核開発問題に関する協議を拒否し、核抑止力強化のための関連措置を講じると決定。具体的な内容は不明。朝鮮中央通信社は対話を通じた平和的な問題解決を望むという論評を行っている。
 9月 5日北朝鮮の平壌で「先軍時代英雄大会」が行われ、、趙明禄国防委員会第一副委員長は米国の対応を理由に、核抑止力強化を強調する演説を行う。
 9月 6日群馬県高崎市に、包括的核実験禁止条約(CTBT)による核実験国際監視制度の日本における拠点を設立。核実験で発生する放射性粒子を探知、観測する装置が今夏から稼働、国際データセンター(ウィーン)へデータを送信開始。運用は日本原子力研究所。核実験の監視は、核爆発によって生じる粒子の大気観測と、核爆発に伴う地震の探知からなる。
 9月 6日福岡県大野城市の自動車販売会社が今年5月に、大型トレーラーを北朝鮮に不正輸出しようとしていた事が判明。大型トレーラーは、弾道ミサイルの移動式発射台に転用可能で、禁制品でなくても輸出を阻止できる「キャッチオール規制」の対象になっている。
 9月 7日北海道泊村の泊原子力発電所2号機の原子炉格納容器内にある再生熱交換器室で1次冷却水が漏れているのを確認。外部への放射能漏れなどはなし。
 9月 8日午後5時5分ごろ、核燃料サイクル開発機構新型転換炉「ふげん」で、トリチウム除去装置建屋の火災報知器が作動。隣接する重水精製建屋の排気筒から白煙が出た。外部への放射能漏れはなし。ふげんはすでに運転は終了している。
 9月 9日水爆の父と呼ばれたエドワード・テラー氏が死去。95歳。ナチスの迫害を逃れて米国へ移住後、原子爆弾の開発に関わる。戦後、トルーマン大統領に核抑止力としての水素爆弾開発を進言した。後、広島・長崎への原爆投下について、「東京湾などの人のいない場所へ投下するという方法を採るべきだった」と語っている。
 9月 9日IAEA(国際原子力機関)定例理事会は、イランの核兵器開発疑惑について討議。英仏両国が10月末までを期限に、核不拡散条約(NPT)の義務に沿った行動を示すことを求める案を提出。南アフリカは、期限を設定しない協力促進案を提出。
 9月10日米国務省の高官らが、非公開の上院外交委員会で、北朝鮮の核燃料再処理施設は稼働を停止している可能性が強いことを指摘していた事が判明。
 9月11日米ABCテレビが港湾警備の不備を指摘するため、インドネシアから劣化ウランをロサンゼルス港に輸送し、米国内に持ち込む「密輸」に成功させて、その一部始終を全米で放映。国土安全保障省は法律違反であると番組を非難。密輸した劣化ウランは、若干の放射線を出す。
 9月11日IAEA(国際原子力機関)定例理事会で、イランの核兵器開発疑惑を巡り日豪加3国が新たに決議案を提案し、英仏独案、非同盟諸国案、南ア案が取り下げられて日豪加案1本となる。(
 9月12日IAEA(国際原子力機関)定例理事会は、イランの核兵器開発疑惑に対して「イランは10月末までに指摘された点を是正、協力すべきだ」とする決議を採択。イラン代表は期限設定などで不満を述べたあと退場。イラン国内でも反発。
 9月13日北朝鮮の核疑惑などを念頭に置いた大量破壊兵器拡散防止イニシアチブの一環として、11カ国から800人が参加した大規模な国際臨検訓練「パシフィック・プロテクター」がオーストラリア沖のサンゴ海で実施。これは、核関連物資などを積んだ不審船を公海上で制止するもの。日、米、仏、豪の4カ国が艦船と航空機を出し、日本からは海上保安庁の巡視船「しきしま」が参加。海上保安庁が法的に参加できるように、模擬不審船は「日本船籍のトーキョー・サマー号」と設定された。
 9月13日現在の原爆ドームで、原子爆弾の炸裂で崩壊した「広島県産業奨励館」を別の場所に復元し、新しい平和のシンボルにしようという市民プロジェクトの発起人会が広島市で開かれる。
 9月15日米ホワイトハウスは、北朝鮮の核兵器開発を中止する代わりとして行う軽水炉建設の朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)事業に関し、KEDO理事会が近く開催され、軽水炉建設計画の中止を正式決定すべきだとする声明を発表。KEDOの運営費の拠出は決定。
 9月16日ボルトン米国務次官、下院外交委員会の中東中央アジア小委員会で、シリアが弾道ミサイルの開発を進めており、北朝鮮とイランが協力している証言。
 9月16日米上院は、現在制限されている小型核兵器の研究など核開発関連予算の大幅削減を求めた民主党の修正条項を反対多数で否決。
 9月16日米軍は、韓国に新型パトリオットミサイル(PAC─3)の実戦配備を完了したと発表。
 9月17日川口外相はベトナムのキエム副首相と会談し、核実験全面禁止条約(CTBT)への批准を要請。キエム副首相は批准のため作業部会を設置したことを説明。
 9月17日米政府機関は、北朝鮮が新たに開発したとみられる新型ミサイルについて、偵察衛星などの調査から、長射程の3段式発射型ミサイルと確認していたことが判明。
 9月18日有識者による「外交政策評価パネル」が5分野の提言を盛り込んだ報告書を川口順子外相に提出。集団自衛権に関する憲法解釈の変更、非核三原則の一部見直し(核搭載艦の一時寄港など)を含む。核兵器開発を進める北朝鮮情勢の悪化に伴うもの。
 9月18日英国のガーディアン紙は、サウジアラビアが核兵器取得を含む防衛戦略の見直しを行っていると報道。
 9月19日アラブ連盟は、17日に提出したIAEA(国際原子力機関)年次総会でのイスラエルに核拡散防止条約(NPT)調印と核査察受け入れを求める決議案を取り下げた。イスラエルは公式には認めてないが、100発以上の核爆弾を保有していると言われる。
 9月19日IAEA(国際原子力機関)年次総会で、北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議を評価し、北朝鮮に核兵器計画の即時廃止と核査察受け入れを要求する決議を全会一致で採択。また、中東の非核化の決議も採択したが、イスラエルの核兵器についての言及はなし。
 9月19日米エネルギー省は臨界前核実験を実施したと発表。実験名は「ピアノ」。18日の予定だったが、装置の作動不良で1日延期となった。通算20回目で、ブッシュ政権下では7回目。
 9月19日北朝鮮は、米軍が韓国に新型ミサイル迎撃システムを配備したことについて、核兵器開発問題をめぐる協議を妨げる挑発的行為であると非難。
 9月21日原子力発電所体制の強化を目的とする独立行政法人「原子力安全基盤機構」の発足を目前に、同機構に各電力会社から職員が出向する事が判明。北海道電力をのぞく東京電力12人、関西電力8人、九州電力5人など10社計37人。このうち9社は原子力発電所を所有。同機構を管理する経済産業省原子力安全・保安院は、電力各社からの出向員は検査部門には配置しないとしている。
 9月22日イランは、新型の中距離弾道ミサイル「シャハブ3」6基を公開。
 9月23日北朝鮮朝鮮中央通信は、核開発計画の即時廃棄と査察受け入れを求めたIAEA(国際原子力機関)年次総会の決議について不当であり、無効であるとの論評を発表。
 9月26日北海道十勝沖地震発生。泊原子力発電所1号機は出力が約55%まで自動低下。これは地震による停電で電力需要が一時的に急減した事によるものと見られる。
 9月27日日本の偵察衛星である情報収集衛星の2回目2基の打ち上げがH2Aロケット6号機の二段目にみつかった不備で延期となる。今回は、光学衛星と合成開口レーダー衛星。
 9月28日2000年10月に訪朝した当時のオルブライト米国務長官と会談した北朝鮮の金正日総書記が、ミサイルをシリアとイランに売却した事を認めていた事が、出版された同前長官の回顧録の内容で判明。
10月 2日北朝鮮が今年に入ってから、ミャンマーにミサイル技術や関連部品を売却しようとしていたことが、米政府当局者によって明らかにされる。
10月 3日パキスタン国防省は、核搭載可能な中距離ミサイルの発射実験に成功したと発表。射程290kmほどのハトフ型とみられる。
10月 3日国立弘前病院で11年間に患者254人に放射線を過剰照射していた事が判明。新しい機器を導入した際に、単位のグレイとレントゲンの換算ミスに気付かなかったのが原因。
10月 3日イラクの大量破壊兵器開発について調査していた調査団は、フセイン政権が崩壊直前に、北朝鮮に頭金1000万ドル(約11億円)を支払い、ミサイル部品購入契約を結んだが、北朝鮮が米国の監視の強化を理由に契約を履行せず、返金要求にも応じていなかったことを明らかにした。
10月 3日不祥事によって原子力発電所が稼働停止になった事で、福島県のヒラメ養殖が被害を被っている事が明らかになる。ヒラメ養殖は、原子力発電所の温熱排水を利用していたが、停止がにより水温が下がり、養魚が多数死んでしまったため。
10月 4日インドネシアのヌサドゥアで、東南アジア諸国連合(ASEAN)と日本、中国、韓国を合わせたASEANプラス3の高級事務レベル協議が行われ、北朝鮮の核開発などが討議される。
10月10日北海道電力は、泊原子力発電所1号機の、再生熱交換器配管の緊急点検をするため原子炉を停止すると発表。翌11日に停止。
10月11日フィナンシャル・タイムズ電子版は、イスラエルが米国から供与された巡航ミサイルを潜水艦発射用の核弾頭搭載型に改良したと報道。潜水艦3隻に装備する。海中からの核攻撃を可能とするもの。
10月13日イランの反体制組織「国民抵抗評議会」は、イラン政府がIAEA(国際原子力機関)に申告しないで極秘に建設を進めている核関連施設があると証言。
10月13日ロシア政府は、イランで建設が進められているブシェール原子力発電所の稼動を、2005年に延期すると発表。技術的な理由によるものとしているが、イランの核開発問題に関係したものか。
10月14日パキスタン軍は、核弾頭搭載可能な地対地弾道ミサイル「ハトフ4」の発射実験を行い成功したと発表。また同ミサイルの実験は今回で一応終了としている。
10月14日公開が延期されていたコメディ映画「東京原発」(監督:山川元)が、東京国際ファンタスティック映画祭で公開決定。内容は東京都知事が都に原子力発電所を誘致する事で起こる騒動を描いている。01年に完成していたが石原知事の発言などが問題化して公開が延期となっていた。
10月14日東京電力は、福島第1原子力発電所2号機で鉄パイプなどの異物が見つかったため、定期点検中の原子力発電所を調べたところ、柏崎刈羽原子力発電所1号機など6基の圧力抑制室から、金属の表面を磨くグラインダーなど異物40個が見つかったことを発表。
10月16日北朝鮮外務省スポークスマンは、朝鮮中央通信の質問に答えるという形で、われわれの核抑止力を物理的に公開する措置が取られるだろうと述べ、核実験を実施する用意があることを表明。
10月18日東京電力は、14日に防塵マスクなどが発見された柏崎刈羽原子力発電所1号機の圧力抑制室で回収作業中に、新たにビデオテープ1本と左足の作業靴1点が見つかったと発表。
10月21日テヘランでイラン政府首脳とストロー英外相、ドビルパン仏外相、フィッシャー独外相との会談が行われ、イラン側はウラン濃縮技術開発を中止し、IAEA(国際原子力機関)から求められている追加議定書に署名することを表明。
10月21日APEC首脳会議が行われ、最終日、議長国タイのタクシン首相は、議長総括の中で「6カ国協議継続を支持し、朝鮮半島の非核化実現を求める」と声明。また、小泉首相も、記者会見で、北朝鮮に核開発放棄をあらためて求める。
10月23日原子力発電所でウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル計画について、英国のメーカーによる検査データねつ造問題によって遅れていることに関し、関西電力の藤洋作社長は、福井県の西川一誠知事を訪ね、再発防止策と年度内のMOX燃料海外調達契約の締結、2007年度中の高浜原子力発電所への搬入、プルサーマル計画の再開などについて説明。
10月24日北陸電力の新木富士雄社長は記者会見し、関西電力、中部電力とともに共同で石川県に建設を計画している珠洲原子力発電所について計画を見直す方向も含め、電力3社および地元自治体などと協議を始めたい意向を述べる。電力需要の低迷下と自由化に備えたものとみられる。
10月24日中国電力は、定期検査中の島根原子力発電所1号機で、核燃料棒を束ねる金属製部品「スペーサ」1個が、定位置からずれていたと発表した。14日にも他の燃料集合体でスペーサ5個のずれが見つかっている。(
10月27日中国国家発展改革委は、2020年までに20基以上の新規原子力発電所が必要との見通しを示す。
10月28日KEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)関係者は、北朝鮮での軽水炉建設に関連して、11月3、4日に開く非公式理事会で事業中断の方向性を確認した上で、カートマン事務局長を近く訪朝させ北朝鮮側と協議を行うことを検討していると明らかにする。
10月29日ロシアとイランは、使用済み核燃料の返還協定を近く締結することで合意。使用済み核燃料は核兵器開発につながるもので、イランが合意したのは、国際的な監視強化の動きに譲歩したものか。
10月29日インドは巡航ミサイル「ブラモス」の発射実験を東部オリッサ州で実施。誘導能力を確立する目的に達したと発表。同ミサイルはロシアと共同開発・生産している。
10月29日鳥取県埋蔵文化財センターは、「青谷上寺地(あおやかみじち)遺跡」(同県青谷町)から見つかった鉄器に含まれる成分を大型放射光施設「SPring8(スプリング・エイト)」(兵庫県三日月町)で分析した結果を発表。鉄器は不純物が少なく、高度な技術で作られていることがわかった。同遺跡は弥生人の脳が出土したことでも知られる弥生時代の集落跡。放射光は、電子や陽電子を加速させて磁場の中を通すと出てくる電磁波で、放射光を物質に当てることで出てくる光から成分がわかる。
10月29日北朝鮮の核開発問題で、これまでこだわっていた米朝不可侵条約締結について、24日に行われた米朝交渉で、事実上撤回する姿勢を示していたことが明らかになる。米国が安全保障について文書化することをにおわせた事による譲歩と見られる。
10月29日北朝鮮を訪れた中国の呉邦国全国人民代表大会常務委員長は、北朝鮮の金永南最高人民会議常任委員長と会談し、北朝鮮の核問題などを協議。
10月29日香港紙の蘋果日報は、台湾が初めて中距離ミサイルの発射実験を行ったが失敗に終わったことを報道。/TD>
10月30日国連総会第1委員会(軍縮・安全保障担当)は、日本提案の核兵器廃絶決議を採択。賛成国は146カ国で、核保有国のうち、英国、フランス、ロシアは賛成に回った。反対は米国とインドのみ。中国など16カ国は棄権。
10月30日9月下旬に開かれた日米韓3カ国の非公式協議の際、米国側が、北朝鮮の核開発計画放棄の見返りとして米国が検討している「安全保証」の明確化のあとでも、日米同盟によって、日本への防衛義務を確約していたことが明らかになる。これは米国が北朝鮮との安全保障を明確化すれば、北朝鮮が日本を攻撃した場合、米軍の協力を得られなくなると言う懸念に対する答えとして表明したもの。
10月31日訪米中のファンジャンヨプ元朝鮮労働党書記は、30日に会見後、この日米議会内で講演。会見などで各国が北朝鮮と個別に交渉することを愚かな行為と批判し、中国が北朝鮮の生命線で、中国の支援がなければ、早期に金体制は崩壊すると指摘。核開発は中国やロシアにも内密にしていたこと、核開発を放棄することはないと語る。
11月 1日イランの核開発問題で、IAEA(国際原子力機関)がイラン・ナタンツの核施設などから検出した高濃縮ウランの濃度が70−80%台であることが明らかになる。このレベルは、核兵器に用いられているものとほぼ同じ。
11月 2日ロシアの対米自動核報復システム「死の手」が現在も稼働していることが明らかになる。同システムは、ウラルのコスビンスキー山の地下にあるシステムで、米国からの核攻撃で国家指導部、軍組織などが全滅して指揮系統が失われると、自動で、通信用ロケットを介して生き残っているICBMを米国へ発射する命令を発するといわれる。現在、ロシアと米国との関係は友好的だが、悪化した時に備えたものか。
11月 5日米上下両院は、地中貫通型核兵器の研究予算を、米政府が要求していた約1500万ドルから約750万ドルに半減することで合意。米議会は5月に小型核兵器の研究解禁を認める法案を可決している。
11月 5日エアリー米国務省副報道官は会見で、KEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)が北朝鮮の軽水炉建設事業の一時停止で合意したことについて、米国は建設事業には将来がないとの立場で、事業終了の姿勢であることを鮮明にする。
11月10日ロイター通信は、IAEA(国際原子力機関)が、イランの核計画をめぐる査察について、核兵器開発の証拠は得られなかった、と指摘する報告書を入手したと報道。同報告書では、イラン政府の情報提供が十分でなかったことも批判し、イランの核開発が平和利用であるという結論に至には時間がかかるとしている。
11月10日台湾空軍は、米フロリダ州の米軍基地内で米軍56飛行連隊のF−16戦闘機を使いAIM−120型中距離空対空ミサイルの試射に成功。米国が台湾に供与を予定しているミサイルで、中華人民共和国のAA−12型空対空ミサイルに対抗するものといわれる。
11月11日文部科学省は、国際熱核融合実験炉の建設地の選定について、北京での関係国政府間協議で合意に達し、年内に決定する見通しになったことを発表。日本からは青森県六ケ所村が候補地にあがっており、フランス、スペイン、カナダとの争いになっている。
11月11日イラン原子力庁の広報担当者は、同国がウラン濃縮停止の作業を開始したことを確認したと発表。
11月12日IAEA(国際原子力機関)は報告書で、イランが1970年代から開始したレーザー法によるウラン濃縮計画で、98年までに4か国から技術支援を受けていたことを明らかに。4カ国の内ひとつはパキスタンと見られる。イランはラシュカール・アバドの施設で濃縮を行っていた。
11月12日公害等調整委員会は、岐阜県の文部科学省核融合科学研究所の重水素実験計画に反対する住民が求めた公害調停を打ち切ることを決定。同研究所と住民との間の合意が見通しがたたないため。実験は、重水素を用いて核燃焼に至らない段階での高温プラズマの閉じ込め性能を改善することを目的とし、重水素プラズマに、高エネルギーの重水素のビームを入射して行う。住民は、実験によってトリチウムが発生する可能性があること、事故が起こった場合に発生する中性子線を遮蔽できない場合、中性子線とそれによって物質が放射化することで健康被害が考えられるとして実験に反対している。これに対し、研究所では、トリチウムの影響は自然界の一億分の一レベルであること、事故が発生した場合実験は即時停止され、中性子線による被爆は抑えられると説明している。
11月13日アジア地域での大量破壊兵器の拡散防止体制を強化するため、米・韓、ASEAN(東南アジア諸国連合)、オーストラリアの局長級による「アジア不拡散協議」を東京都内で開催。
11月14日米中央情報局(CIA)が公開した大量破壊兵器に関する議会報告書で、北朝鮮の長距離弾道ミサイル「テポドン2号」が試射できる段階に入っている可能性があること、北朝鮮が多くの国から弾道ミサイル開発に必要な原料や部品を調達し続けていること、テポドン2の能力について、射程は6000kmから1万5000kmとしていることを報告。
11月15日モスクワのルシコフ市長は、市内の核物理研究施設クルチャトフ研究所の実験用原子炉を2年以内に郊外へ移転させる計画を表明。事故やテロの危険性を考慮したもので、市長選を前に発表したと見られる。同研究所には原子炉が7基あり、大量の使用済み核燃料が保管されていると言われている。
11月15日朝鮮中央通信は、KEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)のチャールズ・カートマン事務局長が空路で平壌入りしたことを報道。12月にも軽水炉建設の停止を伝え、建設地区の琴湖(クムホ)から機材と文書の搬出を協議するため。
11月15日米政府は、北朝鮮の核開発問題で検証可能かつ後戻りしない完全核放棄を求めるため、再処理プルトニウムや処理前の燃料棒など核関連物質の第三国への搬出を最優先事項とし、6カ国協議で提起していく方針であることを明らかにする。
11月15日英国際戦略研究所のチップマン所長は「ミリタリー・バランス」の公表に当たって記者会見し、北朝鮮は、今夏に使用済み核燃料の再処理を限定的に試みたが、再処理作業は完了していないというのが大半の分析家の見方であることを述べる。
11月17日韓国紙「朝鮮日報」系の月刊誌「月刊朝鮮」12月号で、ファンジャンヨプ元北朝鮮労働党書記が米国務省当局者と会談した際、94年に米朝枠組み合意を締結した時点で北朝鮮には「核開発を放棄する考えはまったくなかった」と述べたこと、当時金正日書記が地下核実験や核関連施設の移設に言及していたこと、84年に駐平壌ソ連大使から核開発に関して警告されたこと、などを掲載。
11月20日聯合ニュースは、韓国政府当局者が、15日に訪朝し軽水炉建設の停止を伝えたKEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)のカートマン事務局長に対し、北朝鮮側が「工事中断に伴う損失補償」を要求したことを明らかにしたと報道。
11月21日KEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)のスポークスマンは、事業を12月1日から1年間停止することを正式に発表。
11月21日経済産業省は、北海道電力が計画している泊原子力発電所3号機(91万2000キロワット)増設の工事計画を認可。2009年12月の運転開始予定。
11月22日20日から北京で開催されていた東南アジア諸国連合地域フォーラム(ARF)の信頼醸成措置構築会議に、北朝鮮のみ欠席したことが明らかになる。核開発問題を警戒したものとみられる。
11月24日ブッシュ米大統領は、総額4013億ドル(約43兆7000億円)にのぼる2004会計年度の国防予算案に署名し、同法は成立。ミサイル防衛関連予算、小型戦術核兵器研究予算などが含まれる。
11月25日毎日新聞は、米国政府が研究を解禁した小型核兵器について、米議会調査局の報告書を入手したと報道。その内容について、軍事的効果が不確かなこと、地中貫通型でも、大量の死の灰によって民間人に多数の死者が出る可能性があることを指摘している。具体例として、シリアの首都ダマスカスの地中約10mで5kt級の地中貫通核弾頭が炸裂した場合、死者23万人、以後の2年間で28万人が死亡するとしている。
11月25日政府は、北朝鮮の核開発問題をめぐる次回6カ国協議が12月17から19日に北京で開かれる見通しが強まったことを受け、協議の対処方針について最終的な調整に入る。多国間協議や日朝協議をして、核開発問題と拉致問題の包括的解決を目指す。
11月26日IAEA(国際原子力機関)定例理事会は、イランが長年にわたって核開発を秘密裏に続けたことを強く非難する一方、疑惑解明に向け協力姿勢に転じたことを評価する決議を、全会一致で採択。
12月 1日米大統領、小型核兵器研究解禁の法案に署名。
12月 3日中国政府、大量破壊兵器拡散防止白書を発表。
12月 3日関西、中部、北陸の3電力会社は、石川県珠洲市で計画していた珠洲原子力発電所について凍結することを決定。最大の理由は電力需要の低下と見られる。
12月 3日中国政府は、核兵器やミサイル技術などの輸出について懲罰を含む厳格な管理体制を取る「大量破壊兵器拡散防止白書」を発表。
12月 3日ドイツのシュレーダー首相が、中国が関心を示している核施設の機器売却計画に前向きな姿勢を取っていることに、連立与党の90年連合・緑の党が猛反発。核施設は、シーメンス社がハーナウに建設したプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料工場で、反原発運動により一度も稼働しないまま95年に事業は中止された。
12月 4日オーストラリア、米のミサイル防衛計画に参画を決定。
12月 4日フランス南部で1日から続いた豪雨のためローヌ川などが氾濫したため、川沿いの原子力発電所計4基も運転を停止。
12月 5日国際熱核融合実験炉計画次官級協議で、日本とEUが誘致先で調整難航。
12月 8日ビキニ水爆実験で放射能灰を浴びた第五福竜丸の無線長だった久保山愛吉氏の遺体組織の一部を米国軍病理学研究所(AFIP)が病理標本にしていたことが1955年当時の書簡から判明。この標本の検査結果として、米国は、久保山氏について、急性放射線障害はみられるが、治療の際の輸血によって肝炎が悪化し、肝臓と腎臓の病気に肺炎が重なったことによって死亡したためで、水爆実験が直接の死因ではないとしている。
12月14日北朝鮮の核開発問題をめぐる6カ国協議の年内開催が見送られることが決定。17〜19日に北京での開催に向け最終調整が進められていたが、共同文書案をめぐる米朝間が対立したため。
12月15日米スミソニアン航空宇宙博物館で広島に原子爆弾を投下した「エノラゲイ号」が一般公開。この機の展示は航空機の発展をテーマにしており、原爆投下についてのものではなかったので、被爆者団体などが反発。
12月17日イランのハタミ大統領は会見し、18日にもIAEA(国際原子力機関)の核査察強化のための追加議定書に調印すると発表、IAEA報道官も、イラン政府代表が18日午後3時にウィーンのIAEA本部で調印する見通しだと述べた。
12月17日米国主導で進められている大量破壊兵器拡散阻止構想(PSI)で、米政府は、大量破壊兵器運搬の疑いのある航空機の臨検に際して、強制着陸などの手段に応じない場合は、撃墜も選択肢として検討していることが複数の米政府筋によって明らかになる。
12月17日米政府は、大量破壊兵器の拡散を阻止するための決議案を、国連安全保障理事会の常任理事国各国に非公式に提示。これはテロリストに大量破壊兵器が渡されるのを阻止するためのもの。
12月18日巻原子力発電所建設予定地の町有地を町長が反対派住民に売却したことの是非を問う住民訴訟で、最高裁は、推進派住民の上告を退け、「売却は適法」との決定を出す。
12月19日東北電力社長は、新潟県巻町に計画中の巻原子力発電所1号機の建設を断念する考えを示唆。地元の反対や前日の最高裁判決、電力需要の低下などが理由。
12月19日リビアのカダフィ大佐が、米英と大量破壊兵器の破棄で合意。この内容には核兵器、弾道ミサイルも含まれる。米英はリビアに対する制裁を解除する事を検討。また米国は、イランや北朝鮮に対しての圧力になるとし、リビアもイスラエルの核兵器廃棄を要求。
12月20日政府の予算案で、素粒子ニュートリノの実験施設について「国家的、国際的にも重要なプロジェクト」として、8億円の要求に対し6億円が認められた。政府はこの種の基礎研究に疑問を呈していた。
12月20日米国バージニア州で行われた国際熱核融合実験炉(ITER)の建設地を決める閣僚級会合で、日本や韓国、アメリカが推す青森県六ケ所村と欧州連合、ロシア、中国が推すフランスのカダラッシュで調整がつかず結論が先送りされる。
12月26日米ABCテレビは、テロ組織アルカイダが放射性物質をばらまく「汚い爆弾」によるテロを計画している可能性があるとして、米政府が警戒していることを報道。
12月27日リビアの大量破壊兵器開発放棄宣言を受け、IAEA(国際原子力機関)のエルバラダイ事務局長を団長とする査察団が、同国首都トリポリに入り、同国大量破壊兵器開発に関する査察を開始。
12月27日福島県大熊町の町水産振興公社は、同町の福島第一原子力発電所の熱エネルギーで温められた海水を使い、希少な高級魚「ホシガレイ」の養殖に成功。年明けから販売する予定。
12月31日99年に、北朝鮮が、核開発のためのウラン濃縮関連技術を学ぶためにパキスタンに3人の技術者を派遣していたことを、韓国情報筋が毎日新聞に語ったことで明らかになる。
12月31日10月にリビアが、核兵器に使うウラン濃縮用遠心分離機の部品を大量に密輸入しようとしたが、米情報当局主導の大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)の初の実施で貨物船臨検により阻止されていたことを、米紙ウォールストリート・ジャーナルが報道。米国務省もこれを認める。この時期は、同国の大量破壊兵器の廃棄に関して米英と秘密交渉中で、この結果、リビアの譲歩につながったと見られている。
  
  

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