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核・原子力関連年表7B(2004年7月〜12月)

 
2004年
 
 7月 1日原子力安全委員会は、経済産業省などが実施する原子力施設の安全性検査について、抜き打ちですることを決定。
 7月 2日ARF閣僚会議 大量破壊兵器不拡散への声明採択。
 7月 2日日本原子力発電は、敦賀原子力発電所3、4号機増設計画の準備工事に着手。
 7月 3日1994年2月に総合エネルギー調査会原子力部会で提示された、使用済み核燃料再処理コストの試算した資料が明らかになる。使用済み核燃料を国内で再処理した場合は1キロワット時当たり1.33円、海外に再処理を委託した場合は同0.80円、直接処分した場合は同0.34円。資源エネルギー庁などでは、これまで直接処分のコスト資産はしていないとしていた。
 7月 7日日米両政府は、海上配備型ミサイル防衛システム開発を目指す共同技術研究で、実際の標的ミサイルを撃ち落とす初の迎撃実験を2005年度にハワイ沖で実施する方針を決定。
 7月 8日韓国のチョヨンギル国防相は国会国防委員会で、北朝鮮が新型の中距離弾道ミサイルを生産、配備していると指摘。新型ミサイルの射程は3000〜4000kmで、グアムに届くとしている。
 7月 9日IAEA(国際原子力機関)のエルバラダイ事務局長は、AP通信との会見で、世界各国の20社以上の企業が、パキスタンのカーン博士を中心とした「核の闇市場」を通じ、核兵器製造に結びつく技術を不法に北朝鮮、イラン、リビアに供給していたことを明らかにする。この中には日本の企業も含まれている。
 7月 9日中国がICBMとSLBMの実験を行うとロシアに通告していたことが明らかになる。
 7月10日米政府は、北朝鮮が麻薬製造・取引で得た収入を弾道ミサイル開発に充てている可能性が高いと分析していることが明らかになる。
 7月12日ブッシュ米大統領は、テネシー州オークリッジ核施設を視察し、その後の演説で、大量破壊兵器の拡散阻止と対テロ戦争遂行の「平和のための戦略」の3原則を表明。3原則とは、テロ脅威の芽を早期につみ取ること、テロ組織や無法国家を同盟国と協力して孤立化させること、民主化の普及を支持すること。また北朝鮮やイランに対し、核兵器開発の完全放棄を訴える。
 7月13日ロシアのイワノフ国防相は、米国が開発を目指している小型核兵器について、同様の核兵器の開発を考慮していると、英国での講演で語る。
 7月13日川崎市にある東芝の研究用原子炉で、計測器の中性子の値が異常値を出したため、原子炉が自動停止。他に中性子放出の値は出ていないため、測定器の故障か。
 7月14日北朝鮮の外務省報道官が、核の平和利用は凍結や廃棄の対象にならない、と朝鮮中央通信を通じて表明。これに対し、米国務省のバウチャー報道官は、朝鮮半島に核兵器が存在する可能性を除去することが米国の目標であることを示す。
 7月15日6カ国協議の米政府代表ケリー国務次官補は、6月下旬の同協議での米国と北朝鮮の交渉の内容を初めて公式に明らかにし、その中で北朝鮮が、寧辺の原子炉を核兵器用の施設だと明確に認めたと説明。
 7月15日気象庁気象研究所の分析で、60年代までに行われた大気圏内核実験によって北半球に降下した放射性物質は、従来の推定量の約1.5倍に達することが判明。
 7月15日ケリー米国務次官補、上院外交委員会の公聴会で証言し、北朝鮮がテロリストなどに核兵器を売却しようとする場合は、あらゆる手段で阻止する姿勢を明らかにし、また、北朝鮮が核実験を強行すれば、6カ国協議参加国から「強い反発」を招くだろうと北朝鮮に警告。
 7月16日米ニューメキシコ州の国立ロスアラモス研究所で、核兵器研究に関する情報が記録されたディスク2枚が紛失していたことが判明し、機密業務が停止となる。
 7月20日イラクはIAEA(国際原子力機関)に対し、国内の核物質に関する査察を再開させるため、査察団を派遣するよう要請。
 7月20日米国のイラク開戦の理由の1つである、フセイン政権がニジェールで核兵器用にウランを購入しようとしていたという情報の真偽について、英国の独立調査委員会や米国議会上院外交委員会が実施した調査によって、99年頃から数度そう言う動きがあった事は事実だと報告にまとめられる。この情報については米国の外交官が虚偽であると発表して以来、真偽が問われている。
 7月20日ワシントンで会見した北朝鮮国連代表部の朴吉淵大使は、非常に強力な核抑止力を有しているが、核実験を行う意図はないと表明。
 7月21日イラク内務省は、イラクのティクリート付近で3発の核ミサイルが発見されたと、地元紙が報道したことについて、これを否定。駐留米軍も同様の情報はないとしている。
 7月21日KEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)理事会は、ニューヨークの事務局で公式会合を開き、中断している北朝鮮の軽水炉建設現場の保守管理をめぐる問題を協議。
 7月21日小泉首相と韓国の盧大統領が済州島で会談し、日韓、日米韓が連携し、北朝鮮の核問題の平和的解決を加速することで合意。
 7月21日広島湾の似島馬匹検疫所跡で、3回目の遺骨調査発掘が行われ、62体の遺骨を発見。平和記念公園の原爆供養塔に納められる。同島は原爆投下後、多数の負傷者が運ばれ多くが亡くなった場所。発掘調査は14年ぶりとなる。
 7月24日北朝鮮は、米国の「リビアの例にならい、支援と外交上の承認を受ける代わりに核兵器を廃棄すべき」とする提案を拒否。
 7月28日日本原燃は、青森県六ケ所村のウラン濃縮工場内で、配管の継ぎ目からウランを含んだ約20リットルの洗浄水が漏れた、と発表。原因は継ぎ目の押し込み方が甘かったため、としている。
 8月 1日共同通信社が、原爆症認定で係争中の被爆者146人を対象にしたアンケート結果を発表し、回答者92人のうち、急性放射線障害とみられる症状を被爆当時に発症したケースは、爆心地からの距離に関係なく、80%を超えていることが明らかとなる。
 8月 1日韓国の聯合ニュースは、1970年代半ばに朴正熙大統領の指示でひそかに行われた核兵器開発計画の核再処理施設の基本設計書や設計図などを、当時の計画に参加していた研究者が所持していることを報道。同計画はアメリカの圧力で中止になったといわれている。
 8月 4日英軍事誌ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリーは、北朝鮮が陸上配備と海洋配備の少なくとも2つの新型弾道ミサイルを開発中であると報道。
 8月 4日ロシアのバルチン退役海軍大将は、北朝鮮が旧ソ連の潜水艦発射弾道ミサイルをベースに新型弾道ミサイルを開発したと英誌が報道したことについて、この潜水艦は1990年代初めに解体され、鉄くずにしか利用できないと述べ、ロシア海軍のミサイル技術は流出していないと、この説を否定。
 8月 4日米政府が、日本に対し、イランの石油の代わりに、リビアからの石油供給を検討するよう打診していたことが明らかになる。米国はイランの核開発に絡んで、日本企業がイランのアザデガン油田開発に関わっていることを批判していたため、その打開案を示したものか。
 8月 5日NASA(米航空宇宙局)と米エネルギー省核安全保障局は、2011年以降に打ち上げる予定の木星の衛星探査機に搭載する原子炉の開発に、米海軍の原子力技術を生かすため、覚書に調印。
 8月 6日広島原爆の日の式典で、広島市長は小型核兵器の研究が始まっていることを指摘した上で、2020年を目標に核兵器を全廃することを宣言。
 8月 6日中部電力の浜岡原子力発電所4号機のタービン建屋建設に使われたコンクリート用の砂利を納入した業者の元従業員が、砂利の品質を保証するアルカリ骨材反応試験の成績表を偽造したと経済産業省原子力安全・保安院に内部告発し、同院は調査を開始。これが事実であれば、アルカリ骨材反応が起こる可能性のある材料約100万トンを納入した事になるという。
 8月 8日IAEA(国際原子力機関)は、8月上旬にイラク中部のツワイサ原子力センターの査察で、保管されている天然ウランなどの核物質の保管状況を確認し、問題はなかったと発表。
 8月 8日東京電力は再起動中の福島第二原子力発電所2号機で、原子炉建屋内のポンプ室の安全弁など計3カ所から、放射能を帯びた冷却水計約七・八リットルが漏れたと発表し、発電開始を延期。
 8月 9日福井県美浜町の関西電力美浜原子力発電所3号機で原子炉が緊急停止、タービン建屋内2階で高温の水蒸気と熱湯が急激に広がり、定期検査準備のために同建屋内にいた211人の作業員のうち4人が死亡、2人が重体、2人が重傷、3人がやけどを負う。稼働中の原子力施設の事故としては国内最悪となる。水蒸気は二次冷却水で放射能汚染の影響は無し。原因は冷却水配管の内側が薄くなる「減肉」という現象により、配管が破れたことによる。過去に同様の事故の例や、減肉現象の報告があるが、事故のあった配管の検査は、1976年12月の稼働以後、一度も行われていなかった。事故を受け、原子力安全委員会は緊急会議を開く。
 8月 9日ロシア、弾頭の信頼性を検証する模擬実験「流体力学実験」を今年初めから数回実施したことを公表。
 8月10日政府は、CTBT(核実験全面禁止条約)の発効を促進するため、批准国による外相会議を9月下旬にもニューヨークで開催する方針を固める。
 8月10日米政府関係者は、日本側に対し、日本が開発契約していることで米国が懸念しているイランのアザデガン油田開発計画に代えて、イラクやリビアでの油田開発を示唆。イランの核開発問題で安保理付託への動きに合わせたものと見られる。
 8月11日イランは、中距離弾道ミサイル「シャハブ3」最新型の実験に成功。イスラエルや湾岸地域の米軍基地を射程に収める。
 8月11日フセイン政権下での核兵器開発に関わったジャファル・ジア氏が、湾岸戦争終結直後の91年7月に、核兵器をはじめとする大量破壊兵器の開発を完全に放棄し、関係施設を共和国防衛隊が破壊したとBBCの番組で語る。
 8月11日広島市長、ロシアの模擬実験について日本の報道機関が臨界前核実験と報じたことを受け、ロシアに抗議。
 8月11日米国エネルギー省核安全保障局の核政策立案担当ジョン・ハービー博士は、新型核兵器が必要になった場合に備え、開発・製造のためのインフラ整備を進める考えをワシントン市内のセミナーで表明。
 8月12日関西電力美浜原子力発電所の死傷事故を受け、福井県の西川知事は、関西電力が高浜原子力発電所で予定しているプルサーマル計画の実施と、核燃料サイクル開発機構の高速増殖炉もんじゅの改造工事の事前了解の判断について、両方とも先送りする意向を表明。
 8月12日パウエル米国務長官は、日本の報道機関との会見で、北朝鮮が「核凍結」に対する「補償」として求めている重油供給へ、米国は参加しないことを表明。また、北朝鮮の核問題を1年以内に解決したいと述べる。
 8月12日関西電力は、美浜原子力発電所3号機の配管破断事故で、問題のあった配管が13年前に計算上の寿命を超えていたことを認める。
 8月13日関西電力美浜原子力発電所3号機の高温蒸気噴出事故で、経済産業省原子力安全・保安院は同発電所へ立ち入り検査を実施。破損した配管の肉厚が最も薄い部分で0.6ミリだったことが明らかに。
 8月13日関西電力美浜原子力発電所の死傷事故で、同社は、運転を停止し2次冷却水配管を点検することを決めた3原子力発電所のうち、美浜2号機など最初の3基の停止作業を開始。
 8月13日ロシア外務省は、広島市長の抗議に対し、ロシアは臨界前核実験は行っていないと反論の声明を出す。
 8月13日オーストラリアのダウナー外相は、北朝鮮がオーストラリアまで届く長距離ミサイルを保有しているとの見解を明らかにする。ミサイル防衛計画への参加の正当性を強調したものと見られる。
 8月16日蒸気噴出事故を起こした関西電力美浜原子力発電所3号機の2次冷却系配管に、過去2回、海水が流入するトラブルがあったことが判明。
 8月16日関西電力は、美浜原子力発電所3号機の蒸気噴出事故が起きた配管以外に、同3号機、高浜原子力発電所1号機、大飯原子力発電所3、4号機の計4基で、配管の厚みの検査漏れがあったと発表。検査対象リストに含まれておらず、一度も厚みを測定していないという。
 8月16日台湾紙の中国時報は、米国が来年、対ミサイル防衛機能を持つイージス艦4隻を台湾に35億ドルで売却することを決めたと報道。実際の納入は2011年から開始するという。台湾国防部はそのような連絡は受けていないという。台湾はかねてより中国の台湾向け弾道ミサイルに対してイージス艦を米国に求めていたが、米国は中国に配慮してキッド級駆逐艦の売却にしか同意していない。
 8月19日米政府は、イランの核開発問題で、大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)の適用をイランに対しても強化する方針を決定。
 8月19日関西電力美浜原子力発電所3号機の蒸気噴出事故に関連して、経済産業省事故調査委員会で原子力安全・保安院は、3号機と同じように配管内部が摩耗して損傷、蒸気などが漏れるトラブルが、これまでに全国の原子力発電所で計9件起きていたことを明らかにする。
 8月21日華僑向けメディアの中国新聞社電子版は、中国が新型ミサイルの飛行実験に成功したと報道。巡航ミサイル『紅鳥』の新型(射程3000km)とみられる。
 8月27日関西電力の美浜原子力発電所の死傷事故で、事故が起きた美浜3号機の隣にある美浜2号機でも、基準を超えて配管の減肉が進んでいる場所が1カ所あることが明らかになる。経済産業省原子力安全・保安院は破損の恐れがあるとして早急に交換するよう指導。
 8月29日東北電力は、定期検査中の女川原子力発電所3号機で、原子炉を起動して発電再開に向けた試験中に、高圧給水加熱器の弁の接合部分から微量の水漏れがあったと発表。再度点検のため、発電再開は延期。
 8月30日定期検査中の関西電力高浜原子力発電所4号機で、タービン建屋の排水からごくわずかの放射能が検出。年間管理目標値の100万分の1以下で周辺環境への影響はないとみられる。
 8月30日関西電力美浜原子力発電所3号機の蒸気噴出事故で、経済産業省原子力安全・保安院は、関電が肉厚を検査していなかったほかの発電所11か所の配管と、独自の解釈で安全だとしていた美浜2号機の2か所の配管の計13か所について、社内の指針に基づく管理がなされておらず不適切で、関電の説明に合理性はないと断定し、原子力安全委員会に報告。
 8月30日IAEA(国際原子力機関)はリビアについて、核兵器プログラムの開示に真剣に取り組んでいるので、今後は特別な査察対象とする必要はない、との認識を示した。一方で、核兵器の設計図が国際闇市場に流出したかどうかを引き続き調査するとしている。
 8月31日米国防総省は、ミサイル防衛の一環として、北朝鮮の弾道ミサイルを捕捉・追跡するシステムを搭載したイージス駆逐艦15隻を、2006年までに日本海や太平洋に配備することを明らかにする。
 9月 1日ロシア原子力庁は、北オセチア共和国ベスランの学校占拠事件を受けて、ロシア国内の全核関連施設に内務省軍を追加派遣し、警備を強化。
 9月 1日中国国家原子力機構の張華祝主任は、原子力発電所建設など北朝鮮の原子力エネルギー開発に中国は一切協力していないと言明し、今後も協力する考えのないことを明らかにする。
 9月 1日政府は、大規模事故や災害など緊急事態が起きた際の初動体制を強化するため、各省庁や自治体からの情報を集約する「官邸連絡室」の設置規定を危機管理マニュアルに明記する方針を固める。美浜原子力発電所の蒸気配管事故が、これまで危機管理で想定していた放射能漏れ事故に相当していなかったため、政府内部に混乱があったと言われる。
 9月 2日韓国の聯合ニュースは、訪米している韓国野党ハンナラ党の朴振国会議員の話として、北朝鮮が10月に核実験を実施するとの観測が米政官界で広まっていると報道。
 9月 2日韓国科学技術省は、韓国原子力研究所が、2000年1月から2月にかけて、レーザーを使い少量のウラン分離実験に成功していたことが分かり、IAEA(国際原子力機関)が8月29日から1週間の予定で査察に入ったと発表。濃縮は核兵器級の約90%に達するものだったが、同省は、核燃料の国産化の研究であり、核兵器製造とは無関係としている。
 9月 2日南アフリカ政府は、大量破壊兵器不拡散法と核エネルギー法違反の疑いで男1人を逮捕し、関連物質を押収したと発表。詳細は不明で、押収したのは核兵器関連物質である可能性が高いという。
 9月 3日韓国政府傘下の原子力研究所がレーザー分離法によるウラン濃縮実験を行っていた問題で、同国外交通商省は、会見で一回限りの科学実験であると強調。核兵器開発とは関係がないことを示す。
 9月 3日沖縄県宜野湾市の沖縄国際大構内に墜落した米軍ヘリコプターについて、米軍は、機体の一部にベータ線を出す放射性物質が使われていたことを同大学へ伝える。放射能の量は自然界レベルとしている。
 9月 4日蒸気噴出事故があった関西電力美浜原子力発電所3号機と同様、同1号機でも配管の厚みが国の技術基準を下回っているのに同社が独自基準を元に運転を続けていたことが、経済産業省原子力安全・保安院の調べで判明。
 9月 4日愛媛県は、四国電力が伊方原子力発電所3号機で予定しているプルサーマルについて、受け入れる方針を固める。
 9月 5日日米韓3カ国は、KEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)による北朝鮮での軽水炉型原子力発電所建設を、11月末から1年間延期することで合意。
 9月 8日IAEA(国際原子力機関)は、2003年12月から4年3月にかけて行った査察で、核兵器製造にも利用出来る日本製の「三次元測定器」が核施設で見つかったと発表。この機器は輸出が規制されている。
 9月 8日米国務省高官は、韓国政府が1980年代初めに、微量のプルトニウムを使った実験を行っていたことを明らかにする。
 9月 9日文部科学省は、放射性同位元素を扱う研究機関、医療機関2600の事業所に対して保管状態を調査した結果、大学など10事業所で11件の不適切な管理が行われていたことが判明。
 9月10日G8軍備管理担当者による高級事務レベル協議がジュネーブで行われ、韓国のウラン濃縮・プルトニウム抽出実験と、イランの核開発疑惑などを協議。ボルトン米国務次官は、韓国への米国の対応について、北朝鮮とのダブルスタンダード(二重基準)は使わないとして、IAEAの規則にのっとって対処すべき考えを示す。
 9月10日韓国の80年代のプルトニウム実験、2000年のウラン・レーザー濃縮実験に関連して、1990年代にも、レーザー濃縮実験の先駆けとなる複数の関連実験を行っていたことが明らかになる。
 9月11日米紙ニューヨークタイムズ電子版は、米情報機関が、近いうちに北朝鮮が最初の核爆発実験を行う可能性があると米大統領に報告したことを報道。核実験準備のための物資搬送などが衛星で確認されたとしており、プルトニウム原爆の実験ではないかとの推測が一部で出ている。
 9月11日北朝鮮の外務省報道官は、韓国の核研究疑惑を批判し、6カ国協議の開催問題と連結させざるを得ないとして、参加拒否を示唆する。
 9月11日米国のケリー国務次官補は、安倍幹事長との会談で、6カ国協議の9月中の開催は、難しいことを明らかにする。また、北朝鮮が韓国の核研究を批判したことに触れ、韓国を批判をするなら、同様に査察を受け入れるべきだと語る。
 9月12日北朝鮮の両江道金亨稷郡で9日に大規模な爆発が起こったことを韓国の聯合ニュースが北京の消息筋の話として発表。大きなキノコ雲を見たという話や北朝鮮が核実験を計画しているという事前の情報から、核実験を実施したのではないかとの憶測が流れる。韓国の統一相は、北朝鮮の爆発を確認したことを認め、核実験ではないと説明する。
 9月13日韓国政府は、両江道で起こった謎の大爆発について、場所は両江道金亨稷郡月灘里付近で、8日の夜と9日の未明の2回起こっていたことを確認。また、放射能を感知しないことから核実験・核爆発ではないこと、場所が長距離弾道ミサイル基地があると見られる場所に近いことから、ミサイル基地の事故説も出ている。
 9月13日米エネルギー省は、米国とロシアが共同で、旧ソ連時代にウズベキスタンに提供された高濃縮ウラン約11kgをロシア国内へ極秘輸送したことを明らかにする。テロリストの手に渡るのを阻止するため。
 9月14日両江道金亨稷郡で起こった謎の大爆発について、北朝鮮側は英国大使にダム建設で山を爆破したと語る。米国も「矛盾はない」とこれを追認。一方で、軍事施設での事故や、列車事故などの説が飛び交う。
 9月14日聯合ニュースは、韓国政府当局者が、IAEA(国際原子力機関)未申告のウラン転換実験について、82年に輸入したリン鉱石から天然ウランを抽出し、82年に生産したと明らかにしたことを報道。また韓国政府がIAEAに届け出た手続きミスは、公表された未申告の実験3件のほか、関連する申告漏れや事実誤認3件を含め計6件だったとしている。
 9月14日IAEA(国際原子力機関)理事会で英仏独が採択を目指すイランの核開発疑惑をめぐる決議案に対し、米国が10月末を期限としてイランに完全な査察受け入れやウラン濃縮停止を求める修正案を提出。イラン側代表は13日に「核兵器開発は絶対にない」と否定し、濃縮作業の再開も示唆して英仏独とも対立の様相を見せる。
 9月15日米シンクタンク「不拡散政策教育センター」は、イランが今後1年から4年以内に核兵器を保有する可能性があると指摘し、イランが核保有国になった場合、近隣諸国の核開発を促し、テロ支援を強化する恐れがあると警告。
 9月16日北朝鮮の外務省報道官は、韓国がウラン濃縮実験やプルトニウム抽出実験を行っていた問題で、南朝鮮(韓国)の核関連実験の真相が解明されるまで、我々の核兵器計画について論議する場に出られない、と述べて、6カ国協議に参加しないことを表明。
 9月17日北朝鮮の両江道金亨稷郡で起こったとされる大爆発について、韓国統一省は、事実を誤認していた、として、当初言われていたような爆発ではなく、北朝鮮が発表した発電所建設のための発破という説を追認。
 9月17日IAEA(国際原子力機関)定例理事会で、韓国が未申告で行っていた核関連実験問題を討議。韓国に対する批判が相次いだが、理事会での非難などを文書化せず、実験問題の協議を終了。
 9月18日米国は、冷戦時代にソ連の同盟国であるとして、インドに対し行ってきた、商業用の宇宙開発および原子力関連機器の輸出禁止措置を解除した。これにより、米企業は同国へ輸出が可能となる。
 9月21日日米両政府がノドン発射の兆候をつかむ。北朝鮮東部の複数のノドン発射基地周辺に北朝鮮軍の車両や軍人、ミサイル技術者などが集結しているという。日本政府はイージス艦などの日本海派遣を決定。訓練という説も強く、実際に発射されるとしても数日から2週間程度かかると言われる。
 9月22日ブラジル政府とIAEA(国際原子力機関)は、リオデジャネイロ郊外のレセンデにあるウラン濃縮施設に対する、部分的な査察協定を締結。査察は10月18日から行われる予定。
 9月23日北朝鮮の朝鮮中央通信は、同国労働党機関紙・労働新聞の論評で、米国が北朝鮮に対して核戦争を起こせば、在日米軍基地は日本の生存を脅かし、日本の国土は核戦争の火の海になるだろうと警告。
 9月24日核燃料サイクル政策の見直し案で、再処理をやめる意見もある中、原子力委員会事務局は、原子力発電所の使用済み核燃料を再処理しない場合、保管場所が不足して、早い発電所では2006年度から、遅いものでも2016年度までに国内の全原子力発電所が運転停止に追い込まれることを、「長期計画策定会議」に報告。
 9月25日北朝鮮で発射準備を疑われるミサイルは、米国の情報で、旧ソ連の潜水艦発射弾道ミサイルSSN6を改良した「ノドンB」と呼ばれる新型である可能性が高いことが明らかになる。
 9月25日イランのシャムハニ国防軍需相は、イラクとの国境沿いで行われた軍事演習「アシュラ5」で弾道ミサイルの発射実験に成功し、配備したと発表。
 9月25日米国の解体核兵器から回収された粉末プルトニウムのフランスへの海上輸送が始まる。
 9月29日米太平洋艦隊は、年末までにグアムにロサンゼルス級の攻撃型原子力潜水艦1隻を新たに常駐配備し、原潜3隻体制とする計画を明らかにする。
10月 1日パウエル米国務長官は、米国がイラク戦争開始の大義とした旧フセイン政権の大量破壊兵器について、備蓄を持っていなかったと明言。一方で、イラク戦争がなければ大量破壊兵器の存在に関し今でも議論が続いていただろうとも発言。
10月 1日米海軍は、ミサイル防衛の一環として北朝鮮などの弾道ミサイルを捕捉・追跡する高性能イージス艦「カーティス・ウィルバー」を日本海に配備したと発表。
10月 3日防衛庁防衛研修所(現防衛研究所)が1981年に、核武装の可能性を検討していたことが報道される。この検討内容は、3〜5年内に初歩的な核兵器は保有できるが、運搬手段も備えた戦術核や戦略核には米国の支援が必要で、米国の支援なしには核兵器を開発するのは不可能だと結論付けられたものだという。
10月 4日米軍と米エネルギー省は、46年前にジョージア州沖合の大西洋で行方不明となった爆撃機搭載の水爆の捜索活動に着手。同水爆はB47爆撃機に搭載されていたもので、1958年にF86戦闘機と接触事故を起こしたB47のパイロットが水爆を搭載した状態で帰還・着陸すれば爆発する可能性があるため、上官の許可で海中に投棄し、引き上げを断念したもので、最近の調査で付近の海域から放射線が検出されたため、捜索することになった。
10月 4日米研究機関「科学・国際安全保障研究所」は、昨年末現在の世界の高濃縮ウランとプルトニウム備蓄量についての調査結果をまとめ、発表。その中で、軍事転用が可能な物質の総備蓄量は3755トンで、高濃縮ウランは1900トン。うち約9割が軍事目的の備蓄で、プルトニウムは1855トン、9割以上はエネルギー利用による。プルトニウムは、核兵器に転用すれば二十数万個に相当する。軍事目的の備蓄はここ10年余りほぼ変化がなく、年間約70トンのペースで伸びているという。
10月 5日原子力委員会小委員会は、原子力発電所の使用済み核燃料の扱いについて試算し、すべて再処理する核燃料サイクルの費用は、そのまま地中に埋める直接処分の約1.5〜1.8倍になるとまとめた。ただし、サイクル処理をしない場合、現時点では貯蔵が満杯になって、発電所の運営に困難をきたし代替発電施設を建設しなければならず、サイクル政策をやめた場合に不要となる再処理工場の廃止コストもかかるため、それらを含めると、発電単価は直接処分の方が上回るとしている。この試算は、1・全量再処理(1.6円)、2・青森県六ケ所村の施設で処理できない燃料は直接処分する(1.4〜1.5円)、3・すべて埋設直接処分する(0.9〜1.1円)、4・40〜50年間地上で貯蔵してから処理方法を決める(1.1〜1.2円)、の4つの方法で、02〜60年度の59年間に平均金利を2%として計算。( )は計算結果。
10月 5日韓国の崔英鎮外交通商次官は国会の国政監査で、北朝鮮の核開発状況について「核兵器2、3個を製造できるプルトニウムを保有すると推測している」と語る。
10月 6日中国電力は、上関原子力発電所(山口県上関町)の建設予定地にある山林約10万平方メートルを、地元の神社から約1億5000万円で購入する売買契約を締結。一方、予定地の一部は、反対派住民が共有地の入会権を主張し提訴。1審で住民側の訴えを認め、同電力に整地や立ち木の伐採を禁ずる判決を言い渡し、控訴審で係争中。
10月11日政府は、国民保護法に基づいて各都道府県が策定する国民保護計画について、1、着陸・上陸侵攻、2、空軍による攻撃、3、弾道ミサイルによる攻撃、4、ゲリラによる攻撃に対処する内容とするよう求める決定をする。
10月11日米海軍のイージス艦「レイクエリー」が、新潟県の新潟東港に入港。乗組員の休養と物資の補給が目的。弾道ミサイル防衛構想で米海軍のイージス艦は次々と日本海に配備されている。
10月12日中部電力の浜岡原子力発電所4号機のコンクリート用砂利のアルカリ骨材反応試験結果を偽造しすりかえたと砂利製造会社の元従業員が内部告発した問題で、中部電力は、偽造を確認したとする報告書を経済産業省原子力安全・保安院に提出。保安院は14、15日に同原発を立ち入り検査。
10月13日高速増殖炉原型炉もんじゅのナトリウム漏れ事故で、動力炉・核燃料開発事業団(現核燃料サイクル開発機構)のビデオ隠し問題の内部調査中に自殺した総務部次長妻らが「自殺したのは会社にうその記者会見を強要されたのが原因」として、同機構に約1億4800万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こす。
10月13日核兵器開発を目指していたリビアがウラン転換用試験プラントに使用していた日本企業製の装置は、2002年に日本のメーカーからマレーシアの企業に輸出されていたことが判明。
10月14日KEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)は、公式理事会を開催し、北朝鮮の軽水炉建設を昨年12月1日から1年間の期限付きで停止してきた問題を協議したが、米大統領選の結果を見定めてからと言う意見が相次ぎ、結論を大統領選後に先延ばしに。
10月15日台湾の行政院原子力委員会の楊昭義副主任は、AP通信が、台湾が1980年代半ばまで核兵器製造に直結するプルトニウム抽出実験を行っていた可能性が高いと報道したことを受けて、「原子力発電の燃料に使うプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の研究で、海外から少量のプルトニウムを輸入し、化学実験を実施したが、抽出実験を行ったことはなく、何かの誤解ではないか」と否定。
10月15日G8各国は、イランの核開発問題への対応を話し合う高級事務レベル会合をワシントンで行い、ウラン濃縮関連活動を停止させる見返りに経済支援などを認める英国・フランス・ドイツの妥協案をイランに提示することで合意。
10月15日ロシア原子力エネルギー庁の報道官は、ロシアがイラン南部のブシェールで建設協力を行っている原子力発電所の1号炉が完成したことを明らかにする。
10月16日ワシントン・ポスト紙は、英国・フランス・ドイツの3カ国がイランに提示する妥協案について報道。その内容として、第1段階で、イランに核燃料サイクル開発の凍結を求め、IAEA(国際原子力機関)の査察団が検証する。この段階ではウラン濃縮関連活動を行う権利の放棄は求めず、第2段階で、イランの国際社会での安全保障と経済問題を検討し、新たな貿易協定や技術協力、核開発をめぐる恒久的な協定、テロ対策での協力関係などを模索する。その上で米国も参加して、外交交渉でイランに核燃料サイクルを断念させるというもの。
10月16日細田博之官房長官は、自民党島根県連の会合で講演し、北朝鮮が核兵器をほぼ開発し、プルトニウム爆弾はできていると明言。廃棄の必要性を訴える。
10月19日北朝鮮が、引き続き6カ国協議を通じて核問題を解決する姿勢を示したと、中国外務省の報道官が発表。北朝鮮は8月以来、米国が「敵視政策」を撤回しない限り協議継続の意味はほとんどないと表明している。
10月19日英・仏・独は、イランがウラン濃縮活動の停止など疑惑解消に協力する場合、研究用の軽水炉を含む核技術を提供する方針であることが判明。
10月20日減肉した配管を交換して運転を再開した東京電力福島第一原子力発電所5号機で、起動時に原子炉へ給水するポンプから潤滑油約1・8リットルが漏れているのが見つかり、東京電力は翌日までに原子炉起動を中断。
10月20日イランのシャムハニ国防軍需相は閣議後の記者会見で、中距離弾道ミサイル「シャハブ3」の命中精度を上げたミサイルの発射実験を実施したことを明らかにする。
10月21日韓国の韓国原子力研究所が1980年代にIAEA(国際原子力機関)に通告せず、劣化ウランを用いた対戦車用の砲弾を製造していたことが判明。IAEAには製造終了後に通知していたという。劣化ウランは核兵器ではないため、保障措置(核査察)協定違反にはならない。
10月22日台湾国防部は、中国の弾道ミサイルに備えた、北部の万里基地に配備されている米国製地対空ミサイル「パトリオット」を報道陣に公開。台湾はアメリカから総額180億ドルの武器購入計画を立てており、その重要性を示す狙いで行われたものか。
10月22日科学誌サイエンスは、米研究機関「核兵器管理ウィスコンシン計画」の専門家が執筆した記事として、ブラジルがIAEA(国際原子力機関)の完全な査察を拒んでいるウラン濃縮施設で、年間6個の核弾頭を製造可能だとする内容を掲載。2014年には年間63個の核弾頭が製造可能になると指摘。これを受け、ブラジル政府は「ひどい事実誤認か、悪意に基づく報道だ」と批判する声明を発表。
10月22日原子炉起動中の福島第二原子力発電所4号機で、タービンに送る蒸気を制御する電気油圧式制御装置の確認試験中に、主タービンにつながる4本の配管のうち1本で、蒸気流量が正常に検出されなかったため、原子炉を手動停止。外部への放射能の影響はない。
10月26日25日に、イラクのバグダッド近郊で核兵器の起爆にも使われる爆薬約380tが行方不明となっていると米紙が報道。26日、爆薬の紛失はイラク戦争開戦前の3月にフセイン元大統領が移動させて所在不明になった可能性があるという。一方、IAEA(国際原子力機関)は、爆薬の紛失を確認し、国連安保理に2003年4月9日以降に、治安悪化による略奪で紛失したと報告。
10月26日イラン中部イスファハンにあるウラン転換施設内部の様子を同国当局が同国のメディアなどに公開し、イラン学生通信社とメヘル通信社が画像をサイトに掲載。同施設の公開は異例。
10月26日米国防総省ミサイル防衛局長のオベリング空軍中将は、日米ミサイル防衛協力に伴う日本の武器輸出3原則見直しについて強く支持を表明し、またイージス艦などに搭載する海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を2009年までに計57基配備する計画を明らかにする。
10月27日イランの最高指導者ハメネイ師は、ハタミ大統領ら政府関係者に、英国など欧州3カ国が、ウラン濃縮関連活動の全面停止の見返りに軽水炉建設支援などの妥協案を示していることについて、濃縮の長期停止は、筋が通らないとして、3カ国がこの要求に固執すれば協議を中止すると警告。
10月27日韓国紙・朝鮮日報は、政府筋の話として、北朝鮮が9月下旬に続き、平安北道定州のミサイル基地で弾道ミサイル・ノドン1号やスカッド・ミサイルを試験発射しようとする動きがあると報道。
10月27日日本原子力発電は、敦賀原子力発電所1号機の原子炉建屋で、25日に定期検査作業を終え、原子炉を起動した後、復水器と伝熱管の接合部分から水が漏れているのを作業員が発見し、前後の弁を閉めて漏水を止めたと発表。非常用復水器から冷却水約3リットルが漏れたが、外部への放射能の影響はなし。
11月 7日英、独、仏の欧州3カ国とイランは、イランのウラン濃縮問題で、凍結の見返りとなる経済、技術、安全保障面でEUとの最終合意が成立するまで、イランが全核燃料濃縮と再処理活動を停止するという内容で暫定合意。
11月 8日今年9月に表面化した韓国の未申告核関連実験問題で、韓国政府が、IAEA(国際原子力機関)の査察に対し、当時科学技術省の高官が実験を承認するなど、政府当局者の関与を認めていたことが明らかになる。
11月10日先島諸島の石垣島付近で国籍不明の潜水艦が領海侵犯。政府は海上警備行動を発令し、海上自衛隊が追跡監視に入る。中国の漢級攻撃型原子力潜水艦と推定。同潜水艦は、グアム島方面から8日に先島諸島近海に現れ、北上して領海を侵犯した。
11月11日韓国がIAEA(国際原子力機関)に未申告で核関連実験を行っていた問題で、2000年に抽出されたウラン235の濃度が77%と核兵器級に近いレベルに達していたことが、IAEA定例理事会向け報告書で明らかになる(核兵器に使えるレベルの濃縮は90%以上)。一連の実験について、IAEAはいずれも保障措置(核査察)協定「違反」と認定。
11月12日韓国政府高官は、IAEA(国際原子力機関)の報告で77%の高濃縮ウランの確認が指摘された点について、「濃縮ウランは全体の平均濃度が重要で、平均10.2%は兵器級とはほど遠い」と反論。IAEA報告の評価については、理事会の判断に委ねる姿勢を示す。
11月14日四国電力は、定期検査中の伊方原子力発電所1号機で、原子炉容器内につながる1次系配管と接続している管台(直径約90cm、厚さ約8cm)内側に、長さ5ミリと4ミリの傷が見つかったと発表。1次冷却水漏れはないという。
11月15日イラン国家安全保障最高会議のハッサン・ロハニ書記は、テヘランで会見し、ウラン濃縮に関連する活動を22日から全面停止すると発表。イランのウラン濃縮については、IAEA(国際原子力機関)理事会での国連安保理付託の可能性が出されていた。停止期間は欧州諸国との間に原子力や貿易経済、安全保障分野などの包括協定が締結されるまでとする。
11月26日欧州連合競争力理事会は、日欧が誘致を競っている国際熱核融合実験炉(ITER)の包括交渉計画に合意。EUが推す候補地フランス・カダラッシュに日本が同意すれば、研究において日本を優遇するが、交渉不調の場合は独自で建設を進める方針で、日本に誘致断念を迫る。
11月28日防衛庁は、日本が大規模テロや特殊部隊による攻撃などを受けた場合、陸上自衛隊が最優先で防護する全国の「重要防護施設」135か所を発表。Aランクとして、国民の生命・財産に重大な影響を及ぼす、核関連施設、石油コンビナート、水道関連施設、国家行政施設など91カ所。Bランクとして、状況によっては、国民の生命・財産に重大な影響を及ぼす、石油・ガス備蓄基地、放送・通信関係施設、在日米軍施設など44カ所。その他の、国民の生命・財産に影響を及ぼす可能性のある、地方自治体、主要交通機関などに分類し、このうちA、Bランクを「重要防護施設」と位置付ける。
11月28日大野防衛長官は報道番組の質問に答えて、短時間で到達する弾道ミサイルの迎撃ミサイル発射について、首相や防衛長官による事前承認のうえで、閣議決定などを省略して自衛隊の判断で発射することを検討していることを明らかにする。
11月29日ラオスで開催されるASEANプラス3首脳会議で、北朝鮮の核問題について、小泉首相、中国の温家宝首相、韓国の盧武鉉大統領と3カ国首脳会談を行い、6カ国協議の早期再開も含め対話による解決を図る方針を確認。
12月 3日原子力安全・保安院の「有事における原子力施設防護対策懇談会」は、テロや武力攻撃を受けた時の原子力発電所の対応に関する報告書をまとめた。それによると、日本への武力攻撃が予測される事態となったら、電力会社は原子力発電所の運転停止を準備をし、武力攻撃を受けた場合、国が警報対象地域の原子力発電所に運転停止を命令し、電力会社は、通常の手順で停止する。原子力発電所が標的の大規模テロなどの場合は、緊急停止させる。停止に伴う電力不足は、代替電源、他社からの融通で補い、それでも足りない場合は、国民に電力使用の制限を行う。
12月 6日防衛庁は、次期中期防衛力整備計画で、北朝鮮の特殊部隊やゲリラによる上陸侵攻を想定し、北海道から九州までの日本海沿岸の計90カ所に、陸上自衛隊の沿岸監視・警備部隊計1万5000人を配備する計画を進めていることが明らかになる。特に原子力発電所や石油化学コンビナートなどの重要施設のある地域を重点に工作船や潜水艇の接近を探知する移動式レーダーなどを配備。
12月10日北朝鮮のウラン濃縮型核開発計画について、米政権が最近、北朝鮮が兵器開発のための高濃縮ウラン製造を認めなくても、平和利用目的のウラン濃縮について存在を確認し計画放棄を確約すれば、「完全核放棄」の意思表示とみなすとの方針に政策転換していたことが明らかになる。
12月10日日本と欧州連合(EU)が誘致を競う国際熱核融合実験炉(ITER)について、自民党核融合エネルギー推進議員連盟は、日本を支持する米国、韓国の3カ国、未参加アジア諸国も加える案を含めての、日本で建設する場合の具体的な検討をするよう政府に要請。すでに誘致で競争相手のフランスは、日米韓抜きの、EU、中国だけでの開発も検討しており、日本が誘致を諦めれば、フランスでの研究で優先的な立場にすることも条件として示している。
12月11日99年9月に臨界事故が起きた茨城県東海村の核燃料加工会社JCO転換試験棟内部の住民見学会が始まる。東海村が主催し、事前に申し込んだ21〜78歳の村内在住者162人が、16日までに順次内部へ立ち入り見学する。JCOは装置を撤去する予定。
12月15日米国国防総省は、アラスカ州コディアック島から打ち上げた実験標的用ICBM(大陸間弾道ミサイル)の迎撃に失敗。
12月15日来日中のエーブラハム米エネルギー長官は、中山成彬文部科学相との会談で、日欧が誘致を競う国際熱核融合実験炉(ITER)について「青森県六ケ所村への誘致を支援する米国の姿勢は揺るがない」と述べ、さらに次世代の原子力システムの研究開発について協力していくことも確認。
12月16日6カ国協議の米国首席代表、ケリー国務次官補は、ペンシルベニア州フィラデルフィア郊外で講演し「北朝鮮が核兵器の野心を捨てれば、われわれは共存の用意がある」と言明。
12月17日米国務省のラドメーカー軍備管理担当次官補は、ワシントン市内で講演し、北朝鮮の長距離弾道ミサイル「テポドン2号」について、いつでも発射試験を行える可能性があると明言し、3段目を装備すれば、数百キロの弾頭を搭載しても射程を6000kmから最長1万5000kmまで延長可能だと述べる。また、地上配備型ミサイル防衛システムの迎撃実験が失敗した問題について、日本が導入する型とはタイプが違うとし、日本の導入に影響はないとの見解を示す。
12月17日米北方軍のスポークスマンは、15日の大陸間弾道ミサイル迎撃実験失敗を受け、年内に初の実戦配備を目指していたアラスカ州フォートグリーリー基地に設置された地上配備型迎撃ミサイル6基の稼働が来年にずれ込むことを発表。また、北方軍、太平洋軍、戦略軍の間で同ミサイルの稼働テスト中であることも明らかにする。
12月20日アーミテージ米国務副長官は、イランが、ウラン濃縮に関する活動の一時停止に合意し、英独仏と活動停止の長期継続を話し合っていることについて、長期的に思いとどまらせることができるとは思わない、と語る。
12月21日青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場で、試験運転第2段階に当たる、劣化ウラン53t(ウラン換算)を使った稼働試験を開始。なお、ウランの臨界の危険性はない。
12月21日国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館は、被爆六十年を迎える来年夏に、原爆被害を伝える写真や被爆資料などを展示する「原爆展」を海外で開く計画を明らかにする。国の事業として行うのは初めて。
12月21日長崎県佐世保市の佐世保商工会議所は、神奈川県相模原市のキャンプ座間への移転計画がある米陸軍第一軍団司令部の誘致、ハワイに配備される計画の原子力空母の母港化、普天間基地の海兵隊やヘリ基地機能の受け入れ、原子力潜水艦基地の誘致、海上自衛隊潜水艦基地の誘致などを要望。米軍世界的再編をにらんでの計画で、実現すれば、施設整備や隊員の消費など一兆円以上の経済効果があるという。
12月21日小泉首相は、首相官邸でリビアのフェトゥーリ駐日大使の表敬を受け、大使はリビアの最高指導者カダフィ大佐からのメッセージとして「リビア政府は北朝鮮への核廃棄の働きかけをこれまでも行ってきたし、これからも行う」と伝える。
12月22日ラムズフェルド米国防長官は、15日の大陸間弾道ミサイル迎撃実験の失敗を受けて、ミサイル防衛の年内稼働を断念したことを認める。本来の予定では、年内にアラスカ州フォートグリーリー基地などに設置された地上配備型迎撃ミサイルの稼働をはじめるはずだった。
12月23日日本政府は、次世代高性能戦闘機F35、弾道ミサイル迎撃技術などの、兵器の国際共同開発へ参加に向け検討に入る。兵器の共同開発は国際的に広まっており、共同国との安全保障や経済面での相互依存関係を深めるとともに、国産開発にかかる時間とコストの低減、装備品の高度化、戦闘電子技術の世界的水準維持などが理由となる。これに合わせて、武器輸出三原則を米国とのミサイル防衛に限定して解禁する。F35はロッキード・マーチン社が開発中の超音速多目的戦術機で、用途によって様々なタイプに変えられる。米、英、オランダ、トルコ、ノルウェー、イスラエル、シンガポールなど計11カ国が、出資規模や技術力に応じ四段階に分かれて開発に参加している。
12月25日日本政府は、ミサイル防衛をめぐり、他国が日本に向けて弾道ミサイルを発射する兆候を把握した段階で、1:安全保障会議と閣議を開き、発射した場合には迎撃するとの警告を発する、2:部隊指揮官に発射権限を委譲する、の運用案の検討に入る。1はシビリアンコントロールのため、2は迎撃を急いで、できるだけ可能にするため。
12月24日ロシアのイワノフ国防相は、ICBM(大陸間弾道ミサイル)「トーポリM」の移動式改造型配備を来年1月から開始する方針を明らかにする。また、来年に核戦争演習を2回含めた5回の大規模軍事演習の計画も承認。「トーポリM改造型」は、米国が開発中のミサイル防衛網を突破する能力を備えているともいわれる。
12月30日ポーランドが米国からミサイル防衛システムの導入の打診を受けていることが明らかになる。
  
  

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