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核・原子力関連年表7A(2004年1月〜7月)

 
2004年
 
 1月 1日米紙USAトゥデー電子版は、米国の核専門家らが、6〜10日の日程で北朝鮮に招かれ、核関連施設が集中する寧辺(ニョンビョン)も訪問する予定だと報道。
 1月 2日日米韓3か国は、北朝鮮の核開発問題をめぐる次回の6か国協議で、北朝鮮に対し、軍事目的だけでなく、原子力発電など平和目的の核開発も認めず、核関連施設の完全廃棄を求める方針を固めたことが明らかになる。
 1月 2日フランスがサハラ砂漠や南太平洋で行った核実験によって健康を損なったとして、退役軍人や現地作業員ら11人が、国に損害賠償を求める訴訟を起こす。核実験での国の責任を追及する集団訴訟は初めて。フランスは1960年から1996年までに210回の核実験を行い、軍人や作業員ら15万人が参加している。
 1月 4日イスラエル政府は、1986年にイスラエルの核兵器保有をサンデー・タイムズに暴露して、国家反逆罪などで服役している元核技師モルデハイ・バヌヌ氏が刑期を終えるのに備え、秘密漏洩防止のために同氏の海外渡航禁止などを検討していることが明らかになる。
 1月 6日米国の推進しているミサイル防衛構想に、カナダが参加する見通しが強まったことを、米軍筋が明らかにする。同構想は日本、オーストラリアが参加を表明している。
 1月 9日国際熱核融合実験炉(ITER)の建設地に関して、来日中のエイブラハム米エネルギー省長官は、青森県六ケ所村を候補地として支持を表明。
 1月10日北朝鮮外務省スポークスマンは、朝鮮中央通信の質問に対し、米国の核問題専門家らの訪問団が平安北道寧辺の核施設を「特別に」参観したとして、われわれの「核抑止力」を見せたことを表明した。
 1月12日米国とインドは、ミサイル防衛、原子力民生利用、非軍事宇宙計画などについて協力を進める事で合意。
 1月13日神奈川県警外事課と鶴見署は、アイ・ディー・サポート社長ら二人を外為法違反の疑いで逮捕。容疑者は昨年11月ごろに、大型業務用洗濯機のインバーター(周波数変換器)1台を、経済産業相に無許可で北朝鮮に輸出した疑い。同装置は核兵器の開発の際にウランを濃縮する遠心分離器の制御装置などに必要とされており、大量破壊兵器に転用可能な製品の輸出を禁じる「キャッチオール規制」の対象になっている。
 1月13日米紙ワシントン・ポストは、北朝鮮寧辺の核施設を視察した米訪問団が米政府へ提出した報告内容として、約8000本の使用済み核燃料棒が保管されていた冷却用貯水プールは空の状態で、核燃料棒の再処理施設「放射化学研究所」が稼働していたと報道。
 1月18日パキスタン当局は、イランへの核兵器開発技術供与疑惑をめぐって、同国の核物理学者カーン博士の側近4人を拘束。同国はこれまで「核技術供与が事実とすれば科学者による個人的行為である」としている。カーン博士は同国で「原爆の父」と呼ばれており人気がある。
 1月19日オランダの閣僚が、欧州で開発された兵器転用可能な核技術を、北朝鮮とリビアが保有している可能性がある、との見解を示す。
 1月21日北朝鮮の国営朝鮮中央通信は、同国の核兵器所有による核抑止力について、米国の核による脅威と共に、日本の核武装に対処するためだと、論評で報じる。
 1月21日英国のシンクタンク「国際戦略研究所」は、北朝鮮の大量破壊兵器に関して、1992年以前に核兵器1、2個分のプルトニウム製造能力を持っていた可能性、既存の核燃料棒から2−5個分の核燃料を抽出済み、現存する5000キロワットの実験用黒鉛減速炉で毎年、核兵器1個分のプルトニウムを製造できる、と言う条件から、同国が新たな核燃料施設を完成させなければ、今後数年間で保有できる核兵器の数は最大で6〜12個との見方を発表。また、現時点で北朝鮮が実際に核兵器を保有しているかどうかは不明であること、中距離ミサイル「ノドン」については、日本中の標的に到達でき、推定配備数は40基としている。
 1月26日韓国の朝鮮日報は、同国国防省と海軍が、4000トン級原子力潜水艦数隻を独自に開発し、2012年以降の実戦配備を目指していると報道。これは南北統一後に日本・中国の脅威から守るため、としている。
 1月30日ナトリウム漏れ事故以来運転を停止している核燃料サイクル開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」について、経済産業省原子力安全・保安院は、ナトリウム漏れ対策などを柱とする改造工事の詳細設計を認可し、国の審査はすべて終了。改造工事を行うには、福井県と敦賀市の了解が必要となる。総工費約180億円で工期は17カ月を予定。
 1月31日原子力発電所の構造物のひびの検査にあたる技術者を養成するための訓練施設が神奈川県に完成。
 1月31日パキスタン政府は、同国の「原爆の父」と呼ばれる核物理学者、アブドル・カディル・カーン博士を首相顧問職から解任。これは、イラン、リビア、北朝鮮などへの核技術拡散について、科学者の個人的な行為で、政府に責任はない、として国際的な批判をそらす目的の解任であるという意見が出ている。
 2月 2日パキスタンの有力紙ドーンなどは、同国の核兵器開発技術漏洩疑惑で、同国の核開発の父といわれるアブドル・カディル・カーン博士が、イラン・リビア・北朝鮮への技術漏えいを認めたと報道。
 2月 5日パキスタン政府は、同国の核開発技術漏洩疑惑を認めたアブドル・カディル・カーン博士を赦免すると決定。同国の核開発はインドに対抗する形で国家が進めたものだが、漏洩問題では国家の関与を否定し、カーン博士が全責任を取った形になっている。一方で博士は国民から英雄視扱いを受けていることから、赦免処置を執ったと見られる。
 2月 5日IAEA(国際原子力機関)の査察官だったデビッド・オルブライト科学国際安全保障研究所長は、パキスタンのアブドル・カディル・カーン博士が、1990年10月に、代理人を通じて、イラクに核技術売り込みを持ちかけたA・B計画のメモがあることを明らかにした。この交渉は失敗に終わったと言われる。
 2月 6日航空会社の日本乗員組合連絡会議、客室乗務員連絡会は、乗務員の宇宙線被ばく対策を求める要望書を文部科学省などに提出。宇宙線被爆は、太陽などから放射され、地球に降り注ぐ放射線が飛行高度1万m以上では人体に影響があるという問題。
 2月 6日ソウルで開かれていた韓国と北朝鮮の南北閣僚級会談は、第2回6カ国協議に関して、核問題の平和的解決のために南北が協力することなどの共同報道文を発表し終了。
 2月 7日パキスタンの核技術漏洩問題で、核の闇市場の仲介業者の一人が、日本企業から部品を購入し、ウラン濃縮用の遠心分離器に使うためリビアに輸出した疑いのあることが明らかになる。同市場では欧米各国、中国、南アフリカなどの企業からも部品を調達しているという。
 2月 8日アラブ紙アルハヤトは、ウサマ・ビンラディン率いるアルカイダが、1998年にウクライナの科学者から、アフガニスタンのカンダハルでスーツケース型戦術核爆弾を買い入れ、今も保管している、と報道。同種の核兵器は威力1kt程度のものといわれる。
 2月 9日ニューヨーク・タイムズ電子版は、パキスタンのムシャラフ大統領がインタビューで、カーン博士による他国への核技術漏えいを少なくとも3年前から疑っていたことを認めたと報道。
 2月10日北朝鮮外務省スポークスマンは、高濃縮ウランによる核開発を否定し、パキスタン科学者による核技術移転は米国のでっち上げだとして批判。
 2月10日国内でがんにかかる人の3・2%は、医療機関での放射線診断による被ばくが原因と推定されることが、オックスフォード大グループの国際的調査で明らかになった。日本は調査15カ国中でもっとも被爆量が高い結果となっており、日本の次に高いクロアチアで1.8%程度。
 2月11日英紙インディペンデントは、北朝鮮からの亡命者らの話として、1980年代後半には核爆弾を保有しており、現在はもっと増えていると報道。
 2月11日北朝鮮のウラン濃縮核開発計画について米政府は、北朝鮮とパキスタンの技術協力が、米朝枠組み合意から1、2年後の1995〜96年に具体化していたと分析していることが、米政府高官によって明らかになる。
 2月11日ブッシュ米大統領は、国防大学での演説で、大量破壊兵器の拡散防止に向け、核拡散防止条約(NPT)を見直し、既に核燃料を生産できる国を除く非核保有国による核燃料の生産禁止などを提案。これは原子力発電所の核燃料も含まれる。
 2月12日朝鮮通信によると、北朝鮮外務省スポークスマンは、ブッシュ米政権が一括妥結案に基づいた核問題解決の意思があり、凍結対補償に合意するなら、黒鉛減速炉による核活動を凍結する用意があると語ったことを報道。
 2月15日ワシントン・ポスト紙は、専門家の話として、リビアの核技術が中国からパキスタン経由で移転されたものだったことが、リビアの提出した書類で明らかになった、と報道。
 2月16日パキスタンの有力紙ドーンは、同国の核開発技術漏洩疑惑の渦中にある核開発者アブドル・カディル・カーン博士が、国営テレビに出演し漏洩を認めた後の8日に心臓発作を起こしたと報道。政府は否定。カーン博士については自殺したという噂も流れ、同国では英雄視されている博士の生死が問題になっている。
 2月16日サウジアラビアの国営サウジ通信は、同国国防当局者が、米国の「サウジアラビアがミサイルの入手で中国と協力し、パキスタンから核兵器を購入する可能性がある」という報道を否定したと報じる。
 2月17日文部科学省と茨城県、9市町村、核燃機構は、核燃料サイクル開発機構の高速実験炉「常陽」で事故が起きたという想定で原子力防災訓練を実施。
 2月17日米国が平和利用目的で生産した濃縮ウランを、「アトムズ・フォー・ピース」政策に基づき、1950年代から51カ国に供与・売却し、96年から開始した回収事業が難航していることが明らかになる。回収量は15%程度。はじめは供与の形で、核兵器に転用しない、使用済み燃料は米国に返却する、と言うものだったが、64年からは売却するようになった。
 2月17日米エネルギー省テネシー州オークリッジ核兵器工場で、テロリスト襲撃を想定した警備員訓練が、20年近くにわたり事前に訓練内容を教えるという不正行為が行われていたことが内部監査で判明。
 2月17日中国外務省は、同国の核技術がパキスタン経由でリビアに流出したとする15日の米ワシントン・ポスト紙の報道を受け、事実関係について調査していることを発表。
 2月24日リビアを訪問中のIAEA(国際原子力機関)のエルバラダイ事務局長は、同国の原子力政策担当マトゥク副首相と会談し、6月末までに同国の核兵器開発計画廃棄作業を終了することで合意。
 2月28日北京で開かれている第2回6か国協議は、次回協議開催や作業部会設置などの合意をうたった議長総括を発表して4日間の日程を終了。アメリカが完全な核放棄を主張したのに対し、北朝鮮が核兵器に限定したため対立。また終盤には共同文書草案に対し、北朝鮮首席代表の金桂寛外務次官が反発して閉会式が遅れる事態も発生した。
 2月28日台湾で、約200万人が中国の台湾向けミサイル配備に抗議するため、台湾の西側で手をつなぐ「人間の鎖」デモを実施。2月28日はかつて国民党が台湾住民を弾圧した日だが、総統選挙に備え、台湾住民の結束を固めるために李登輝前総統・陳水扁総統らが企画した。
 2月28日リビアの最高指導者、カダフィ大佐は、アフリカ連合の特別首脳会議で、核兵器を含む大量破壊兵器の開発計画を放棄したことについて「核兵器開発競争は経済と人命を破壊する」と述べ、経済問題が主な理由とした。
 3月 1日ビキニ水爆実験から50年。ケサイ・ノート・マーシャル諸島大統領は、追悼式典を実施。同実験では死亡者の出た第5福竜丸以外にも多数の日本漁船がビキニ環礁付近で被爆しており、米軍も当時そのことを極秘に調査したと言われているが、真相は明らかになっていない。また地元住民の被爆や土地復帰問題は今も解決されてない。
 3月 4日パウエル米国務長官は、北朝鮮から証拠を示すよう求められていた、北朝鮮の高濃縮ウラン開発計画の存在の証拠を、6カ国協議の作業部会を通じて示す方針を明らかに。北朝鮮は同計画を否定している。
 3月 5日インド軍、イスラエルの航空機メーカーとイスラエル製空中警戒管制機「ファルコン」3機の売買契約を締結。
 3月 5日ロシア政府は、日本海に面した極東沿海地方のボリショイカメニ港と、エストニア国境に近いレニングラード州ウスチルガ港に、原子力発電用輸出向け核燃料保管施設の建設を計画していることが明らかに。輸出入用核物質の保管施設はサンクトペテルブルク港にしかないため、新たにアジアとヨーロッパ向けの施設を建設するものと見られる。
 3月 8日経済産業相の諮問機関である総合資源エネルギー調査会が開かれ、原子力発電所から出る使用済み核燃料の再処理など核燃料サイクルにかかる約19兆円の費用負担について、過去の未回収費用分も電力料金に上乗せするかをめぐって、政府や大手電力会社と、新規電力会社・消費者代表らの意見が対立。
 3月 8日イランの核開発疑惑を協議するIAEA(国際原子力機関)の定例理事会が3日間の日程で、ウィーンの本部で開催。イラン経済制裁に関しては、査察とウラン濃縮計画の一時中止に基づき、国連安保理への付託は見送られる。
 3月17日NASA(米航空宇宙局)は、計画中の11年以降に打ち上げ予定の「木星系氷結衛星周回機」(JIMO)の動力源として、米エネルギー省と共同で新型原子炉の開発を始めると発表。長期間の出力によって探査範囲を広げるため。
 3月19日福井県警は、2004年度の組織改編で、機動隊に原子力関連施設警戒隊を設置すると発表。全国で初めての原子力発電所専門警戒組織となる。
 3月19日IAEA(国際原子力機関)のエルバラダイ事務局長は、17日のブッシュ大統領との会談で、北朝鮮がIAEA査察官の復帰を認めた場合、同国の核関連分野に対する検証体制について、IAEAと米国が協力しあうことで合意したことを明らかにした。
 3月20日関西電力が高浜原子力発電所3、4号機で計画しているウランとプルトニウムの混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマルについて、福井県の西川知事は正式に了承。
 3月21日島根県鹿島町の中国電力島根原子力発電所2号機の冷却水漏れトラブルで、水の漏れた再循環系配管のステンレス製洗浄口ふたを固定するボルト8本全部が規定の3分の2程度の力でしか締まっていなかったことが判明。
 3月22日ゴードン・イングランド米海軍長官は、ワシントン市内で講演し、2004年から順次実戦配備されるミサイル防衛網第1弾として、同年9月にイージス艦1隻を日本海に派遣、常駐させる方針を明らかにする。
 3月23日ロシア海軍のクロエドフ総司令官は、北方艦隊の旗艦、原子力ミサイル巡洋艦「ピョートル・ベリーキー(ピョートル大帝)号」が故障して爆発の可能性があるため、ドック入りさせて修理することを決めたことを明らかに。核爆発の危険性は無いともしている。同艦は原子炉2基を搭載しているほか、核弾頭搭載可能なミサイルを備えた大型艦。
 3月30日日本原子力発電は、福井県敦賀市で建設を予定している敦賀原子力発電所3、4号機増設のための原子炉設置変更許可申請書を経済産業省に提出。改良型加圧水型軽水炉で、3号機は2013年度に、4号機は14年度に営業運転開始を目指している。
 3月31日米太平洋軍ファーゴ司令官は、米下院国防委員会の公聴会で、空母キティホークについて、2008年ごろに引退時期が来るが、後継艦は最も能力の高い船を配備したいと希望しており、日本政府と話し合いたい、と述べる。通常空母は練習空母ジョン・F・ケネディしかなく、残りはすべて原子力空母であることから、横須賀に原子力空母を配備したい意向を公式に示したものといえる。
 3月31日米国防総省は、弾道ミサイルを探知できる長距離早期警戒レーダーシステムを総額約17億8000万ドル(約1855億円)で台湾に売却する計画を発表。
 4月 2日米国務省のエレリ副報道官は、中国、北朝鮮、ロシア、マケドニア、台湾、ベラルーシ、アラブ首長国連邦の13企業が大量破壊兵器やミサイルの開発・製造に使用可能な物品や技術をイランに輸出したことを示す情報があるとして、これら企業に対し制裁を発動したと発表。一方、イランへの輸出にからんで科していたロシアの6企業・個人に対する制裁を、問題解消に伴い3月末に解除したと発表。
 4月 2日IAEA(国際原子力機関)がイランで行った核査察で、遠心分離機の組立工場など複数の施設で採取した環境サンプリングから高濃縮ウランを新たに検出していたことが判明。
 4月 4日日本が武力攻撃を受ける可能性が出てきた際に、在日米軍基地などを弾道ミサイルによる攻撃から守るため、米軍の持つ地上配備型ミサイル防衛システムを日本国内に持ち込むことについて、米政府から日本側に非公式に打診していることが明らかになる。同システムは、韓国やヨルダンなどで配備されているパトリオットミサイル(PAC3)。ミサイル防衛網が配備されるまでの間、緊急の場合に臨時に運び込んでミサイル防衛を行うという案。北朝鮮のノドンミサイルに対処するためと見られる。
 4月 4日韓国の聯合ニュースは、北朝鮮が3月下旬に訪朝した李肇星中国外相に対し、米国など6カ国協議参加国が相応の措置を取ることを条件に、核兵器開発だけでなく、「平和的核動力工業」も放棄する用意があることを表明したと報道。原子力発電などを指すものか。
 4月 4日米紙ワシントン・ポストは、リオデジャネイロ近郊のレゼンデで建設中のウラン濃縮施設に対するIAEA(国際原子力機関)の査察をブラジル政府が拒否していると報道。
 4月 6日イランのアガザデ原子力局長は、すべてのウラン濃縮作業と施設建設を今週末までに一時停止すると発表。
 4月 6日宮崎のメーカーが過去に製作した自動車の排ガスを低減する装置から、放射性物質が最大で自然界の2000倍の濃度で検出されていることが判明。装置内部にある燃料の燃焼効率を上げる固形部分に、ウランやトリウムを含む物質モナザイトが使用されていたため。全国で5000台以上のバスやトラック、自家用車に利用されている。
 4月11日国立病院機構弘前病院の放射線過剰照射問題で、関係4学会で組織する事故調査団は、過剰照射が原因で男性1人が死亡し、60人に副作用が出る可能性があるとの調査結果をまとめ発表した。
 4月12日ニューヨーク・タイムズ電子版は、パキスタンのカーン博士が、5年前に北朝鮮を訪れた際に、平壌から1時間ほどの所にある地下核施設に案内され、3個のプルトニウム原爆を見せられたと報道。
 4月12日「ウラニウム医療研究センター」のアサフ・ドラコビッチ博士は、東京都内で会見し、イラク・サマワから帰還した米兵から劣化ウランが検出されたと発表。
 4月14日米国エネルギー省は、米国が過去に供与・売却した高濃縮ウランの回収作業を、担当部署を変えるなどして加速すると発表。1950年代以降に米国が供与した濃縮ウランは、51カ国、約1万7500キロ。
 4月14日医療機関で診断に使うエックス線CTによる国民1人当たりの被ばく線量が10年で約3倍になったことが、放射線医学総合研究所の調査で判明。専門誌に発表される。すでに英国研究機関の調査で、日本のがん患者の3・2%は診断のために浴びた放射線が原因だと指摘されている。国内には、約1万の医療機関にCT装置が約1万1000台以上あると見られる。
 4月15日IAEA(国際原子力機関)のエルバラダイ事務局長は、国連安保理への書簡の中で、イラクのフセイン政権崩壊に伴い、同国から核関連物質や機器が流出していると指摘。流出したのはウラン精鉱や汚染されたくず鉄、査察対象機器など。
 4月20日韓国国防部と在韓米軍は、昨年11月頃に、北朝鮮のテポドンミサイル実験場のエンジン燃焼実験場で爆発事故が発生したのを米国のKH12衛星によって確認したことを明らかにする。
 4月20日米バーモント州のバーモント・ヤンキー原子力発電所から取り出した使用済みウラン燃料棒の破片2個がなくなっていることが判明。破片は、1979年に取り出されて格納プールに保管されていたもので、原子力規制委員会の指示で調査したところ無くなっていることがわかったという。発電所運用会社は、テストのため燃料会社に送付されたか、外部の放射性廃棄物処理場に運ばれた可能性もあるとして調査している。
 4月21日北朝鮮の金正日労働党総書記が19日から21日まで、中国を非公式訪問。金総書記は胡錦濤国家主席と首脳会談を行い、北朝鮮の核開発問題について平和的解決を堅持し、6カ国協議を引き続き推進していくことで合意。
 4月21日1986年にイスラエルの核兵器開発・保有をジャーナリストに暴露して、英紙サンデー・タイムズに記事が載り、国家反逆罪などで18年にわたって服役したイスラエルの元核技師モルデハイ・バヌヌ氏が、アシュケロン刑務所を出所。
 4月22日日米両国政府は、原子力技術の共同開発を促進することで合意し、公文書を交換したと発表。新型炉の共同研究・開発のスピード化、コスト削減などが狙い。
 4月24日日本とEUは、誘致を競っている国際熱核融合実験炉(ITER)について、日欧次官級会合を開き、建設地については合意に達しなかったものの、5月下旬に関係6カ国・地域で6極次官級会合を開くことを確認。
 4月25日米議会が昨年末に決定した小型核兵器研究の解禁について、米国務省などは、米国の大量破壊兵器の不拡散政策に悪影響を与えず、ロシアや中国との核軍拡競争を招く要因にもならないという内容の報告書を3月にまとめ、議会に提出していたことが判明。
 4月26日青森県は、六ケ所村の再処理工場への使用済み燃料搬入について、搬入再開を容認する方針を固める。燃料棒搬入は、燃料貯蔵プールの不正溶接問題で2002年12月から停止状態。三村知事が福田康夫官房長官と会い、国の核燃料サイクル政策に変更がないこと、国が事業者を監督することなどを要請したことによる。
 4月26日警視庁は、国内でのテロ発生の懸念が強まっていることから、地下鉄東京メトロ永田町駅構内で、サリンがまかれたと想定し、NBC(核、生物、化学)兵器によるテロに対処する訓練を実施。
 4月27日軍備管理・国際安全保障担当のボルトン米国務次官は、国連本部でのNPT(核拡散防止条約)再検討会議の第3回準備委員会で演説し、イランや北朝鮮以外にも数カ国が核兵器を開発している可能性があると指摘。具体的国名は明らかにせず。
 4月28日国連安全保障理事会は、大量破壊兵器(WMD)のテロリストへの拡散防止のため、個人や組織など「非国家」による核・化学・生物兵器の開発や保有を禁止し、全加盟国に法制化を義務付けた決議案を全会一致で採択。
 4月28日九州電力は、玄海原子力発電所でのプルサーマル計画実施を議題とした取締役会で決定。同社は川内原子力発電所でのプルサーマル実施を計画していたが、地元の理解を得にくいとして、地元と関係の良い玄海発電所に変更することで検討していた。
 4月28日ワシントン・ポスト電子版は、米政府が、北朝鮮の核兵器保有に関する推定について、従来の「おそらく2個」から、「少なくとも8個」に変更する準備を進めていると報道。また米情報当局は、ウラン濃縮による北朝鮮の核開発が2007年までに本格化し、年間最大6個の核兵器を製造できるようになるとの結論にほぼ達したとも報じている。
 4月29日国連本部で開かれているNPT(核拡散防止条約)再検討会議の準備委員会に出席中の広島・長崎両市長は、各国の市長とともに会見し、2020年までの核廃絶を目指すと世界に訴えた。
 4月29日韓国の李秀赫外交通商次官補は、米国の情報機関が北朝鮮は少なくとも8個の核兵器を保有していると分析していることが報道されたことについて、米国に確認をとったところ、「根拠のない記事である」とのことだったと語る。
 4月30日日本原燃は、青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場で行うウラン試験について、開始予定を4月から6月に延期する申請を経済産業省原子力安全・保安院に提出。
 4月30日自民党の安倍晋三、公明党の冬柴鉄三両幹事長は、米国のアーミテージ国務副長官とワシントンの米国務省で会談し、北朝鮮の核開発と日本人拉致問題の解決に向け、日米両国が連携を強めることで一致。
 5月 4日韓国紙・朝鮮日報は、北朝鮮が昨年開発したという射程3000−4000キロの弾道ミサイル地下基地を同国中部の平安南道陽徳郡と北東部の咸鏡南道虚川郡に建設していると報道。2カ所の基地は既に70−80%完成しているという。同ミサイルは日本全土とグアム島の米軍基地を射程に入れる。
 5月 4日英フィナンシャル・タイムズ紙は、北朝鮮政府関係者が、テロ組織アルカイダを批判し、同組織には核物質を渡さない方針を明言したと報道。
 5月 5日国の原子力委員会は、核燃料サイクルについて、原子力発電所から出る使用済み核燃料は全量再処理する、としてきた従来の政策をあらため、再処理せずに地中に埋める直接処分などについても検討することとした。高速増殖炉もんじゅの事故などによって核燃料再利用計画が遅れていることや処理費用のコスト負担の問題などのため。
 5月 6日韓国紙・中央日報は、北朝鮮が今年3月以降、長距離弾道ミサイルの開発過程であるエンジン燃焼実験を準備していると報道。推定射程6000キロの「テポドン2」か。
 5月 7日2005年NPT(核拡散防止条約)運用検討会議の第3回準備委員会は、北朝鮮に核開発計画廃棄を強く求める議長総括をまとめて閉幕。核兵器保有国と非保有国の対立のため、核軍縮や核不拡散などについては実質的な合意は出来ず。
 5月12日日本政府関係者は、ワシントンで14日に開かれる主要8か国(G8)外相会議の議長総括文書に、北朝鮮による核開発と日本人拉致問題の解決の必要性を訴える文言が盛り込まれる見通しとなったことを明らかにする。
 5月17日2002年度の二酸化炭素など温室効果ガスの国内総排出量が、前年度比で2・2%増加したことが判明。東京電力のトラブル隠しで、同社の原子力発電所がほぼ停止したため、不足電力の供給に火力発電を利用したためと見られる。
 5月17日和歌山県立医大病院が、咽頭がんの男性入院患者に対し、治療計画の1・13倍の放射線を照射し、患者は8か月後に咽頭出血で死亡していたことが判明、遺族に謝罪。ガン細胞は消失したが、咽頭に異常が起こり再入院していたという。機器入力ミスが原因と見られる。
 5月17日九州電力は、川内原子力発電所の3号機増設に向けた環境調査のうち、発電所敷地外での地質調査を開始。鹿児島県と熊本県の計10断層を調べて、原子炉建屋の耐震設計に反映させる。
 5月18日被爆者救護を行った長崎医科大学(現長崎大学医学部)教授調来助氏の日記「長崎医科大学原爆被災復興日誌」の英訳版が台湾出身の医師郭芳村氏の手で翻訳され出版される。同氏は永井隆博士の「原子爆弾救護報告書」も英訳している。
 5月21日総務省は、東北電力が青森県に建設中の東通原子力発電所1号機(2005年7月に運転開始予定)に対する核燃料税の導入に同意する方針を決定。当面の税率は核燃料価格の12%。
 5月22日日本原水爆被害者団体協議会は、昨年5月から進めていた会員らを対象にした被爆実態調査で、「遠距離被爆者」と原爆投下2週間後までに爆心地から2キロ以内に入った「入市被爆者」の計924人に、原爆放射線との因果関係が高い「急性症状」やがんなどの疾病があったことが判明したことを発表。
 5月22日ニューヨーク・タイムズ電子版は、濃縮すれば小型原爆1個分の原料になりうる量の6フッ化ウランを、2001年に北朝鮮がリビアに提供していたことを示す証拠を、IAEA(国際原子力機関)が入手したと報道。
 5月22日岩手医大付属病院は、1998年9月から2004年5月までに放射線治療を受けたがん患者ら111人に、治療計画を上回る量の放射線を照射していたと発表。治療装置を納入したメーカーが設定を誤ったと見られる。現時点では副作用の出た患者はないという。
 5月23日イランは、核開発の全容を「完全かつ誠実に」まとめたとする報告書をIAEA(国際原子力機関)に提出。
 5月24日インドとパキスタンが、6月中にも開かれる核問題に関する2国間協議で、核兵器削減に向けた交渉を始めることが明らかになる。
 5月24日小泉首相は、政府・与党連絡会議で、22日の平壌での日朝首脳会談の際に、核開発を放棄したリビアを例にして金正日総書記に核放棄を説得したところ、金総書記は「北朝鮮はリビアと違う」と反論したことを明らかにする。
 5月25日米エネルギー省、ネバダ州の地下核実験場で核爆発を伴わない臨界前核実験「アーマンド」を実施。通算21回目。ブッシュ政権下では8回目となる。
 5月25日東京電力は、福島第一原子力発電所5号機で、手洗いやシャワーなどに使用した廃液24トンを、放射能測定を行わないまま海へ放出したと発表。交互に使用する測定を行うべきタンクと測定の必要ないタンクを間違えたのが原因とみられる。
 5月26日イスラエル警察は、同国の元核技師モルデハイ・バヌヌ氏の情報から1986年に英紙サンデー・タイムズにイスラエルの核兵器開発・保有記事を書いた英国人ジャーナリストのピーター・ホーナム氏をエルサレム市内で逮捕。バヌヌ氏は4月21日に刑務所を出所している。
 5月26日国際熱核融合実験炉(ITER)計画で、政府は、青森県六ヶ所村への誘致が決まった場合の拠出金を最大で約500億円を上乗せする方針を固めた。同計画は、フランス誘致を進めるEU、中国、ロシアと、日本誘致を進める日本、韓国、米国の両グループに分かれている。
 5月27日米政府関係者は、米ロ高官協議の結果、北朝鮮やイランなどによる大量破壊兵器の拡散阻止を狙った「拡散防止構想(PSI)」に、ロシアが加入する可能性が高いとの認識を示す。
 5月27日核関連物質・技術の輸出を規制するための多国間組織「原子力供給国グループ(NSG)」の総会が、スウェーデンのイエーテボリで2日間の日程で開催。
 5月28日スウェーデン・イエーテボリで開催された原子力供給国グループ(NSG)の実務者会合において、中国の同グループ加盟が承認されたことを、中国国防科学技術工業委員会が明らかにする。
 5月28日ワシントンタイムズは、20日に行われたKEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)の公式理事会で、米政府が停止中の北朝鮮軽水炉建設事業を今年12月で廃止するよう提案した、と報道。
 5月29日マレーシア政府は、核科学者カーン博士のグループメンバーで核闇市場の金庫番と言われたスリランカ人タヒール容疑者を収監。アブドラ首相の長男が関係する企業に遠心分離器の製作を依頼したと言われている。
 5月29日パキスタン軍は、核弾頭搭載可能な中距離弾道ミサイル「ハトフ5型」の発射実験に成功。射程は約1500km。
 5月29日IAEA(国際原子力機関)が、昨年12月に大量破壊兵器の廃棄を宣言したリビアでの核査察で、ガス遠心分離機から高濃縮ウランを検出していたことが。6月定例理事会向け報告書で明らかになる。
 6月 1日インドのナトワル・シン外相は、インド・中国・パキスタンの3カ国で共同の核政策を確立し、核問題について話し合うことで核による危険性を取り除く必要がある、と述べる。
 6月 4日米エネルギー省・核安全保障局は、2012年までに保有する核弾頭の半数近くを削減する計画をまとめ、米議会に報告書を提出。削減するのは予備保管や検査中の核弾頭。削減後は約6100発の核弾頭が残るという。
 6月 6日防衛庁は、防衛庁技術研究本部が1999年から開発に着手し、昨年9月に千葉県飯岡町に試験用レーダーを設置した「FPS−XX」を2008年度から配備する方針を固めた。北朝鮮の弾道ミサイルの落下を探知し、航空機による対応を行うためで、イージス艦搭載のレーダーとともにミサイル防衛に当たる。
 6月 8日米ユタ州の高速道路で柏崎刈羽原子力発電所7号機用の核燃料集合体を輸送していたトレーラーが、強風にあおられ横転。燃料漏れはなく汚染も発生しなかったという。
 6月 9日茨城県那珂町は、日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構との統合後の新本社を、同町に誘致するよう、要望書を橋本知事に提出。同町には、国際熱核融合実験炉(ITER)の誘致を目指した際の建設候補地があり、そこに誘致することで生かそうというもの。茨城県、福井県の原子力関連施設のある各自治体で誘致合戦が始まっている。
 6月10日シーアイランド・サミットが閉幕。ブッシュ米大統領が議長総括を発表し、その中で、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議と、拉致問題と核問題の包括的解決を目指す日本の対北朝鮮政策への支持を盛り込む。
 6月10日福井県大飯町の関西電力大飯原子力発電所1号機で、原子炉建屋北東の屋外にある円筒形の水タンク(緊急炉心冷却用などに使う水用)が大きく変形しているのが見つかる。タンクから水を抜く作業中に何かの原因でタンク内部の気圧が下がり、大気圧でつぶれたためとみられる。原子炉は定期検査中で停止しており、環境への影響はない。
 6月10日韓国紙中央日報は、外交筋の話として、北朝鮮が先月初め、咸鏡北道花台郡舞水端里のミサイル実験場で長距離弾道ミサイルのエンジン燃焼実験に成功したと報道。同実験場は2002年に爆発事故を起こしている。
 6月11日米政府高官は、中国が証拠を示していないとしてアメリカの主張に疑問視している北朝鮮のウラン濃縮型核開発計画について、米政府が2002年夏の時点で小規模のな研究・開発から、実際の核開発を視野に入れた規模に変わったと分析していたことを明らかにする。北朝鮮はこのタイプの核計画を否定している。
 6月11日島根県の隠岐にある西ノ島町の松本茂樹町長は、原子力発電所から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設の誘致を住民の反対などを理由に断念する事を決定。誘致は今後一切検討しないことを明らかにする。同町の誘致は島前の2町村との合併がなくなり、財源確保のために浮かんだ案だったが、住民の反対が強かった。
 6月13日文部科学省は、宇宙から飛来する放射線が航空機の乗務員に健康被害を引き起こす恐れがあるとして、この問題の解決を目指す作業部会の設置を決定し、23日にも専門官による第1回会合を開く。
 6月14日IAEA(国際原子力機関)のエルバラダイ事務局長は、定例理事会で、日本、ポーランド、ブルガリア、リトアニアなど5か国の原子力計画について、「軍事転用はなく、平和利用に限定されている」と認定し、今後、「統合保障措置」が適用されることとなった。これは、原子力発電所などに対する査察を、従来の年4、5回から1回程度に大幅削減する緩和策で、商業炉を含めた広い範囲の適用ははじめてとなる。これは、イランなどの核疑惑国への査察を強化するため。
 6月14日経済産業省の原子力安全・保安院は、原子力発電所に対する破壊活動や核物質の盗難を防ぐため、原子炉等規制法を改正して、専門検査官設置などを含めた核物質防護を強化する方針を固める。改正案は来年の通常国会に提出。
 6月14日IAEA(国際原子力機関)の定例理事会で、「イランの協力はなお不十分」とする非難決議を採択。
 6月15日ボルトン米国務次官は、米上院外交委員会で証言し、日本とイランの企業が契約を結んだアザデガン油田について、イランの核開発放棄が前提になっているはずだとして、イランが核開発を継続する場合は、契約を解除すべきだとの米国の立場を示す。
 6月16日米議会は、ブッシュ政権が5kt以下の新型核兵器研究費用として2005会計年度予算関連法案で請求した約3700万ドル(約40億7000万円)について、一部減額した上で計上する見通し。すでに上院で関連予算執行阻止のための民主党案を否決している。
 6月18日IAEA(国際原子力機関)が新設する、再処理施設や核技術軍事転用化などを監視する核燃料サイクル国際管理専門委員会の委員に遠藤哲也・原子力委員会前委員長代理が就任することが内定。
 6月19日イラン国家最高安全保障会議のロハニ事務局長は、核開発疑惑に関するIAEA(国際原子力機関)の非難決議採択を受け、ウラン濃縮開発の一時停止措置を見直すことと、IAEAとの協力関係を維持する考えを表明。
 6月20日インドのニューデリーで開かれていたインドとパキスタンの偶発的な核戦争防止策などについて話し合う「核兵器に関する信頼醸成措置専門家協議」は、両国外務次官の間に偶発的核戦争を回避するための専用ホットラインを設置することや、核実験停止の継続などで合意。しかし先制核使用や核戦力の最小限維持など核戦略については必ずしも一致せず。
 6月20日ロシア政府は、2010年までに極東地域の約40隻を含むすべての原子力潜水艦の解体を終える計画を日本側に伝える。これまでに退役した193隻のうち、約半数は解体されたが、残りは放置されて海洋汚染を招いており、また1993年、財政難のロシア太平洋艦隊が放射性廃棄物を日本海に投棄していたことが明らかになって問題となっていた。
 6月21日IAEA(国際原子力機関)のエルバラダイ事務局長は、ワシントン市内で講演し、北朝鮮がNPT(核拡散防止条約)の脱退宣言に至った経過について、IAEAが国連安保理に報告してから1年半たっても対応措置がないことに不満を表明。
 6月21日IAEA(国際原子力機関)のエルバラダイ事務局長、核兵器製造技術の保有国は40を超えると声明。
 6月21日米政府、ロシアによる核燃料供給条件にイラン原発建設を容認。
 6月21日太平洋戦争末期、日本上空で搭乗していたB29爆撃機が撃墜され、太平洋戦争中に捕虜となった元米兵レイモンド・ハロラン氏が、広島で被爆死した2人の米兵捕虜ノーマン・ブリセットさんと、元陸軍兵ジュリアス・モルナーさんの遺族代理として、広島市の国立広島原爆死没者追悼平和祈念館を訪れて、2人の遺影を登録。広島には中国憲兵隊司令部があり、移送された米軍捕虜も爆死したほか、被爆後に怒り狂った住民に殺され、気の毒に思った他の住民の手で埋葬された例があるという。
 6月23日北京で第3回6カ国協議が開会。北朝鮮が新たな提案を行い、核凍結の検証を受け入れる方針を表明する一方で、IAEA(国際原子力機関)による査察を拒否する姿勢を示す。
 6月24日第3回6カ国協議全体会議で、北朝鮮首席代表、金桂冠外務次官は、核技術の第三国への不拡散を表明。米国との二カ国協議では核実験も示唆。日本は、米韓のエネルギー支援案に関し、核計画の全面的な凍結、情報開示、検証の3項目を条件として、エネルギー支援に参加する用意があることを正式に表明。
 6月24日ASEAN東南アジア諸国連合地域フォーラム(ARF)は、7月2日に開かれる閣僚会議で、北朝鮮の核問題について、6か国協議の枠組みと、非核化への平和的解決を支持すること、大量破壊兵器がテロリストの手に渡ることを阻止するために、国連安全保障理事会が採択した、国家以外の個人や集団による核・生物・化学兵器の開発・保有の禁止とその法制化を義務づけた決議を支持することを決定。
 6月24日ボルトン米国務次官は、イランが、英国・フランス・ドイツの3カ国と2月に結んだ合意を撤回し、ウラン濃縮用に利用出来る遠心分離器の部品生産を再開すると通告してきたことを明らかにする。
 6月27日IAEA(国際原子力機関)事務局長、イスラエルに対し核兵器廃絶への協議開始を呼び掛ける。
 6月27日米政府、イランの遠心分離器組み立て再開決定を非難。
 6月28日日本原燃は、青森県六ケ所村で建設中の使用済み核燃料再処理工場で実施する予定だった稼働試験を7月に延期。総合試験(試運転)も05年6月から1カ月延期。工場で見つかった不正溶接問題の影響で安全協定の締結が遅れているため。
 6月28日東京電力は、柏崎刈羽原子力発電所2号機の運転を再開し、トラブル隠しで止まっていた同発電所の全原子炉が再稼働。
 6月28日徳島大医学部は、14日に放射性物質トリチウムを含む廃液ガラス瓶4つが、放射性物質を取り扱う管理区域の外で見つかったと、文部科学省に届け出た。発見から報告まで2週間かかったことで、同省は同大学長を厳重注意するとともに、放射線障害防止法違反として調査。
 6月29日イラン政府、IAEAに大量破壊兵器開発疑惑施設は軍事研究用と説明。
 6月30日日本リビア軍縮協議で、日本がリビアに北朝鮮への働きかけを要請。
 6月30日北朝鮮から韓国へ亡命の元ミサイル技師が米国への亡命を申請。

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