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核・原子力関連年表8B(2005年7月〜12月)

 
2005年
 
 7月 3日東京電力柏崎刈羽原子力発電所5号機で、定期検査のために運転停止の準備作業中に、蒸気を冷却して水に戻す復水器の真空度が低くなったため、タービンの保護装置が作動し、原子炉が自動停止。放射能の影響はないという。
 7月 6日北朝鮮が秘密裏にイランの核開発計画を援助している可能性があると、ロイターが報道。情報当局の報告書によると1990年代後半から両国間で協力が開始されたという。
 7月 7日英国グレンイーグルズで開催されたサミット主要国首脳会議は、ワーキングディナーを行い、小泉純一郎首相が北朝鮮の核開発問題に関し、六カ国協議による解決の重要性を訴え、G8各国の協力を求める。
 7月10日ライス米国務長官と中国の胡錦濤国家主席が北京で6カ国協議の方針について会談。
 7月11日三菱重工業は、米原子力大手のウエスチングハウス社に対し買収提案したことを正式に発表。同社は親会社の英国核燃料会社が売却の方針を示している。
 7月19日米国とロシアが5年前に合意した兵器級余剰プルトニウムの処分をめぐり、事業推進の最大の障害だった「免責問題」に関する両国間の交渉が合意に達し、68トン(核兵器約1万5000発分)の処分に本格着手する見通しとなる。
 7月22日日本に向けて発射された弾道ミサイルをミサイル防衛システムで迎撃する手続きを定めた改正自衛隊法と、陸海空3自衛隊の指揮・命令系統を一元化する改正防衛庁設置法が参院本会議で、自民、公明両党の賛成多数で可決、成立。
 7月22日北朝鮮外務省の報道官は、朝鮮中央通信(KCNA)を通じて、朝鮮半島の核危機を解決するには、朝鮮戦争休戦協定に代わる平和協定の締結が必要との見解を示す。
 7月24日1945年8月、広島、長崎へソ連の軍情報部が米国より先に現地調査するため、将校2人を派遣していたことが判明する。2人は在京ソ連大使館に勤務していた軍参謀本部情報総局(GRU)のミハイル・イワノフ大尉と、武官補佐のゲルマン・セルゲーエフ氏。
 7月25日米誌タイムは広島、長崎への原爆投下から60年に関する特集記事を組み、原爆投下作戦に参加した爆撃機の乗組員ら4人の証言を掲載。
 7月26日北朝鮮の核開発をめぐる6カ国協議が、北京の釣魚台迎賓館で、1年1カ月ぶりに再開。このあと、米国が昨年六月の米朝協議で示した北の核先行廃棄の提案に北朝鮮が見返りより前に廃棄するという手順について不満を示したと米国代表ヒル国務次官補が明らかにする。
 7月29日日本政府は、武力攻撃を受けた際の避難手順などの情報をまとめたホームページ「国民保護ポータルサイトhttp://www.kokuminhogo.com/」を開設。
 7月31日広島で被爆し、世界で初めて「原子爆弾症」と診断された女優、仲みどりさんのカルテの大半を英訳した報告書が、広島大学原爆放射線医科学研究所に保管されていることが明らかになる。
 8月 1日イランは1日、IAEA(国際原子力機関)に対し、同国のイスファハンにあるウラン転換施設の運転を再開すると通告。
 8月 3日イランで最強硬派のアフマディネジャド氏が大統領に就任。核関連活動の長期凍結に反対しており、これまで対話を進めていた欧州諸国との対立も懸念されている。
 8月 4日広島原爆投下時の放射線で感光し、真っ黒になった広島赤十字病院の大判レントゲンフィルムが、旧理化学研究所の仁科芳雄博士の研究室から見つかったことが報道される。
 8月 4日北朝鮮は4日夜、核放棄の対象から平和利用目的の核開発を除外することなどを主張し、交渉は膠着状態に。
 8月 5日米国務省は、イランの核問題に対して、英国など3カ国が新たに提案した軽水炉建設などイランによる核の平和利用を認める方針に支持を表明。
 8月 6日広島で平和記念式典。32カ国から参列。
 8月 7日6か国協議は、北朝鮮の草案受け入れ拒否で暗礁に乗り上げている共同文書をとりまとめるため、米朝会談を行うが、進展はなく、参加各国は、協議をいったん休会とする方針を決定。
 8月 8日全国高校野球選手権大会で6日の広島原爆投下時刻に全出場校による黙とうが実現しなかった問題で、毎日新聞が、日本高校野球連盟参事が「原爆は広島だけのこと」と発言した報道が事実ではなかったことが明らかになり謝罪。
 8月 8日イランは、中部イスファハンにあるウラン転換施設を再稼働。稼働を再開したのは粉末状のウランを気体の6フッ化ウランに転換する施設。
 8月 9日長崎市の長崎平和祈念式典に、核保有国のロシアからはじめて駐日大使が参列。チェルノブイリ発電所のあるウクライナの駐日大使も参列。
 8月 9日IAEA(国際原子力機関)は、英国、ドイツ、フランスの3カ国の要請に基づいて、イラン核問題を協議する緊急理事会を開催。イランはイスファハンの転換施設の稼働を再開させる準備作業を進めている。
 8月11日パキスタン軍、核弾頭も搭載可能な同国初の巡航ミサイル「ハトフ7」(通称バーバル)の発射実験に成功。インドには無通告で行われた。インドとパキスタンは、偶発的な核戦争防止を目的に外務省間のホットライン開設で合意している。
 8月15日イランのアフマディネジャド大統領は、核交渉を担当する最高安全保障委員会の新事務局長に強硬派のラリジャニ前国営放送総裁を指名。
 8月17日東北電力は、前日に発生した宮城県沖地震で自動停止した女川原子力発電所で、揺れの指標となる加速度が最大で251.2ガルを記録し、「設計用最強地震動」の250ガルを超えたことから、同発電所の保安規定に基づいて原子炉格納容器や非常用炉心冷却系統などの健全性の確認作業を行う、と発表。
 8月21日訪米中の韓国の潘基文外交通商相は、米CNNテレビのインタビュー番組で、北朝鮮が主張する核の平和利用について、NPT復帰やIAEAの査察受け入れなどで国際社会の信頼が得られれば、将来的には議論が可能との見方を示す。一方で、寧辺の核施設については、ウランの再処理や濃縮といった兵器開発につながるので完全に解体すべきだと述べる。
 8月22日東京電力は、福島第一原子力発電所5号機で、原子炉冷却水の水漏れ事故などの非常時に核燃料を冷却する系統に不具合が見つかったため、同日中に手動停止作業に入り、詳しい調査を行うと発表。
 8月24日長崎市の三菱重工業長崎造船所で建造していた新型イージス艦(7、700t)が進水。防衛庁の今津寛副長官が「あたご」と命名。各イージス艦は今後、ミサイル防衛計画で、弾道ミサイルを宇宙空間で迎撃できる海上発射型ミサイルを搭載する。
 8月25日6カ国協議議長である中国の武大偉外務次官は、訪日して自民党の武部幹事長と会談後、6カ国協議の再開日程について、9月2日で調整する考えを記者団に明らかにする。
 8月25日政府は、首相官邸で情報収集衛星推進委員会を開き、3基目の情報収集衛星として2006年初頭に予定していた光学センサー衛星の打ち上げを同年夏に延期することを決定。理由として、米国製の回路の不具合を上げている。
 8月29日核燃料サイクル開発機構は、鳥取県湯梨浜町に放置したまま撤去期限が過ぎたウラン残土の搬出作業を開始。撤去するのは、残土約3000立方メートルのうち比較的放射線量の高い約290立方メートル。この残土は、1955年から、鳥取・岡山県境の人形峠やその周辺のウラン鉱床を原子燃料公社(後の核燃機構)が採掘し、ウラン含有率が低いため、採掘残土を野積みしたまま閉山したもの。1988年に、残土が自然界より高い放射能を帯びていることがわかり問題となった。
 8月29日内閣府の原子力安全委員会は、九州電力が玄海原子力発電所3号機で導入を目指しているプルサーマル計画について、九電の安全対策を認めた経産省の原子力安全・保安院の審査は妥当と経済産業相に答申。
 8月30日九州電力が玄海原子力発電所3号機で導入を目指しているプルサーマル計画について、平和的利用の観点から審査していた原子力委員会は、計画了承を経済産業相に答申。
 9月 1日EUは1日、英国南西部ニューポートで開いた非公式外相会議で、イランの核問題を巡って協議し、イランがIAEA(国際原子力機関)の非難決議に反して、ウラン転換施設の再稼働を強行しているとエルバラダイIAEA事務局長が3日提出する予定の報告書で確認した場合を想定し、EUとして同問題の国連安保理付託も辞さないとする英仏独3か国の立場を支持するとの方針で一致。
 9月 1日中国政府は、米国に対して、台湾がミサイルで防衛するのを支援しないよう、暗にけん制した。米中首脳会談に併せての声明と見られる。米国は台湾に対し、パトリオットミサイル、対潜哨戒機P−3C、ディーゼル潜水艦などの提供を決めている。
 9月 2日IAEA(国際原子力機関)のエルバラダイ事務局長は、先月上旬からウラン濃縮の前段階にあたるウラン転換活動を再開したイランが、IAEA緊急理事会で対イラン非難決議が採択された同月中旬以降も活動を継続していたと正式に確認する報告書をIAEA理事国(三十五カ国)に提出。
 9月 7日中川昭一経済産業相は、九州電力が玄海原子力発電所3号機(佐賀県玄海町)で導入を目指しているプルサーマル計画について、8月29日に原子力安全委員会が、同30日に原子力委員会が「計画は妥当」の答申を示したのを受けて、実施を許可。
 9月15日イランのアフマディネジャド大統領は、トルコのエルドアン首相と会談し、大量破壊兵器は求めないが、他のイスラム諸国に核技術を移転する用意がある、と表明したとイラン国営通信が報道。
 9月15日北朝鮮の核開発問題をめぐる6カ国協議で、日朝会談が行われ、北朝鮮の金桂冠外務次官は、何らかの形で軽水炉がなければ核放棄には応じられない」と主張。
 9月15日小泉純一郎首相は、ニューヨークの国連本部で、放射性物質や核爆弾の違法な所持、使用などを犯罪と規定した核テロ防止条約に署名。
 9月16日米ロ首脳がイラン問題で会談し、共同会見。ブッシュ大統領が、必要であれば制裁措置も視野に入れた国連安全保障理事会付託もあり得ることを示唆したのに対し、プーチン大統領は、イランの核兵器保有には反対だが問題解決のための外交的手段は出尽くしていないと述べ、意見の食い違いを見せる。
 9月16日IAEA(国際原子力機関)理事会の次期議長国を日本が務めることが16日までにほぼ固まる。議長国は世界を8地域に分け、各地域の代表が輪番制で務める。
 9月17日核燃料サイクル開発機構は、鳥取県湯梨浜町に放置してあったウラン残土290立方メートルの搬出作業を終了した。残土は、552個の袋に入れられた上で金属容器に入れ、10月上旬に神戸港から海上輸送し、米国ユタ州の民間製錬会社で処理される。
 9月17日イランのアフマディネジャド大統領は、国連総会一般で演説し、核保有国と非核国の差別構造を非難し、核燃料サイクルの構築は奪うことのできないイランの権利だと述べ、ウラン濃縮計画を推進する考えを表明。
 9月18日町村信孝外相とイランのモッタキ外相がニューヨーク市内で会談し、モッタキ外相は、イランの核開発問題をめぐって国連安保理付託の動きがあることについて、「イランは脅迫による外交を恐れてはいない」と批判。町村外相はウラン濃縮関連活動再開について活動停止と英仏独3カ国との交渉再開を要求。
 9月19日北朝鮮の核開発問題をめぐる第4回6か国協議は、北朝鮮がすべての核兵器と現存する核計画の廃棄を約束する、核拡散防止条約と国際原子力機関の保障措置(査察)協定に早期に復帰することを約束するとし、北朝鮮への軽水炉の提供を適当な時期に議論するとした内容の共同声明を採択して終了。また11月初旬に再び北京に集まり、第5回目となる協議を開催することで合意した。これを受けて、IAEA(国際原子力機関)のエルバラダイ事務局長は、6カ国協議が合意したことを歓迎する声明を発表し、「北朝鮮当局と連絡を取る」と述べる。
 9月19日IAEA(国際原子力機関)理事会が、イランウラン濃縮問題とその国連安全保障理事会付託に関する議題で開幕。
 9月20日北朝鮮外務省は、6カ国協議での共同声明採択に関し、米国が北朝鮮に軽水炉を提供すれば、核拡散防止条約に復帰しIAEAと保障協定(査察)を締結し履行する、との立場を表明し、米国が核兵器放棄優先・軽水炉後回しの主張に固執するなら、その結果は極めて深刻なものになると声明。前日採択された共同声明では、すべての核放棄と軽水炉議論については、順序には触れず「適当な時期」に軽水炉建設問題を議論するとしていた。
 9月26日アラン・ビュガ仏原子力庁長官は、七条明・副内閣相と会談し、日本が2008年2月の運転再開を計画している高速増殖炉原型炉「もんじゅ」の共同利用を提案し、日本側に検討を求める。フランスは高速増殖炉実証炉の「スーパーフェニックス」と同原型炉の「フェニックス」の廃止を決めたが、高速増殖炉の研究開発を継続する考えでいることと、ITER(国際熱核融合実験炉)で日本が譲歩したことで、より関係を強化したいのが狙いとみられる。
 9月26日イラン外務省は、同国の核問題を国連安全保障理事会に付託する可能性があると警告したIAEA(国際原子力機関)理事会決議について「見直されない場合はIAEA追加議定書の暫定適用などすべての譲歩を破棄するほか選択肢はない」と反発する声明を発表。同国国営テレビが伝える。
 9月27日IAEA(国際原子力機関)は、ウランやプルトニウムなどの核物質やダーティーボムの製造にも利用できるコバルト等の放射性物質の違法取引報告書を発表。それによれば、2004年にIAEAに報告があった違法取引は121件で、2000年以来4年ぶりに増加に転じている。
 9月27日国外からの申請でも被爆者健康管理手当などの支給を認めるべきだとした福岡高裁判決を受け、尾辻厚生労働相は閣議後の会見で、上告についてはできるだけ早く、私の気持ちとしては1週間くらいで結論を出したいと述べ、国外からの申請方法についても外務省と検討していることを明らかにする。
10月 1日日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構が統合し、独立行政法人日本原子力研究開発機構が発足。
10月 3日日本原燃は、青森県六ヶ所村の使用済み核燃料再処理工場の分析建屋で、内部の空気が外に出ないよう気圧を低く保つ換気装置が停止したと発表。同工場内で同様のトラブルは4回目。
10月 3日米国のラドメーカー国務次官補(軍備管理担当)は、国連総会第一委員会(軍縮委員会)で、「いかなる政府もイランに新たな核燃料や技術を供給するべきでなく、イランは現在進行中の核関連計画をすべて凍結すべきだ」と演説し、暗に原子力発電所建設でイランに協力しているロシアを批判。これに対し、ロシアの原発当局者は、イランへの協力を継続するとメディアに語る。
10月 3日米国が対ロ支援横領容疑で指名手配し、スイスで身柄を拘束されていたロシアのアダモフ前原子力相について、スイス司法当局は、米国の要請に基づいて身柄を米国に移送する決定を下した。理由として、身柄を米国に移しても将来的にロシアへの帰国は可能だが、ロシア行きを認めれば米国への移送は実現しないからとしている。
10月 3日インドのシン外相とパキスタンのカスリ外相は、パキスタンのイスラマバードで会談し、弾道ミサイル発射実験の事前通告協定に調印。
10月 4日ブッシュ政権が8月末に議会に提出した、軍備管理・軍縮条約の履行状況についての報告書で、ロシアが大陸間弾道ミサイルの削減を検証する米査察チームの作業を妨害するなど、米ロ核軍縮条約が定めた義務を履行しておらず、第1次戦略兵器削減条約(START1)に違反すると指摘していることが判明。
10月 7日ノルウェーのノーベル賞委員会は、今年のノーベル平和賞を国際原子力機関(IAEA)とムハンマド・エルバラダイ事務局長に授与すると発表。
10月 7日北朝鮮の朴吉淵国連大使は、国連総会第一委員会で演説し、米国に対し、軽水炉をできるだけ早く供与するよう求める。
10月 8日英紙ガーディアンは、英情報局保安部(MI5)の調査で、核兵器など大量破壊兵器に使用される機器や技術を調達した企業や大学などの組織が、中東と南アジア地域で360以上に達することが明らかになったと報道。
10月 9日韓国与党ウリ党の崔星議員は、1958−91年にかけて米軍が韓国内に配備していた核兵器について、計16カ所の在韓米軍施設に配置されていたことを示す米国防総省などの資料を入手したと発表。そのうち14カ所には「核兵器事故対策チーム」を配備していたという。
10月11日青森県は、国際熱核融合実験炉(ITER)誘致推進本部会議を開き、三村知事が同計画関連4施設の同県六ケ所村への受け入れを決定。計画の本体施設はフランスに建設されることが決まっている。
10月12日日本政府は、国連総会第1委員会(軍縮)に核軍縮決議案「核兵器の全面的廃絶に向けた新たな決意」を提出。米露の戦略核兵器を3分の1にするモスクワ条約を上回る廃棄を求める内容。
10月12日核兵器原料の生産禁止を目指す「兵器用核分裂物質生産禁止(カットオフ)条約」など、4つの軍縮テーマに関する特別委員会設置を求める国連総会決議案を検討していたメキシコなど6カ国は、核保有国の圧力により採択に必要な支持が集まらなかったとして、今期総会への決議案提出を断念すると発表。
10月13日米国防総省の国防大学国家戦略研究所は、イランの核開発問題で、米国は核兵器を保有したイランと共存する以外の選択肢はほとんどなく、経済制裁などの強硬策は困難だとする報告書を発表。
10月16日ブッシュ米政権が求めている新型核研究事業について、野党民主党が条件付きで反対しない方針に転換、議会で予算計上されエネルギー省が本格着手する見通しとなる。この計画では、既存の老朽化した核兵器を2040年までに総入れ替えする。
10月18日文部科学省は、国際熱核融合実験炉(ITER)計画で新たに設立するITER機構の機構長に、駐クロアチア大使で元科学技術庁科学審議官の池田要氏を推薦することに決定。実験参加国は、施設をフランスに置く代わりに、機構長を日本から出すことで大筋同意している。
10月20日米政権は、インドに対し、民生分野で原子力協力の方針を打ち出す一方、プルトニウムなど核兵器の原料となる核物質の製造を制限するよう要求していることが明らかになる。
10月21日ウィーンで開かれた原子力供給国グループ(NSG、45カ国)の実務者協議で、米政府の求めたインドへの原子力関連技術輸出禁止措置の「例外扱い」措置について合意に至らず。インドはNPT未加盟でNSGでは核物質輸出対象に認めていないが、米政府はインドに民生原子力技術供与を決めている。
10月26日ブッシュ政権が開発を進めている「強力地中貫通型核」について、2006会計年度の予算計上を断念したと議会に通告。
10月26日国連総会第一委員会(軍縮)は、日本が12日に提出した核軍縮決議案「核兵器の全面的廃絶に向けた新たな決意」を賛成166、反対2、棄権7で採択。日本は1994年以来、毎年提出しているが、今回は過去最多の支持票を得ている。
10月28日政府は閣議で、日本有事における国や自治体の役割を定めた国民保護法に基づき、省庁など「指定行政機関」ごとの対応策を定めた国民保護計画を決定。この中で、核攻撃時に、警察などの汚染範囲の特定、気象庁による大気モニタリング、厚生労働省による避難住民再就職支援、文部科学省などの避難先での教育機会の確保などが明記される。
10月28日胡錦濤・中国国家主席が北朝鮮を公式訪問。平壌で金正日総書記と会談し、六カ国協議についても話し合う。金総書記は協議参加を表明。しかし細かい点で意見の相違も、
10月28日米海軍は、神奈川県の米軍横須賀基地を母港としている空母「キティホーク」が2008年に退役し、後継艦としてニミッツ級の原子力空母を配備すると発表。
10月28日町村外相とライス米国務長官が、米国務省で会談。6カ国協議についての対応で、町村外相は経済問題も併せて話し合うべきだという見解を示し、ライス国務長官は、日米韓の協力の重要性を指摘。
10月28日日本政府は、武力攻撃事態に備え、机上で行う図上防災訓練を首相官邸の危機管理センターなどで実施。
10月30日ニュージーランド紙ドミニオン・ポストは、1990年代半ばまでフランスが核実験を行っていた南太平洋のムルロア環礁(フランス領ポリネシア)近くの島が、高レベルの放射能で汚染され、住民が相次いで治療を受けていると報道。
11月 1日米上院外交委員会のルーガー委員長とオバマ議員は、旧ソ連諸国の大量破壊兵器解体事業「ナン・ルーガー計画」を拡大し、携行型ミサイルなど旧ソ連以外の通常兵器の解体や保管強化にも適用する法案を提出。
11月 3日長崎に原爆が投下された際に、当時の長崎県知事らが詰めて、被害状況を政府に無線で伝えた長崎市立山県防空本部跡(立山防空壕)が、一般公開。
11月 3日ロシア原子力庁のアンティポフ副長官は、日露両国がロシア極東の退役原潜を新たに5隻解体することで合意する見通しになったことを明らかにする。
11月 4日ブッシュ政権が本年度予算で包括的核実験禁止条約(CTBT)機構への分担金の大幅削減を決定したことに対し、議会が次年度の分担金を昨年度以上とするよう増額勧告を行っていることが明らかになる。米国はCTBTを批准していない。
11月 7日国際熱核融合実験炉(ITER)の関係6カ国・地域(日米韓中露EU)は、ウィーンで次官級会合を開き、インドの新規加盟問題を協議。各国ともインド加盟に前向きな姿勢を示し、インドに対して文書で正式に加盟を申請するよう求めることを決定。
11月 9日第5回六カ国協議が北京ではじまる。
11月 9日第5回6か国協議全体会合で、北朝鮮は核活動の凍結、既存の核兵器廃棄など4段階に分けて核放棄を実施するとの新提案を行う。1、核活動の凍結。2、既存の核兵器の廃棄。3、検証に基づく核兵器生産の放棄。4、核拡散防止条約(NPT)と国際原子力機関(IAEA)保障措置(核査察)への復帰という内容。日米は難色を示す。
11月 9日ドイツの情報機関、連邦情報局(BND)のハニング長官は、ARDテレビに対し、国際的テロリストグループのアルカイダが、が生物・化学兵器や放射性物質をばらまく「汚い爆弾」を作ろうとしている証拠が増えていると語る。
11月10日ニューヨーク・タイムズは、米英仏独がイランの核開発問題でイランに新提案をする方針を固めたと報道。具体的には、核兵器開発につながるウラン濃縮の前段階のウラン転換を容認する一方、ウラン濃縮はロシアに委託するというもの。
11月11日ヒル米国務次官補は、6カ国協議開催中の3日間は核プログラムを凍結するとの北朝鮮側の申し出を拒否し、完全な核プログラムの断念しか受け入れられないとの立場を表明。
11月11日第5回六カ国協議はほとんど進展無く閉幕。
11月13日米紙ニューヨーク・タイムズは、米欧当局者の話として、米国が2004年半ばにイラン国内の協力者から核弾頭の研究開発のデータが入ったノート型パソコンを入手していたと報道。パソコンには核弾頭の起爆装置や核実験のシミュレーションのデータが保存されており、米政府はIAEA(国際原子力機関)にもこの情報を異端の核開発の証拠として示したという。
11月17日防衛庁が研究中の航空機搭載型の赤外線センサー・システム(通称「エアボス」)を、ハワイで行われた米ミサイル防衛庁による弾道ミサイル迎撃実験にあわせて、弾道ミサイルを探知・追尾する実験を行い成功。
11月18日横須賀基地に配備されている通常型空母「キティホーク」の後継艦の原子力空母について、米海軍が空母「ジョージ・ワシントン」を選択したと複数の米欧メディアが報道。「ジョージ・ワシントン」が所属するノーフォーク基地の地元紙などは、後継艦の選定に当たり、日本への原爆投下を決定した米大統領と同名の空母「ハリー・トルーマン」や、太平洋戦争で日本軍との戦闘を主導した米提督の名を冠した空母「ニミッツ」などは、日本の感情に配慮して選定対象から外したと報じた。
11月20日中国訪問中のブッシュ米大統領は、胡錦濤中国国家主席と人民大会堂で約1時間半会談。北朝鮮の核問題について6カ国協議の共同声明の履行が必要との認識で一致。
11月22日日本、米国、韓国、欧州連合は、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)公式理事会で、KEDOによる北朝鮮での軽水炉建設事業を廃止することで原則合意。
11月25日ポーランドのシコルスキ国防相は、冷戦時代に西側のNATO(北大西洋条約機構)と対峙(たいじ)した東側組織、ワルシャワ条約機構が、NATOの核攻撃を受けた場合にブリュッセルなどを核兵器で反撃することを計画していたと明らかにする。
11月25日東北電力の調査で、宮城県沖で発生が想定されているマグニチュード8クラスの地震が起きた場合、東北電力女川原子力発電所で、主蒸気配管などに変形被害が発生する可能性のあることが明らかになる。
11月26日アメリカのニクソン政権が1970年代、数千発の核弾頭で中ソ両国に壊滅的な打撃を与える「単一統合作戦計画(SIOP)」の実効性に疑念を抱き、より実現性の高い、限定的な核兵器使用の選択肢を模索していた経過が、解禁された米公文書から判明。この頃、ソ連との緊張緩和や、中国との関係正常化が試みられていた。
11月27日福井県美浜町の関西電力美浜原子力発電所周辺で、国民保護法に基づき、他国からの武力攻撃や大規模テロに備えて住民が実際に避難する全国初の実動訓練が行われる。
12月 1日米ニューメキシコ州の核兵器開発拠点ロスアラモス国立研究所で、過去50年間に約300キロの兵器級プルトニウムの所在が不明になっている可能性があるとの報告書を米民間研究機関が発表し、米エネルギー省に通知。長崎型原爆約50個分に相当する量と言われる。
12月 2日米海軍は、神奈川県の米軍横須賀基地を母港とする空母「キティホーク」の後継艦として、ニミッツ級原子力空母「ジョージ・ワシントン」を配備すると正式に発表。配備は2008年を予定。
12月 2日韓国政府は、ベトナム戦争(1960−75年)への韓国軍派兵に関する外交文書を公開し、この中で米国政府が60年代後半から、韓国に対し核拡散防止条約(NPT)への加盟を強く促していたことが明らかになる。これはベトナム戦争へ韓国軍を派遣した場合、韓国政府が兵力減少の代わりに北朝鮮の挑発に備えて核兵器を開発するという懸念が米国政府内にあったためと見られる。
12月 2日ロシアのインタファクス通信は、国防産業筋の話として、ロシアがイランに対し、対空ミサイルシステム「TORM1」約30基を売却する契約(総額10億ドル(約1200億円)以上)が、11月末に調印されたと報道。
12月 4日米国とカナダの防衛を担当する北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)が11月に「核、ミサイル開発を続ける北東アジアの国」による米国への中距離弾道ミサイル(IRBM)攻撃を想定して、演習を実施していたことが明らかになる。
12月 4日ロシアのラブロフ外相は、シュタインマイヤー・ドイツ外相との会談後に、イランの核問題でウラン濃縮をロシアで行うという妥協案で解決を図ることに強い期待を示す。
12月15日ロシアのサンクトペテルブルク郊外にあるレニングラード原子力発電所付近の低レベル放射性金属廃棄物を処理するための溶解炉で爆発。溶けた金属が飛び散り、作業員1人が死亡、2人が重度のやけどを負う。溶解炉は原子炉から1kmのところにあり、影響はないという。
12月24日政府は安全保障会議と臨時閣議で、ミサイル防衛(MD)システムのうち、日米で共同技術研究した次世代型迎撃ミサイル(イージス艦に搭載するSM3の能力向上型)について、来年度から共同開発に移行することを正式決定。2015年に生産を開始する予定。
12月29日スイス最高裁が、スイスで拘置中のアダモフ元ロシア原子力相をロシアに送還する決定を下す。元原子力相は米国の国際手配に基づき拘束されていたが、核に関する機密情報を知っているため、ロシアが反発し、自国への身柄引き渡しを求めていた。身柄引き渡しの理由として、元原子力相がロシア国籍であることなどを挙げている。
12月29日中国からパキスタンへ向けて輸出されたチャシュマ原子力発電所2号機のプラント工事が開始。同発電所は首都イスラマバード南西に位置する。

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