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核・原子力関連年表8A(2005年1月〜7月)

 
2005年
 
 1月 1日1日付けで機密指定を解除された英国の公文書の内容から、1974年、米海軍艦艇は核兵器を積んだまま日本に寄港しているというラロック米退役海軍少将の証言が問題になった時、米当局は核兵器搭載艦が日本の領海に入る前に核兵器を抜き取る可能性を一時検討していた事が判明。
 1月 5日IAEA(国際原子力機関)のエルバラダイ事務局長は、米国が各施設の可能性を指摘し、イランが査察を拒んできたテヘラン郊外のパルチン軍事施設への査察官立ち入りに同意したことを明らかにする。また、2年以上に及んでいるイランの査察について、年末までには査察を終了させ、結論を出したいと述べる。
 1月 5日ワシントン・ポスト紙は、米国防総省が来会計年度から6年間で、ミサイル防衛システム予算を当初計画より50億ドル(約5200億円)減らすなど、約300億ドル分の支出を抑制する方針を固めたと報道。これはイラク戦争などによる支出の増大などが原因で、ハイテク兵器開発の支出削減が中心。
 1月 6日IAEA(国際原子力機関)専門家委員会は、核拡散防止強化を目的に、核燃料関連施設の国際管理を提唱する報告案をまとめた。具体的な方法として、ウラン濃縮施設、プルトニウム抽出のための再処理施設を新規に建設して多国間で共同管理する、既存の施設を共同管理に移す、核燃料生産の国際管理体制を軌道に乗せるまでの間、暫定的な措置として、ウラン濃縮や再処理事業を行っていない国によるこれら事業への新規参入を5年間凍結するなど。5月の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で提案する予定。
 1月 7日台湾紙の中国時報は、台湾中央研究院が軍の委託で十年がかりで開発を進めていた新型ミサイル「雄風三型」の実弾試射に成功したと報道。試験は9月と11月に太平洋側で実施した。ミサイルは、艦対艦ミサイルを元に改良。超音速飛行し、射程が300km超。超音速飛行中に方向転換する事が可能で、巡航ミサイルの原型となる。中国がロシアから購入した同種のミサイルより性能が上だという。
 1月 8日日本政府は、2007年度から配備するミサイル防衛計画について、迎撃対象を日本標的の弾道ミサイルに限定し、日本上空を通過して他国に向かうミサイルの迎撃は行わない方針を固める。他国を攻撃するミサイルの撃墜は、憲法上禁じられているとしている集団的自衛権の行使に該当すると判断したため。ただ、ミサイル防衛計画はアメリカと共同で行っているため、アメリカを攻撃するミサイルを見逃すことについては今後論議になると思われる。
 1月 9日日本政府は05年度から、NBC(核、生物、化学)兵器による攻撃に備え、被害予測システムの開発に着手する。これは、住民避難などをスムーズに行い、被害を抑えるためのデータとして、地形、人口密集度、危険物質保管施設などの位置、交通網などの各種データをコンピューターに蓄積しておき、攻撃を受けた場所や兵器の種類などを入力して、その被害の広がり方をシミュレーションするもの。05年度予算案に開発費4600万円を盛り込む。
 1月 9日自民、公明、民主の3党は、大規模テロや大災害などに対処する政府の基本方針を定める「緊急事態基本法案」の概要を決定。具体的には、国家的な緊急事態が発生した場合、閣議の手続きなどを簡略化し、首相が機動的に自衛隊や警察、各省庁を指揮できるようにする、首相の迅速な意思決定を可能にするため、官房長官を議長とし閣僚級で構成される「統合情報会議」と、専門家からなる「統合情報本部」を新設して情報を一元的に分析・評価し、対応を決定する、というもの。
 1月10日米国防総省は日米が共同技術研究を進めている直径約53センチの海上配備型迎撃ミサイル(SM3)の開発に乗り出すことを決め、年内にも日本政府と協議を開始する方針を固めた。日本が昨年末、ミサイル防衛関連部品の対米輸出を武器輸出3原則の例外としたことに伴う。
 1月10日米国は、日本に対し、計画中のミサイル防衛計画に導入を検討している、エアボーン・レーザーシステムの共同研究を非公式に打診。このシステムは、航空機に搭載した高出力レーザー砲で発射直後の弾道ミサイルを照射爆破する方法で、迎撃ミサイルより確実と言われている一方、技術開発が進んでいない。この方式では、発射国領空で攻撃を行うため、憲法で規定されている専守防衛や集団的自衛権の禁止との整合性が問題になる。
 1月12日米国防総省のオベリング・ミサイル防衛局長は、昨年12月15日の大陸間弾道ミサイル迎撃実験の失敗の原因について、「極めてささいなソフトウエアの不調によるもの」とし、今後の実験に影響を及ぼすような深刻なものではないとの見方を示す。
 1月12日日本政府は、日本に向けて発射された弾道ミサイルを迎撃ミサイルで撃ち落とすための手続きを定める法整備について、発射確認後、着弾点予測を元におそくとも十分程度で迎撃しなければ間に合わないため、侵略を想定した防衛出動を発令するのではなく、領空侵犯などで防衛長官が発令できるスクランブルと同様の考えで、航空総隊司令官による発令を認めた「弾道ミサイル対処措置」(仮称)を自衛隊法に新設する方向で最終調整を行うことを決定。迎撃命令はシビリアンコントロールとスピードとの間の問題でもあるため、さまざまな論議がある。
 1月12日東京電力は、定期検査をしている福島第一原子力発電所3号機の蒸気式空気抽出器の中間冷却器から、放射能を帯びた水約3800リットルが、タービン建屋内に漏れたと発表。放射能量はラジウム温泉約1・5リットル相当の15万ベクレルで、作業員の被ばくや外部への影響はないとしている。
 1月12日マクレラン米大統領報道官は記者会見で、イラクでの米政府調査団による大量破壊兵器捜索活動が昨年12月に終了していたことを発表。
 1月13日政府は、ミサイル防衛(MD)で、米国に向けて発射され日本上空を通過するミサイルを迎撃しても、集団的自衛権の行使には当たらないとの解釈の検討を始める。これは、たとえば北朝鮮の弾道ミサイルだった場合、発射から十分程度で日本に着弾するため、目標が日本か米国かの確認を待っている時間がなく、解釈に関係なく迎撃する必要があるから。これについては、与党内には集団的自衛権を認めるべきだという意見もある。
 1月13日経済産業省が、原子力発電所など核関連施設へのテロ対策として、施設に出入りする従業員の犯歴や借金状況、アルコール・薬物への依存性など個人情報の調査・管理を、国の核物質防護対策に盛り込む検討を始めたことが明らかになる。
 1月14日原子力発電技術機構は、原子炉圧力容器や住宅などの耐震性を調べる世界最大規模の実験施設「多度津工学試験所」(香川県多度津町)を3月末で閉鎖することが明らかにする。兵庫県三木市に新しい施設が完成したため。多度津工学試験所は原子力発電所施設の耐震実験のため国と電力会社などが計280億円を出資して1982年に完成。15メートル四方の振動台は1000トンの構造物まで載せることができ、阪神大震災時に観測された加速度818ガルを約5倍上回る揺れを再現できた。
 1月14日原子力安全・保安院は、日本原燃に、青森県六ヶ所村に建設中の高レベル放射性廃棄物ガラス固化体貯蔵建屋増設部分で、ガラス固化体が発する熱を冷却する装置の設計の解析結果が、原燃と保安院で大きな差異があったとして、やり直しを指示。
 1月15日米国の超党派議員団を率いて北朝鮮を訪問したカート・ウェルドン米下院議員は、北京の米大使館での会見で、6カ国協議参加国の議会関係者によるセミナー開催など非公式な協議の拡大を北朝鮮側に提案したことを明らかにする。
 1月18日試運転中だった中部電力の浜岡原子力発電所5号機が、国の最終検査を終え、営業運転を開始。出力は国内最大の138万kw。国内での新規稼働は2002年1月の東北電力女川原子力発電所3号機以来で、商業炉としては53基目となる。中部電力は、芦浜、珠洲の原子力発電所建設を断念しており、新規計画はこれで終了となる。
 1月19日午後3時半ごろ、四国電力伊方原子力発電所3号機で、非常用ディーゼル発電機の冷却系統の配管から海水が1.2t漏れ出す。3号機は運転中だったが、放射能漏れなど環境への影響はなし。
 1月24日東北電力は、青森県東通原子力発電所1号機が、臨界に達したと発表。今年10月に営業運転開始の予定。同発電所の誘致は1965年で、40年を経たことになる。
 1月30日日本原子力発電と日本ギア工業が共同開発した電動弁運転中診断装置が、米国の原子力発電所で採用されることが決まる。電動弁の健全性確認を原子力発電所の運転を停止することなく実施できるもの。
 2月 2日米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は、北朝鮮がリビアに核兵器の原料となる六フッ化ウランを2トン近く売り渡していた疑惑が浮上したと報道。
 2月 3日日本を狙った弾道ミサイルに対するミサイル防衛(MD)システムで迎撃する際の手続きを定める自衛隊法改正案の内容が明らかになる。その中で、閣議決定が時間的に間に合わない場合、1:事前にミサイル発射の兆候がある場合は、首相の承認を経て迎撃する、2:兆候がない場合は、首相の事前承認を得た「対処要領」に基づき、防衛長官の命令で迎撃する、2つの場合を想定している。
 2月 7日福井県の西川一誠知事は、6日に、停止中の高速増殖炉原型炉もんじゅの改造工事の了解を国に伝えたことを受け、7日、核燃料サイクル開発機構の殿塚猷一理事長に対し、工事の実施了解を正式に伝達。
 2月 8日中国電力は、島根原子力発電所2号機の定期検査で、国へ必要書類を提出しないまま、原子炉を起動していたと発表。経済産業省原子力安全・保安院は「書類上のミスなので安全性に問題はないが、お粗末だ」として、口頭で厳重注意。
 2月 9日東京電力は、水漏れのため停止していた福島第一原子力発電所6号機の運転を再開。同発電所で約50日間続いていた全6基の原子炉が停止する異常事態は解消。
 2月10日米海軍のクラーク作戦部長は、上院軍事委員会で、横須賀基地を事実上の母港としている第7艦隊所属の通常空母キティホークが2008年か09年に退役し、その後継艦に原子力空母を配備する方針を表明。
 2月10日北朝鮮は外務省声明を通じ、同国の核問題を巡る6カ国協議への参加を無期限中断するとの発表をし、自衛のために核兵器を製造したとして、核保有を公式に宣言。ただし核兵器保有については疑問を示す向きもある。
 2月10日島根県鹿島町の中国電力島根原子力発電所3号機の着工が、予定していた3月から半年程度遅れる見通しになったことが判明。内閣府原子力安全委員会による二次審査で、周辺で活断層が見つかっていることから審査が長引いているため。
 2月10日原子力発電所から出る使用済み核燃料の再処理費用の積み立て先を、従来の電力会社内部から外部に切り替える再処理準備金制度に関する法律案が明らかになる。今国会に提出、今年秋の施行を目指す。
 2月11日北朝鮮が「核兵器製造」の声明と、米国との二国間協議を求めたことに対し、マクレラン米大統領報道官は、北朝鮮は六カ国協議の枠組みで米国と話す機会を持っているとして、直接対話を拒否。
 2月11日北朝鮮が核兵器保有を宣言したことをうけて、秋葉広島市長は、「平和を希求する多くの人々の願いを踏みにじる暴挙であり、強い憤りを覚える」との抗議文を金正日総書記あてに送付。
 2月13日米紙ワシントン・ポストは、米軍が約1年前から無人偵察機を使って、イランの核開発や防空能力に関する情報収集を行っていると報道。またイラン政府は在テヘランのスイス大使館を通じて、米政府に正式に抗議したという。
 2月13日英日曜紙サンデー・テレグラフは、パキスタン政府が、同国の核開発を行ったカーン博士がイランに核関連の機密情報や機材を売却したことを認めたと報道。
 2月13日国連のアナン事務総長は、ドイツ・ミュンヘンで開かれた安全保障会議で演説し、国際社会は核拡散の危機に直面しており、新たな対応を取らなければ、非常に近い将来、核兵器保有国の増加を招くことになる、と警告。
 2月14日米国防総省は、地上配備型ミサイル防衛(MD)システムの弾道ミサイル迎撃実験を行ったが、迎撃ミサイルが発射されず失敗。地上設備の問題だと見られている。失敗は連続3回目。
 2月14日経済産業省原子力安全・保安院は、原子力発電所を持つすべての電力事業者に、13ヶ月ごとに行われる配管の定期検査で、残り寿命13カ月未満の配管の交換、13カ月以上2年未満は次回検査で取り換える、2年以上5年未満は取り換え計画をつくる、と言った方針を通達すること、および、配管の必要肉厚管理の共通指針を日本機械学会に要請したことを明らかにする。
 2月14日中国電力は、島根原子力発電所3号機について、着工を今年3月から9月に、営業運転の開始を2011年3月から同年12月にそれぞれ延期したと発表。国による安全性の2次審査が、近くで見つかった活断層の影響などで遅れていること、想定以上の高波を観測したことで、護岸工事を終わるまで整地工事が出来なくなったことなどが理由。
 2月15日日本政府は午前の閣議で、日本に向けて発射された弾道ミサイルなどをミサイル防衛システムで迎撃する際の手続きを定めた自衛隊法改正案を決定。武力攻撃に対する防衛出動が発令されていなくても、自衛隊が迎撃ミサイルを発射することができるようにしたもの。
 2月15日韓国紙・朝鮮日報は、韓国政府消息筋の話として、北朝鮮が、新型の「スカッドER」(射程600―1000キロ)を開発したと報道。新型は、配備しているスカッドB、Cより命中精度は高いと言われている。
 2月15日韓国の通信社・聯合ニュースは、韓国情報機関・国家情報院の幹部が国会で語った内容として、北朝鮮の核兵器製造技術は、ミサイルに搭載して発射する水準には達していないとの分析を示したと報道。
 2月15日ジュネーブ軍縮会議で、北朝鮮が6カ国協議への参加を無期限停止すると発表したことについて、イタリアの大使が遺憾の意を表明したのに対し、北朝鮮の外交官が6カ国協議には、複数の非常に大きな障害があると発言。同国の離脱決定は米国に責任がある、との考えを再び示す。
 2月16日CIA(米中央情報局)のゴス長官は、上院情報特別委員会の公聴会で証言し、アルカイダなどが化学、生物、放射能、核兵器を使うのは時間の問題かもしれないと言明。
 2月18日プーチン大統領は、モスクワのクレムリンで、イラン最高安全保障委員会のロウハニ事務局長と会談し、イランの最近の動きは同国が核兵器開発をしていないことを示しているとの認識を示し、イランとの原子力分野での協力を推進すると強調。
 2月21日青森県六ケ所村にある使用済み核燃料再処理工場で、施工ミスのため仮設設備から硝酸性溶液が漏れた問題で、経済産業省原子力安全・保安院は、ほかの仮設設備も含めた品質管理について日本原燃の報告を待ち、専門家による総点検検討会で検証していくことを決定。
 2月22日北朝鮮の金正日総書記は、同国の核開発を巡る6カ国協議について、適切な条件の下では核協議に復帰すると表明したと、朝鮮中央通信社(KCNA)が報道。
 2月22日経済産業省原子力安全・保安院は、日本原子力発電の敦賀原子力発電所3、4号機の増設に伴う安全審査に関して、予定地の半径30キロ内にある8つの断層について、活断層かどうか、断層同士がつながっていないかの追加調査を原電に指示。原電は1997−99年にボーリング調査などを行って、耐震設計に影響を与える活断層はないと結論づけたが、最近、原電が否定していた活断層の存在が指摘されるなどしたため、再調査を決定した。
 2月25日東北電力は、運転中の女川原子力発電所1号機の原子炉格納容器から想定以上に窒素が漏れている可能性があるとして、原子炉を手動で停止。
 3月 1日次世代の第4世代原子炉開発を目指して11の国と機関で構成する「第4世代国際フォーラム」参加国のうち、日本、米国、フランス、英国、カナダの5カ国が、ワシントンのフランス大使館で枠組協定を締結。第4世代は、超臨界圧軽水冷却炉、ナトリウム冷却高速炉、鉛合金冷却高速炉、超高温ガス炉、ガス冷却高速炉、溶融塩炉の6タイプ。
 3月 1日原子力発電所などから放射能が漏れる大規模な原子力災害に備え、経済産業省原子力安全・保安院は、来年度から、事故の際に現地対策本部となるオフサイトセンターと国、自治体間を超高速回線で結ぶ「統合原子力防災ネットワーク」を整備することを決定。
 3月 4日政府は、日本が外国から武力攻撃を受ける有事に備え、住民の避難・救援方法などを規定する「国民保護に関する基本指針案」を発表し、この中で、有事の際には、経済産業相が直ちに原子力発電所の運転停止を命令する事が出来るといった具体案が示される。
 3月 4日原子力委員会は、関西電力美浜原子力発電所の死傷事故や東京電力のトラブル隠しなど原子力関連の事故やトラブルで国民の信頼は失墜し、信頼の回復が大きな課題だとした2004年度版の原子力白書を閣議に報告。
 3月 5日東京電力は、運転中の福島第一原子力発電所2号機の屋外で作業をしていた作業員2人が腕や足に湿疹が出るなどの異常を訴え、病院で化学熱傷と診断されたと発表。原因は、配管から漏れた水酸化ナトリウム溶液に触れたためとみて調べている。安全運転や周辺環境への影響はないという。
 3月 7日関西電力大飯原子力発電所3号機の原子炉格納容器内で、放射能を含む1次冷却水とみられる水漏れが見つかる。8日午前4時ごろ原子炉を手動停止。外部への水漏れはなく、環境に影響はないという。
 3月 8日電力中央研究所は、東芝と共同で開発した小型原子力発電所の米国での建設に向け、米原子力規制委員会に対し、予備審査の申請を行う方針を発表。国産原子力発電システムの認可を米国で申請するのは初めて。同発電システムはナトリウムを冷却材に使う高速炉で、出力は1万キロワット(通常の原子力発電所の100分の1)。燃料交換が30年間不要というもの。米アラスカ州のガリーナ村が、電源として誘致を検討している。
 3月10日愛媛県は、四国電力伊方原子力発電所の地元、伊方町、保内町、瀬戸町にあるすべての公立小中高校17校に、事故の際に放射性ヨウ素による被ばくを低減するためのヨウ素剤を、夏にも配備する方針を明らかにする。
 3月11日核燃料サイクル開発機構は、鳥取県湯梨浜町方面地区のウラン残土を、鳥取地裁の間接強制決定に基づく撤去期限の10日までに、袋詰め残土約290立方メートルの撤去をしなかったため、同日以降、撤去完了まで1日につき75万円の制裁金が科されることに。
 3月16日経済産業省資源エネルギー庁は、原子力長期計画の改定論議をしている原子力委員会の新計画策定会議に、2050年ごろから高速増殖炉を導入するとの電気事業者の見解を盛り込んだ長期的な原子力政策の見通しを示す。
 3月17日ライス米国務長官が、パキスタンのカスリ外相と会談し、同国の「核開発の父」カーン博士が構築した「核の闇市場」についてパキスタン側に一層の情報提供を求める。
 3月23日イランの核問題をめぐって、パリで行われたイランと英国、フランス、ドイツの欧州3か国の協議は、交渉を継続することで合意。
 3月24日東京電力が、青森県東通村に建設を計画している東通原子力発電所・東京1号機の着工と運転開始の時期が、それぞれ一年延期され、着工2007年、運転開始2013年となる方針が明らかになる。同発電所は、東北電力と東京電力の両方がそれぞれ建設するもので、延期は東京電力の1号機。
 3月25日中国電力は、山口県上関町に建設を計画している上関原子力発電所1、2号機の着工をそれぞれ1年延期すると正式に発表。理由として、用地買収に時間がかかり、国への申請に必要な調査が遅れているため。着工は1号機が2009年度、2号機が12年度となり、営業運転開始も1年ずつ延びてそれぞれ14年度、17年度となる。
 3月28日日本原燃は、六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場の本格操業時期を10カ月延ばし、07年5月にすると発表。貯蔵プールの不正溶接問題などで計画が遅れていることによる。
 3月29日原子力委員会の新計画策定会議は、発電電力量に占める原子力発電の割合を、今後長期にわたって現状の30−40%に維持すべきだとの方針を次期原子力長期計画に盛り込むことを決定。地球温暖化を引き起こす二酸化炭素排出削減が求められていることが、原子力の必要性の理由の1つとしてあげられている。
 3月30日米原子力規制委員会(NRC)は、解体された米国の核兵器から出るプルトニウムを、商業用原子力発電所の燃料に加工するためのプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料工場をサウスカロライナ州のサバンナリバーに建設することを認可。
 3月30日イランのハタミ大統領は、同国ナタンツやイスファハンの核施設を記者団に公開。ナタンツの地下核施設は、ウラン濃縮が行われていた秘密施設で、2003年、国際的圧力で操業停止に追い込まれた。
 3月30日関西電力の美浜原子力発電所3号機の蒸気漏れ事故で、経済産業省原子力安全・保安院は、最終報告書を事故調査委員会に提出。関西電力に対し、原子炉設置者としての管理体制の問題を指摘し、その責任を追及すると共に、国の責任も指摘。再発防止対策のため、厳格に監視・指導することを示す。
 4月 1日国連総会の核テロ防止条約に関する特別委員会は、核テロの犯罪化と容疑者の処罰を各国に義務付ける内容の条約案を全会一致で採択。本会議で採択されたのち、9月から2006年末まで各国の署名期間が設けられる。
 4月 2日石川県羽咋市福水町で1日夜9時頃、北陸電力の50万ボルト送電線を支える鉄塔が地滑りのため倒壊。この影響で同県志賀町の志賀原子力発電所1号機は送電できなくなり、2日午前4時36分に原子炉の運転を手動で停止。
 4月 2日陸上自衛隊は、来年2月に熊本で行われる米陸軍などとの共同図上演習に、九州・沖縄8県の危機管理担当者らを参加させる方向で検討を始める。国民保護法に基づき、自衛隊は、弾道ミサイル攻撃や原子力施設に対するテロ・ゲリラ攻撃の際に、住民避難を支援することになったが、これまで住民避難後の訓練しかしていなかったことから、自治体関係者と共に住民避難について検証するため。
 4月 4日韓国の東亜日報などは、北朝鮮の姜錫柱第一外務次官が2日から3日間にわたって訪中して、中国の武大偉外務次官らと会談し、6カ国協議について協議していると報道。
 4月 8日テロリストによるプルトニウムなどの核物質の盗難、強奪を防ぐための核物質防護条約について、ウィーンで開かれた会合により、改正案で加盟国が合意。核物質の「国際輸送」のほか、国内輸送、使用、貯蔵などの管理体制も強化する内容。
 4月 9日北朝鮮を訪れていた米国の朝鮮半島問題研究者セリグ・ハリソン氏は北京市内で会見し、6カ国協議の北朝鮮代表、金桂冠外務次官が、核兵器をテロ組織や第三国に移転する可能性に言及したと公表。
 4月11日日米欧など核兵器や原子力の供給能力を持つ44カ国が輸出規制で協調する「原子力供給国グループ(NSG)」のエクワル議長とパキスタン外務省当局者とが会談。パキスタン側は核不拡散への協力を表明し、NSG加盟への意欲をみせる。
 4月11日ロシアのズラボフ保健・社会発展相は閣議で、1986年のウクライナ・チェルノブイリ原子力発電所事故の被ばく者名簿を作成したことを報告。その中で、被爆した人は、ロシア国内で145万人に上ることを明らかにする。
 4月12日核軍縮で解体された核兵器から取りだし、フランスの工場で原子力発電用に加工したウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料が、米サウスカロライナ州の港に到着。MOX燃料は、同州内にある商業炉の試験運転に使用される。兵器級プルトニウムからの転用MOX燃料の米商業炉での使用は初。
 4月12日欧州委員会は、欧州連合と日本が誘致を競ってきた国際熱核融合実験炉(ITER)の建設について、7月に決着することで合意したと発表。
 4月12日南アフリカで昨秋、核兵器開発に使われるウラン濃縮用の部品などを大量にリビアに輸出しようとして逮捕された男性が、同国がかつて進めていた核兵器開発に直接携わっていた南アフリカ原子力公社に1984年から1993年まで勤務していた技術者だったことが判明。
 4月13日国連総会は、テロリストによる核物質の入手や使用を阻むための核テロ防止条約を全会一致で採択。9月に開かれる国連首脳会合から署名手続きに入り、22か国の批准で発効する。日本も署名する方針。
 4月13日イスラエル放送は、訪米中のシャロン首相に随行しているイスラエル政府当局者が、イランが極秘に核兵器開発計画を進めているだけでなく、核弾頭を弾道ミサイルや巡航ミサイルに搭載する計画もあると語ったことを報道。またシャロン首相は、この問題でイスラエルがイランに対し攻撃を行うことは考えていないと否定。
 4月13日トマス・ハバード前駐韓米大使は、時事通信のインタビューに応えて、クリントン政権時代に米当局は、北朝鮮の濃縮ウランをつかった核開発について察知していたと語る。
 4月14日米政府や欧州連合外交筋は、イランの核問題をめぐる外交交渉で、イラン側が「原子力の平和利用の権利」として本格的な核製造につながらないレベルの遠心分離機を温存することをEU主要3カ国に提案した譲歩案について、米政府が容認しない方針であることを明らかにする。
 4月16日韓国の聯合ニュースは、訪朝した米国の朝鮮問題研究者セリグ・ハリソン氏が、北朝鮮高官が「寧辺の原子炉から使用済み核燃料棒を取り出す作業に今月中に着手し、3カ月間続けると語った」ことを明らかにしたと報道。
 4月16日米国とロシアが2000年に核軍縮で合意した兵器級余剰プルトニウムの処分について「免責問題」に関する両国間の交渉が近く妥結し、プルトニウム処理施設の建設にめどがつく可能性が出てきたことが両国の関係者から明らかに。
 4月17日米エネルギー省は、軍部から要請があれば、現在行っている核兵器改良の技術研究を新型核兵器開発に生かす可能性があると米議会に伝えていたことが判明。
 4月17日複数の米政府当局者が、核関連施設が集中する北朝鮮・寧辺にある実験用黒鉛減速炉が近く停止する事態を想定し、警戒を強めていると語る。同炉が停止すれば、使用済み核燃料棒が取り出されて再処理、核兵器の原料となるプルトニウムがさらに抽出される恐れがある。すでに稼働時に冷却塔から排出される水蒸気などが偵察衛星で確認できなくなったという。
 4月19日関西電力は、死傷者11人を出した昨年8月の蒸気噴出事故で運転を停止している美浜原子力発電所3号機で、6日午後に、作業員の手違いから非常用電源の一部が落ち、冷却用の海水を循環させるポンプなどの機器が自動停止するトラブルがあったと発表。約45分後に復旧し、環境への放射能の影響などはなかったという。
 4月19日イスラエル内務省は、同国の核開発機密を暴露して、国家反逆罪などで約18年間服役し、昨年4月に出所した元原子力技師モルデハイ・バヌヌ氏の出国禁止措置を1年間延長することを決定。
 4月20日日本原燃は、青森県六ケ所村に計画中のプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料加工工場について、着工は2007年4月、操業は12年4月とする事業許可申請を、経済産業省原子力安全・保安院に提出。従来の計画より3年遅れることになる。青森県、六ヶ所村との立地協力基本協定は19日に締結。
 4月22日米紙ウォール・ストリート・ジャーナル電子版は、米政府高官の話として、北朝鮮が核実験の準備を進めているとの情報があり、中国政府に至急電で実験を阻止するよう北朝鮮に対する説得を要請したと報道。
 4月24日5月2日にニューヨークの国連本部で始まるNPT再検討会議を前に、反核NGO「平和市長会議」への加盟が急増し、111カ国942都市に達したことが明らかになる。
 4月24日ウクライナの民間組織チェルノブイリ身体障害者同盟は、1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故で、過去19年間にウクライナで350万人が被爆し(放射能遺伝被爆自動120万人)、150万人以上が死亡、汚染地域に230万人、放射能警戒地域に160万人が居住していることなどを明らかにした。ロシア政府も4月11日に、ロシア国内でも145万人が被爆したと発表している。
 4月25日中部電力浜岡原子力発電所が東海地震で大事故を起こす危険があるとして、「原発震災を防ぐ全国署名連絡会」は、同発電所をすぐに停止するよう求める54万7554人分の署名を、経済産業省や衆参両議院に提出。
 4月28日米国防情報局(DIA)のジャコビー局長は、上院軍事委員会で、北朝鮮がミサイルに核弾頭を搭載することが可能になったと述べる。
 4月28日ブッシュ米大統領はホワイトハウスで記者会見し、北朝鮮の金正日総書記を、国民を飢えさせ、巨大な収容所を所有するなど「危険な人物」と非難した上で、北朝鮮の核問題については、6カ国協議による外交解決を目指す考えを改めて強調。
 4月29日全米科学アカデミーは、米国が地下の軍事施設を攻撃するために研究中の、「強力地中貫通型核兵器」について、小さな爆発力で高い破壊効果を得られるものの、人口密集地で使用されれば、100万人以上が犠牲になるという内容の報告書を発表。
 4月29日町村信孝外相は、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効に向け、ライス米国務長官、李肇星中国外相ら未批准国11カ国の外相あてに、速やかな批准を求める書簡を送付。
 4月29日米国防総省のディリタ報道官は、国防情報局(DIA)のジャコビー局長が28日に北朝鮮がミサイルに核弾頭を搭載することが可能になったと述べたことに関し、「理論的可能性について述べただけだ」と説明。実際に核弾頭搭載可能なミサイルを保有しているかどうかは不明だと述べる。
 4月30日米国は、北朝鮮が3月から地下核実験の準備に着手しており、早ければ6月にも実験を強行する可能性があるとの情報をIAEA(国際原子力機関)や日本など関係国政府に非公式に伝達していたことが判明。
 5月 1日「ならず者国家」やテロ組織が大量破壊兵器を使い、米国や同盟国を攻撃する危険が迫った場合に、太平洋軍など各地域統合軍の司令官が、ブッシュ大統領に戦術核兵器の使用許可を要請できるとの方針を統合参謀本部が策定していることが、最新の米軍文書などから明らかに。
 5月 1日核拡散防止条約(NPT)再検討会議の開幕を前に、米国のNGOの呼び掛けで、日本の被爆者や世界各国のNGOメンバー、市民らがニューヨークの国連本部前に集結。核廃絶を訴えるためデモ行進を行い、セントラルパークで集会を開催。
 5月 2日核軍縮や核拡散の状況を点検、今後の行動計画策定を目指す核拡散防止条約(NPT)再検討会議が、190近い加盟国が参加してニューヨークの国連本部で開幕。核保有国と非核国の対立などで議題は未定のまま。
 5月 3日核開発が懸念されているイランのハラジ外相は、国連本部で開催中の核拡散防止条約(NPT)再検討会議で、核開発を放棄する意向がないことを明言するとともに、核兵器で世界平和をおびやかしているとして米国とイスラエルを批判。
 5月 4日韓国の中央日報は、北朝鮮が1日に日本海に発射した短距離ミサイルについて、射程100キロ以上の弾道ミサイルで、旧ソ連のフロッグ7か、スカッドBの改良で、2008年までにソウル南方の平沢に移転予定の米軍基地を攻撃対象に想定した可能性があると、米韓の軍関係で分析していることを報道。また聯合ニュースは、韓国国防省が国会国防委員会に、旧ソ連製の短距離弾道ミサイルSS21を改良した「KN02」との見方を示す非公開報告を提出したと報道。
 5月 4日町村外相は、バルニエ仏外相と会談後、国際熱核融合実験炉(ITER)誘致問題について「いつまでも話し合いをしているのは非生産的だ」として、早ければ5月中にも日本とEUの合意を目指す意向を表明。
 5月 5日フランスのドベール研究担当相は、国際熱核融合実験炉(ITER)の建設地について、ジュネーブで行われた日本と欧州連合との高級事務レベル協議で「合意に達した」と発表し、日本は実験炉の誘致を断念するだろうと、述べる。
 5月 6日フランスが国際熱核融合実験炉(ITER)の建設地がフランスで合意したと発表したことについて、坂田東一文部科学省研究開発局長は、建設地については何も決まっていない、外交ルートでフランスに抗議している、と述べる。
 5月 6日米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は、米政府当局者らの話として、偵察衛星などの観測から、北朝鮮が過去数週間、同国北東部の吉州付近で核実験準備を加速させている兆候が見られると報道。ただし、必要な機材などは準備されていないことから、交渉のために見せかけているという説もあるという。
 5月 8日来日を希望するインドの物理学や天文学の研究者に、外務省がビザを出さず入国できない事が明らかになる。インドが核拡散防止条約(NPT)に未加盟であるためとみられるが、核兵器開発とは直接関係ない基礎科学の研究者も含まれており、批判が出ている。
 5月 8日IAEA国際原子力機関のエルバラダイ事務局長は、米CNNテレビのインタビューで、北朝鮮が既に5、6個の核兵器を保有している可能性があると述べる。
 5月11日核兵器運用や敵ミサイル迎撃を担当する米戦略軍のカートライト司令官は、上院歳出委員会の防衛小委員会で証言し、米軍が配備を進めているミサイル防衛は、北朝鮮から同時に飛来する2−5発の弾道ミサイルに対応するものとして、具体的に北朝鮮によるミサイル攻撃を想定していることを明らかにする。
 5月12日米下院の歳出小委員会は、ブッシュ政権が2006会計年度予算として要求していた新型核兵器「強力地中貫通型核」用の400万ドル(約4億2700万円)を全額削除して予算案を可決。
 5月12日イランのアガザデ原子力庁長官は、国営テレビに出演して、英国、フランス、ドイツの3カ国との合意で中断してきたウラン転換の再開を決定した、と語り、イスファハンのウラン転換施設の稼働になるだろうと述べた。また、中断してきたのは自発的なことで、再開に許可や合意は必要としない、とも述べる。
 5月13日自民党の核融合エネルギー推進議員連盟は総会を開き、日本と欧州連合(EU)が誘致を競う国際熱核融合実験炉(ITER)について、あくまで青森県六ケ所村への誘致を目指す方針を確認し、政府への働き掛けを強めることを決定。
 5月13日町村信孝外相は閣議後の記者会見で、北朝鮮が実験用黒鉛減速炉から8000本の使用済み燃料棒を取り出したと表明したことを受け、6カ国協議に北朝鮮が応じない場合、対応を協議するため6月にも北朝鮮を除く日本、米中韓、ロシアの5カ国による会合の開催を検討する考えを示す。
 5月15日米政府は、北朝鮮に対し、核実験を実施すれば、米国やアジア地域の同盟国は新たな制裁措置を検討せざるを得なくなるだろうと警告。
 5月16日ニューヨークで行われている核拡散防止条約(NPT)再検討会議のロシア代表団が、2005年1月時点で、同国が保有する大陸間弾道ミサイル、潜水艦、爆撃機に搭載された戦略核弾頭数が計4732個であると公表。
 5月16日北朝鮮の開城で2日間の日程で行われる南北次官級会談が開催。6カ国協議への復帰が話し合われることに。
 5月18日米シンクタンク、ウッドロー・ウィルソン・センターは、北朝鮮が核兵器開発に興味を示したのは、1963年8月に、核兵器関係の情報入手を東ドイツに依頼したことを、平壌駐在のソ連大使がモスクワに打電した資料などで明らかになったことをを発表。このほか、ハンガリー大使が67年に、当時の金日成主席がモスクワを秘密訪問し、原子力発電所の建設をソ連に求めたが拒否されたと、本国政府に伝えている資料もあるという。
 5月24日米国が1946−58年にかけて66回の原水爆実験を行ったマーシャル諸島で、当時の住民約1万4000人のうち、がんの発生は放射性降下物被ばくの影響で9%増え、放射線起因のがんが約530例と見積もられ、その半数はこれから発生するとの予測が、米国立がん研究所により米上院エネルギー委員会に提出された報告書で判明。
 5月25日ニューヨークの国連本部で開かれている核拡散防止条約(NPT)再検討会議は、核軍縮分野における米国と非核国の対立などから3つの主要委員会で合意失敗が確定、包括合意文書採択のめどが立たないまま決裂。
 5月25日イランの核問題をめぐる英国、フランス、ドイツとイランの外相級協議がジュネーブで開かれ、双方は協議を継続し、七月下旬までに三カ国側が新たな提案を出すことで合意。イラン政府代表団は核兵器開発を行わないと表明。
 5月27日ニューヨークの国連本部で開かれていた核拡散防止条約(NPT)再検討会議は、米国や中東諸国との対立などで合意のないまま閉幕。
 5月30日北朝鮮の外交を統括する姜錫柱第1外務次官が、4月に北京を訪問した際、核問題で「重大な決断をした」と中国指導部に伝達していたことが明らかになる。
 5月30日被爆60年の今年、原爆ドームの果たす役割をあらためて考え、長期的な保存を検討する広島市の「平和記念施設あり方懇談会」が同市役所で開かれ、被爆者や有識者が意見を交わす。
 5月31日ライス米国務長官とバウチャー国務省報道官は、大量破壊兵器の拡散を防ぐ拡散防止構想(PSI)の成果として、この9カ月間に核兵器と化学兵器に利用可能な原料の北朝鮮への持ち込み2件を含め、イランなどへもミサイルや大量破壊兵器の部品や原料の入手を阻んだとして、同期間に合計11件の摘発に成功したと表明。
 6月 1日中国共産党の王家瑞対外連絡部長が、5月21日に自民党の武部勤、公明党の冬柴鉄三両幹事長と会談した際に、北朝鮮の核実験の可能性について「五分五分だ。北朝鮮は核実験をするかどうか迷っている」との見方を明らかにしていたことを、与党関係者が1日、明らかにする。
 6月 1日6カ国協議代表の外務省佐々江賢一郎アジア大洋州局長とヒル米国務次官補がワシントンの国務省で会談し、北朝鮮による核実験について「差し迫った兆候はない」との見方で一致。
 6月 2日1957年に、米中央情報局などの情報機関がまとめた機密報告書「国家情報評価」の中で、当時の岸信介政権が「5年以内に核製造計画のための措置に出るだろう」と予測し、日本の独自核武装に強い懸念を抱いていたことが明らかになる。また、当時、能力的に10年以内に独自核武装が可能な国としてフランス、カナダ、スウェーデンを列挙している。
 6月 2日中国政府は、北朝鮮が核実験を強行した場合、中国からの食糧支援を停止せざるを得ないとの意向を北朝鮮側に伝えていたことが明らかになる。
 6月 3日シーファー駐日米大使は、都内で記者団に対し、北朝鮮が核実験を実施すれば、地域の戦略バランスを変化させると指摘した上で「日本と韓国が核武装を検討する圧力が強まるだろう」と懸念を示した。
 6月 4日英国際戦略研究所が主催してアジア・太平洋地域の国防相らが出席する「アジア安全保障会議」がシンガポールで開かれ、参加各国から相次いで中国の軍拡路線、軍事費の不透明性についての懸念が表明されたほか、ラムズフェルド米国防長官が北朝鮮による核技術の拡散の可能性に言及。
 6月 5日大野防衛長官は、シンガポールのホテルで記者団に対し、日米で共同技術研究をしている将来型のミサイル防衛システムを、来年度から予算に計上して開発段階に移行する方針を表明。2011年までに開発を終えて配備を検討することに。
 6月 7日韓国の朝鮮日報は、寧辺の原子力施設空爆による被害のシミュレートして98年に韓国軍当局が大統領に報告した内容を報道。それによれば、北朝鮮の寧辺にある原子炉2基を稼働中に空爆して完全に破壊した場合、最悪のケースでは、半径50km以内では住民の25%が即死し、2カ月で80〜100%が死亡。半径30〜80kmの生存率は20%前後で、平壌も80キロ付近にある。また南北軍事境界線のある220km圏内では、発がん率が9.5%にまで高まり、400〜1400km圏内では、放射線年間被ばく許容量の10倍にあたる5レムの放射性物質が拡散すると試算。日本の大部分や中国などにも放射性物質が拡散するとしている。
 6月 7日マコーマック米国務省報道官は、6日のニューヨークでの米朝接触で、北朝鮮が期日を示さずに核問題をめぐる6カ国協議に復帰する方針を米国に伝えていたことを明らかにする。また、中国の王光亜・国連大使も、同協議が数週間以内に北京で再開される可能性に言及。
 6月 7日欧州委員会のポトチュニク委員は、日本と欧州連合が交渉を進める国際熱核融合実験炉(ITER)について、年内にITER建設を開始するというEUの計画に変更はない、と述べる。
 6月 7日米紙ワシントン・ポスト電子版は、米政府が、11月末に任期切れを迎えるIAEA国際原子力機関のエルバラダイ事務局長の3選について、反対を取り下げる方針を決定したと報道。
 6月 9日有毒ガスや放射能漏れなどの起きた災害現場で、危険な場所に入り込んで情報収集する自走式の小型ロボットを、独立行政法人・消防研究所が開発。
 6月11日核燃料サイクル開発機構が、鳥取県湯梨浜町方面地区に放置していたウラン残土約3000立方メートルのうち、放射線レベルが高い約290立方メートルを、米国の民間精錬会社と契約して処理することで撤去する方針を固めたことが明らかになる。
 6月16日中国が、新型の潜水艦発射長距離弾道ミサイル(SLBM)の発射実験をを実施。巨浪2型と見られ、青島沖の原子力潜水艦から発射され、数千km離れた内陸部の砂漠地域に着弾したとみられる。
 6月16日米テネシー州オークリッジで、原爆開発60周年記念イベントが開かれ、原子爆弾開発製造計画に関与した研究者らと家族約70人が参加。オークリッジは核兵器開発のためのウラン濃縮工場があった都市。
 6月19日試験運転中の青森県東通村にある東北電力東通原子力発電所1号機で、原子炉からタービンに蒸気を送る主蒸気配管に設置した8つの隔離弁を開けようとしたところ、1つが途中で開かなくなったため、試験を中断。
 6月19日ロスアラモス国立研究所などの核研究機関が、長期的に核兵器を維持・管理していくため、低コストで信頼性の高い新型核兵器に代替する提言を米政府に対し行っていることが明らかになる。
 6月20日韓国政府当局者は、17日に行われた北朝鮮の金正日総書記と韓国の鄭東泳統一相との会談で、金総書記が、「米国との国交が実現し、友好国になれば長距離ミサイルを廃棄する用意がある」と述べたことを明らかにする。
 6月22日イラン原子力庁は、南部ペルシャ湾岸ブシェールにロシアの協力で建設中の原子力発電所内部を外国報道陣に公開し、平和利用をアピール。
 6月23日ソウルで行われた第15回南北閣僚級会談は、朝鮮半島の非核化が最終目標であると確認するなど、12項目で合意した共同報道文を発表して終了。
 6月28日日本と欧州連合が誘致を競っていたITER(国際熱核融合実験炉)は、モスクワで開かれた日本、EU、米国、ロシア、中国、韓国による6極閣僚級会合でフランスに建設されることが決定。建設費は100億ユーロ(121億8000万米ドル)。シラク大統領は、日仏友好のために日本が譲歩したことに感謝を述べる。
 6月28日在韓米軍のレオン・ラポート司令官は、韓国のPBCラジオのインタビューで、北朝鮮が核兵器を持とうが、朝鮮半島の軍事バランスは変わらず、また、必要が生じた場合は北朝鮮の脅威を断固として退ける、と語る。
 6月29日参議院本会議で、2006年度末に配備が始まるミサイル防衛の迎撃手続きを定める自衛隊法改正案と、陸海空3自衛隊の統合運用を開始するための防衛庁設置法改正案などの審議が始まる。
 6月29日北朝鮮核問題について自由に意見交換するため、6カ国協議参加国の高官や専門家らが出席する米シンクタンク「全米外交政策会議」非公式協議がニューヨークで開催。
 6月30日フランス・カダラッシュに建設が決まった国際熱核融合実験炉(ITER)について、欧州連合の欧州委員会ポトチュニク科学担当委員は、日本に建設予定のITER関連施設について、具体的中身を年内に決めたい意向を示す。
  
  

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