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核・原子力関連年表10A(2007年1月〜7月)

 
2007年
 
 1月 1日北朝鮮の労働党機関紙・労働新聞など3紙は、新年共同社説を掲載し、その中で「核抑止力を有することになったのは民族史的慶事であった」して「核保有国」を改めて示した。
 1月 4日米ABCテレビは、国防総省高官の情報として、北朝鮮が新たな核実験を準備しているもようだと報道。同高官は、北朝鮮は事前警告なしに核実験を行う準備を進めていると指摘。北朝鮮の動きは昨年10月9日の最初の核実験前に見られた動きと類似していると述べた。
 1月 7日英紙サンデー・タイムズは、イスラエル軍筋の話として、イスラエル軍が、核開発を進めているイランに対し、同国中部ナタンツのウラン濃縮施設、イスファハンのウラン転換施設、アラクの重水炉などを、通常爆弾や地下貫通型の戦術核兵器で攻撃する計画を作成したと報道。
 1月 7日2004年に起こった関西電力美浜原子力発電所3号機配管破損事故で、福井県警敦賀署の捜査本部は、安全管理の最高責任者だった関電若狭支社の当時の支社長(現・原子力事業本部副事業本部長)や、現場の補修担当者ら計約10人を業務上過失致死傷容疑で、書類送検する方針を決定。
 1月 7日日米両政府は、米国の原子力発電所の建設促進を共同で資金支援することに基本合意した。具体的には、建設資金の80%を米政府による債務保証とし、20%を日本の貿易保険を適用する形とする。原子力技術は日米仏の企業連合に集約しているため、日米双方の技術協力が必要なためと見られる。
 1月 8日ペルシャ湾のホルムズ海峡付近で日本船籍の原油タンカー「最上川」と米海軍の原子力潜水艦「ニューポート・ニューズ」が接触事故を起こす。潜航中だった原潜がタンカーに接近して接触したものと見られる。死傷者はなし。
 1月 9日気象庁は、北朝鮮による地下核実験の際、地震波の分析が遅れたことから、長野県にある「精密地震観測室」に、高感度地震計を設置して、地震の監視機能の強化を図ることを決定。
 1月 9日日本政府は、核兵器を保有するインドに対し、民生用原子力利用への協力として、日本企業が原子力発電所建設などに参入することを容認する方針を決定。すでにアメリカが、民生用原子力利用支援やインドの核保有容認を盛り込んだ米印原子力協力協定を結んでいる。これまで日本は、核拡散防止条約(NPT)体制堅持を掲げていたが、はじめての例外措置になる。
 1月 9日財団法人レーザー技術総合研究所と兵庫県立大学は、ヨウ素にガンマ線ビームを当てて効率よく別の物質に変える核変換に成功したと発表。同研究所によれば、処理が難しい放射性ヨウ素を無害化でき、放射性廃棄物の処理方法として実用化できる可能性もあるという。
 1月10日東京電力の各原子力発電所で、冷却用海水の温度データが改竄されていることが相次いで発覚。福島第1原子力発電所1号機、柏崎刈羽原子力発電所1、4号機に続き、福島第1発電所4号機でも改竄があったと発表。
 1月10日2004年8月に配管が破損して5人が死亡、6人が負傷した事故以来、運転を停止していた関西電力美浜原子力発電所3号機で、2年5か月ぶりに原子炉を起動。しかし、中性子を吸収し核分裂を制御するホウ素の設定濃度が高すぎたため、核分裂反応が連鎖的に起こる臨界に達せず、同夜、制御棒を抜く作業をやり直す。
 1月11日中国は、四川省西昌市にある宇宙センター付近から発射された弾道ミサイルの弾頭で、軌道上の人工衛星の破壊実験を実施。実験は成功するも、大量の破片が軌道上に拡がり各国が批判。
 1月11日元ロシア連邦保安庁(FSB)の中佐アレクサンドル・リトビネンコ氏が放射性物質ポロニウム210で毒殺された事件で、同氏がポロニウムを摂取したとみられる前後に同じロンドン・ミレニアムホテルに立ち寄った外国人旅行者の中に日本人5人も含まれていたことが、英健康保護庁の調査で判明。
 1月12日韓国の大韓貿易振興公社の中朝貿易動向調査で、北朝鮮が昨年10月に核実験を実施して以降も中国からの原油や肥料、食糧の輸出額が前年同期比で増加していたことが判明。
 1月12日元ロシア連邦保安庁(FSB)の中佐アレクサンドル・リトビネンコ氏が放射性物質ポロニウム210で毒殺された事件で、ハリウッドの俳優ジョニー・デップが、事件を題材にした映画をプロデュースすることになり、米映画会社ワーナー・ブラザースが、ニューヨーク・タイムズの記者が執筆した本の映画化権を取得。
 1月15日高知県東洋町の田嶋町長が昨年3月、原子力発電環境整備機構が公募している高レベル放射性廃棄物最終処分施設の建設地調査に、独断で応募書を提出していたことが明らかになる。町長は「財源が得られると知り応募した。当時は知識が乏しく、軽率だった」と弁明。
 1月15日イランのアハマディネジャド大統領は、ナタンツにあるウラン濃縮施設の拡張に「近いうちに少しずつ」着手する方針を示す。イラン政府はすでに、ナタンツの施設に遠心分離機3000個を設置して核燃料生産を可能にする計画を明らかにしている。
 1月16日米国防総省は、海軍が建造する次世代の新型原子力空母を第38代大統領にちなみ「ジェラルド・フォード」と命名すると発表。フォード元大統領は、昨年12月に死去。第2次世界大戦中、軽空母「モンテレー」の乗組員だったこともある。就役は2014年。
 1月17日東京電力は、福島第1原子力発電所2号機で、原子炉の起動操作中、炉心の非常用減圧装置の電源に漏電が起き、原子炉の手動停止操作を始めたと発表。
 1月18日クリントン前政権の国防長官で北朝鮮政策調整官をつとめたウィリアム・ペリー氏が、下院外交委員会で証言し、北朝鮮に核計画を完全に放棄させるのは「きわめて難しい」と述べた上で、中韓両国による経済封鎖の協力が得られない場合は、空爆による原子炉破壊も辞さない構えで北朝鮮との外交交渉に臨むべきだと主張。
 1月18日16日からドイツのベルリンで行われた米朝首席代表会談で、北朝鮮が核放棄に向けた「初期段階の措置」として、寧辺にある5000kw実験用黒鉛型原子炉を含む核施設の稼働を停止し、国際原子力機関(IAEA)の監視を受け入れる案が協議され、双方が歩み寄りを見せる。
 1月19日日立製作所は、北陸電力志賀原子力発電所2号機の設計図のコピーを、茨城県日立市の事業所から輸送中に紛失したと発表。テロ対策上、秘密保持が必要な情報は含まれていなかったという。
 1月24日英紙デイリー・テレグラフは、欧州防衛当局者の話として、北朝鮮がイランの地下核実験の準備を支援していると報道。イランの地下核実験が今年中に行われ、衛星による探知が困難な山間部になると推測。
 1月24日日本原子力研究開発機構と高エネルギー加速器研究機構が、茨城県東海村に共同で建設を進めている世界最大級の陽子ビーム出力を目指す「大強度陽子加速器」(J―PARC)の直線加速器が、陽子を光速の50%まで加速させることに成功し、当初の目標を達成。直線加速器は2006年11月から稼働しており、つづいて2基の円形加速器を建設中。最大で光速99.98%まで加速できる。物質の構造解析に使われ、新素材の開発などに利用される。
 1月24日アメリカのメディアは、昨年夏に、兵器への転用が可能な高濃縮ウラン約100グラムをグルジアの首都トビリシに持ち込み、密売しようとしたロシア人が逮捕されていたと報道。
 1月25日米航空宇宙専門誌「アビエーションウィーク・アンド・スペーステクノロジー」の電子版は、イランが中距離弾道ミサイル「シャハブ3」を改良したとみられるロケットで、近く人工衛星を打ち上げる計画を、イラン国会の国家安全保障・外交委員会のアロオディン・ボルジェルディ委員長が演説で明らかにしたことを報道。
 1月26日高知県東洋町は、昨年3月に続き、再度、原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場の調査候補地に応募。応募自治体の中から、文献調査、概要調査、精密調査を経て、正式な候補地が決定するが、応募しているところは少ない。
 1月26日ワシントン・タイムズは、米国防総省ミサイル防衛局長のオベリング空軍中将が、イランのミサイル戦力拡充に対抗するため、ミサイル防衛のための基地を建設し、2011年か12年までにポーランドに迎撃ミサイル10基を配備し、チェコには迎撃用レーダーを設置する計画があることを明らかにしたと報道。
 1月26日ロイター通信は、兵器への転用が可能な高濃縮ウラン約100グラムをグルジアの首都トビリシに持ち込み、密売しようとしたロシア人が逮捕された事件で、ウランは西シベリアの研究都市ノボシビルスクから流出した可能性があると報道。
 1月28日韓国の聯合ニュースは、次回6カ国協議で、参加国は北朝鮮の核廃棄に向けた初期段階の措置について、5メガワットの実験用原子炉、燃料棒加工工場、放射化学実験室、建設中の50メガワットの原子炉と200メガワットの原子炉の5施設の閉鎖を確認する方向で進めていると報道。
 1月29日青森県の三村知事は、日本原燃が同県六ケ所村で実施している使用済み核燃料再処理工場の試運転について、現在の第2段階から第3段階へ進むことを了承。これを受け、同社は試験を開始。
 1月29日米原子力規制委員会(NRC)は、原子力発電所のテロ対策基準となる「設計基礎脅威」(DBT)の改訂版を発表。航空機によるテロについては、軍が対応するとして、特別な対策は盛り込まれず。
 1月29日フランスのシラク大統領は、米紙ニューヨーク・タイムズなど3紙のインタビューで、イランの核兵器について、「1個、2個の核保有はそれほど危険ではない」と指摘。サウジアラビアやエジプトの核武装を招くことが真の危険であると述べ、イスラエルを核攻撃すれば、報復で「テヘランは壊滅するだろう」と語る。
 1月30日中国電力は、定期検査中の島根原子力発電所1号機で26日に実施した高圧注水ポンプの試運転で、ポンプを駆動させるタービンの軸封部から微量の放射能を含む水約10リットルが漏れたと発表。環境への影響はないという。
 1月30日住友商事が、東芝傘下の米原子力発電大手ウェスチングハウスに出資する方向で東芝と交渉していることが明らかになる。現時点では、出資比率は東芝77%、ショー20%、IHI3%で、住友は5%前後を検討しているという。
 1月30日中国政府は、6カ国協議の再開日を2月8日とする旨を参加国へ通知。進展の無かった12月以来となる。
 1月30日フランスのシラク大統領、ニューヨークタイムスなどとの会見で、イランの核に関してサウジやエジプトの核武装について言及した部分を撤回。
 1月31日東京電力は、福島第一、福島第二、柏崎刈羽の3原子力発電所の原子炉全17基のうち13基について、国による定期検査の際に、延べ199件のデータ改竄などの不正行為があったことを明らかにする。
 2月 1日経済産業省原子力安全・保安院は、東京電力の原子力発電所で延べ199件のデータ改ざんが見つかった問題で、東京電力に対し、不正行為に至った詳細な経緯と再発防止策などを追加して報告するよう指示
 2月 2日イランのナタンツにある原子力施設の、遠心分離器3000基を設置している地下施設に、IAEAが監視カメラを付けようとして、イラン側が拒否したという報道が流れ、イラン国営通信は消息筋の話として、これを否定。カメラは設置されたと報道。
 2月 4日読売新聞は、北朝鮮が、寧辺にある実験用原子炉をはじめとする核施設の稼働停止などの見返りとして、年間50万トンを上回る重油の供給と、米国による経済制裁撤廃の確約を求めていることを、北朝鮮を訪問した元米国務省ジョエル・ウィット北朝鮮担当官の話として報道。
 2月 4日ニューヨーク・タイムズは、米情報当局が、イランの核開発について、技術的問題が多く、核兵器製造まで最低4年はかかると推定していると報道。また、専門家の意見として、ウラン濃縮用の遠心分離器の設置についても、国内の政権批判を抑えるための対米政策を強調する政治的要素が強いとも伝える。
 2月 6日被爆者援護法に基づく健康管理手当の支給を、時効を理由に拒否されたブラジル在住の日本人被爆者3人が、広島県に未受給分約290万円の支払いを求めた訴訟で、最高裁第3小法廷は、「被爆者が訴訟提起などの権利を容易に行使出来たような場合を除けば、行政による時効の主張は原則として信義則に反して許されない」という初めての判断により県側の上告を棄却。
 2月 8日北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議が、北京の釣魚台迎賓館で約1カ月半ぶりに再開。
 2月 8日巨大な粒子加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の計画を検討している研究者らの国際委員会は、北京で会合を開き、ILC建設費は約7780億円とする初の基本設計案を決定。建設予定地はまだ決まっていない。
 2月 8日電気事業連合会の試算で、全国55基の原子力発電所が将来運転を停止した際に必要となる廃止措置費用の積み立てが、現状のままでは約3300億円不足することが判明。国の制度改正によって、放射性廃棄物の定義が変更され、総量が増加したことが要因。
 2月 9日日本原子力研究開発機構が、福井県敦賀市にある、新型転換炉「ふげん」の原子炉補助建屋で行ったコンクリートの劣化調査で、壁面を抜き取った6カ所のうち5カ所の強度が設計基準を満たしていないことが判明。「ふげん」は2003年に運転を終了している。
 2月 9日スペイン・セビリアで開かれた北大西洋条約機構(NATO)非公式国防相理事会で、米国が弾道ミサイル防衛システムとして、チェコにミサイルレーダー追尾システム、ポーランドに迎撃ミサイル発射施設を建設予定であることについて協議し、NATOとして配備を支援する原則を確認。ロシアはこれに反発。
 2月 9日在沖縄米陸軍は米軍嘉手納基地に配備された最新鋭の迎撃ミサイル「PAC3」を公開。
 2月 9日国際原子力機関(IAEA)は、イランの核開発問題に関する報告書を公表、同国に対する技術協力プロジェクト55件のうち、22件について、一部または全面的凍結を決めたことを明らかにする。
 2月11日日本政府は、6カ国協議で焦点となっている北朝鮮への「見返り支援」について、北朝鮮国内のエネルギー需要調査など「間接協力」に応じる方針を固める。拉致問題での進展が見込めないため、直接の資金負担には応じない代わりに間接的な形で各国と足並みをそろえる方針。
 2月12日米誌ニューズウィークは、イランが対艦ミサイルの試射を行ったことを受けて、イランへの牽制を強めるため、空母「ジョン・C・ステニス」に続き、さらに空母1隻をペルシャ湾に派遣する可能性があると報道。
 2月13日6カ国協議で、北朝鮮が核関連施設の閉鎖を行う、5カ国が北朝鮮に二段階に分けて重油計100万tに相当する資金支援を行う、課題ごとに5つの作業部会を設置し開催する、で大筋合意。
 2月13日英紙フィナンシャル・タイムズは、欧州連合が、イランの核開発問題で、同国の核兵器保有を阻止するのは困難であり、外交交渉による解決に懐疑的な分析意見を、内部文書の形でまとめたと報道。
 2月13日北朝鮮の朝鮮中央通信は、6か国協議での共同文書採択を伝え、第1段階の措置として核施設を「臨時中止」することにより、100万トン分のエネルギー支援が得られると報道。しかし実際の合意は、活動の停止で5万tの重油を、閉鎖で95万tを支援するとなっている。
 2月14日米海軍横須賀基地に原子力空母を配備する計画で横須賀港内の浚渫工事の中止を国と横須賀市に求め、地元の漁業者3人が、横須賀簡易裁判所に民事調停を申し立てる。
 2月16日関西電力は、定期検査中の美浜原子力発電所1号機で、電気事業法に基づく検査を受けないまま、緊急炉心冷却装置(ECCS)の付属配管(放射線の量を調べる細管)2か所の溶接工事をしていたと発表。経済産業省原子力安全・保安院は同法に違反する疑いがあるとして、関電の全原子力発電所11基で同様の検査漏れがなかったかどうか調査するよう指示。
 2月20日英BBC放送電子版は、米国がイランを空爆する非常事態計画を策定しており、核兵器の開発が判明するか、米軍が攻撃されて空爆に踏み切った場合、標的はナタンツのウラン濃縮施設、イスファハン、アラク、南部ブシェールの核関連施設にとどまらず、大半の軍事施設も攻撃対象になると報道。
 2月21日東京電力柏崎刈羽原子力発電所5号機で、定期検査中に作業に使う換気用の送風機のフィルターから発煙。作業員の消火活動ですぐに煙は収まり、原子炉や外部環境への影響はなし。
 2月21日北朝鮮を訪問した米科学国際安全保障研究所(ISIS)のオルブライト所長は、自由アジア放送(RFA)のインタビューに対し、金桂寛外務次官が、北朝鮮は弾頭ミサイルに核弾頭を搭載する技術を有したことを強く示唆したことを明らかにする。
 2月22日IAEA(国際原子力機関)が、イランのウラン濃縮活動拡大の事務局長報告を発表。これを受けて、米国務省のニコラス・バーンズ次官は、国連安全保障理事会の常任理事国5か国とドイツを加えた6か国で、26日に、ロンドンで高官会合を開くことを表明。同日、ライス米国務長官は、ベルリンでドイツ・ロシアの外相と会談。フランスのドラサブリエール国連大使は、安保理の他のメンバーに対し、追加制裁決議を採択する必要性を強調。ロシアのチュルキン国連大使はは米仏のこの動きを牽制。
 2月28日3月19日の次回6か国協議に先立ち、北京で開催される見込みの「朝鮮半島非核化」に関する作業部会で、高濃縮ウラン疑について取り上げる際に、特別グループを作業部会内に設置し、集中的に協議することになったことを米国関係者が明らかにする。北朝鮮もこの特別グループ設置に同意。
 2月28日平壌で開催された第20回南北閣僚級会談で北朝鮮首席代表の権浩雄内閣責任参事は、基調演説で「ミサイル発射は主権国家の合法的権利だ」との主張を繰り返し、韓国に対し「外圧に同調している」と批判。
 3月 1日東京電力は原子力発電所のデータ改ざん問題で、28日に判明した分も含め、1985年から2001年にかけて計9件の隠蔽工作や改竄が行われたことを、経済産業省原子力安全・保安院に報告。
 3月 4日米本土を攻撃可能な中国の新型ミサイル原子力潜水艦「晋級」が、5隻体制での運用を目指していることが、米海軍情報部の分析で明らかになったと、米主要各紙が報道。晋級は2004年に一番艦が進水した新型で、射程約8000kmの新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「巨浪2型」を搭載。
 3月 8日IAEA(国際原子力機関)は、国連安全保障理事会の要求を無視して、ウラン濃縮関連活動を続けるイランへの原子力技術支援55件のうち、10件を全面凍結、12件を一部凍結することを承認し、閉幕。
 3月12日リビアの国営ジャマヒリヤ通信は、リビアが核兵器など大量破壊兵器開発を放棄する見返りとしてアメリカとの間で行われる原子力平和利用協力は、リビアで初めての「原子力発電所建設計画」も含まれていると報道。一方、アメリカは、原子力計画に関与してはいない、医療などの分野に限定したものだと、これを否定。
 3月12日イラン中央銀行は、原子力の象徴である「原子核の周りを電子が回る図」をあしらった新紙幣5万リアル(約650円)札の流通を開始。
 3月17日麻生外相は、京都市内で会見し、北朝鮮のウラン濃縮による核開発問題の是非が取りざたされていることについて、高濃縮ウランは、北朝鮮が6か国協議の共同文書に基づき申告するすべての核開発計画のリストに含まれるとの主旨を述べて、不問にすることはないとの立場を明確にする。
 3月17日北陸電力志賀原子力発電所で、1999年に臨界事故が起こっていたことを隠蔽していた問題で、当時の詳細が判明。それによれば、1999年6月18日午前2時11分、制御棒が原子炉から抜けて降下し、その後、原子炉が15分間に渡って臨界状態になり、センサーが異常を感知して12回にわたって警報が鳴ったため、作業員らがこの間、手動で制御棒の再挿入を試みたが失敗したという。
 3月18日韓国の通信社・聯合ニュースは、6カ国協議の合意に基づき「初期段階措置」として稼働停止・封印する北朝鮮の核施設について、寧辺の5000キロワット実験用黒鉛減速炉など5カ所を対象にすることで、北朝鮮とIAEA(国際原子力機関)が原則合意していたと報道。
 3月20日ニューヨーク・タイムズ電子版は、ロシアのイワノフ安全保障会議書記がモスクワでイランの最高安全保障委員会事務局次長に対し、国連安全保障理事会が要請しているウラン濃縮活動の停止に応じなければ、完成間近のブシェール原子力発電所への核燃料供給を見合わせると「最後通告」したと報道。しかし、ロシアのチュルキン国連大使は報道を全面否定。これには原子力発電所建設費用の支払いが遅延していることも含まれているという。
 3月20日北陸電力志賀原子力発電所で制御棒が落下し、臨界事故が起きていたのを隠蔽していた問題で、東北電力女川原子力発電所、中部電力浜岡原子力発電所でも、制御棒が複数抜け落ちる事故が起こっていたことが発覚。法的報告義務があったのは志賀原子力発電所の例のみだが、事故は共通しており、電力各社は会合で報告しなかったうえに、メーカーも問題を知りながら他社に伝えなかったという。
 3月21日北陸電力志賀原子力発電所1号機の臨界事故隠蔽問題で、事故直後に発電所所長が「緊急会合」を開き、臨界状態となったことを示すモニター記録を「誤信号だった」として、「点検のために故意に異常な信号を流したために記録された」ことにすると決め、報告はしないことを指示し口裏を合わせていたことが明らかになる。
 3月22日原子力発電所の臨界事故隠蔽問題で、東京電力福島第1原子力発電所3号機でも、定期検査中だった1978年11月2日に、原子炉から制御棒5本が脱落し、臨界事故が起きていた可能性が高いことが明らかになる。
 3月22日北京の北京の釣魚台国賓館で行われていた6カ国協議は、北朝鮮がマカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」で凍結されている北朝鮮資金約2500万ドルが中国銀行の北朝鮮口座に送金されていないことから、討議を拒否する姿勢を崩さなかったため、首席代表会合を開いて休会入りを決定。
 3月24日北陸電力志賀原子力発電所1号機の臨界事故隠蔽問題で、事故直後に行われた隠蔽工作の「緊急会議」で、同発電所の安全管理を監督していた「原子炉主任技術者」の次長も参加し、事故がなかったとの内容になっている「引継日誌」の決裁欄に押印していたことが判明。原子炉主任技術者は、原子炉等規制法で「誠実な職務遂行」を義務づけられており、原子力安全・保安院は「事実なら、法令に照らした処分も検討しなければならない」としている。
 3月25日北陸電力は、運転停止中の志賀原子力発電所1号機の原子炉建屋4階にある使用済み核燃料の貯蔵プールで、能登半島地震による揺れのため、放射能を帯びた水約45リットル(放射能量750万ベクレル相当)が貯蔵プール周辺に飛散し、そのうちシート外のコンクリートには8リットル(同約130万ベクレル相当)が飛散したと発表した。原子炉等規制法などは放射能量370万ベクレル以上がシート外に漏れた場合は、国へ報告しなければならない。
 3月27日米国防総省は、ペルシャ湾で空母ステニス戦闘群と空母アイゼンハワー戦闘群の2個空母戦闘群による艦船15隻、兵員1万人が参加する大規模演習が始まったことを発表。
 3月28日経済産業省資源エネルギー庁は、全国の原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場の立地問題で、原子力発電環境整備機構が提出していた高知県東洋町での立地調査計画を認可。
 3月28日韓国紙、中央日報は韓国国防関係者の話として、訪韓中のマイケル・ヘイデン米中央情報局長官が27日、金章洙国防相との会談で、「米国は北朝鮮を核保有国と認めない。昨年の核実験が失敗したからだ」と述べた、と報道。
 3月30日電力会社12社は、発電所をめぐる過去のデータ改ざんや法手続き違反などの総点検結果を経済産業省原子力安全・保安院に報告。この中で、新たに、東京電力福島第1原子力発電所で1984年10月、作業員が原子炉格納容器内で検査中に、核分裂反応が連鎖的に続く臨界が発生し炉が緊急停止した事故が起こっていたが、これも隠蔽していたことが明らかにされた。また、1978年に起こった福島第一原子力発電所3号機の事故は、残されていたデータなどから、臨界事故が起こっていたと結論づけた。他にも、日本原子力発電が1997年、定期点検中の敦賀原子力発電所2号機で、国が実施した原子炉格納容器の密閉性を確かめる試験の際に、所員が問題箇所を応急処置でごまかしていたことも判明。
 3月30日弾道ミサイルを地上で迎撃する地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)が、航空自衛隊入間基地に搬入される。自衛隊基地の配備は初。
 3月30日米国防総省は、ニミッツ級原子力空母「カールビンソン」の母港を2010年初頭までに、米東海岸のバージニア州ニューポートニューズから、米西海岸のカリフォルニア州サンディエゴに移すと発表。11隻ある米空母の内、6隻(「ニミッツ」「ロナルド・レーガン」「エーブラハム・リンカーン」「ジョン・ステニス」と横須賀に「キティホーク(もしくは「ジョージ・ワシントン」)」)が太平洋側へ配備されることになる。
 4月 3日東京電力は、福島第1原子力発電所5号機の簡易型放射線計測器1台に設定ミスがあり、作業員の汚染の程度を実際の100分の1で測定する状態になっていたと発表。
 4月 9日青森県むつ市で計画されている使用済み核燃料中間貯蔵施設について、建設に当たる「リサイクル燃料貯蔵」は、2008年3月に用地造成や専用道路整備などの準備工事に着手する予定を発表。準備工事は約1年で、操業開始は2010年12月予定。
 4月 9日イランのアフマディネジャド大統領は、同国中部のナタンツ核関連施設で開かれた式典で演説し、同国のウラン濃縮技術が「産業規模の段階に入った」と言明。ラリジャニ最高安全保障委員会事務局長も「国際社会がさらにイランに圧力を加えるならNPT(核拡散防止条約)から脱退する」と警告。米国はこの発言を批判。
 4月10日中国の温家宝首相は、韓国を訪問し、盧武鉉大統領と会談。両首脳は北朝鮮の核兵器開発問題の平和的解決に向けた連携で一致。両海軍空軍部隊間のホットライン設置など軍事協力などの関係強化で合意。
 4月10日韓国軍は、独自に北朝鮮からの弾道ミサイルを迎撃できるミサイルや、電子機器を無力化する電磁パルス弾、高出力マイクロ波兵器の開発を進めていることを明らかにする。
 4月10日安倍首相と日本を公式訪問した中国の温家宝首相が、首相官邸で約1時間40分会談。北朝鮮の核兵器開発問題について連携を確認。
 4月12日東京にある武蔵工科大学が、文部科学省と経済産業省の進める「原子力人材育成プログラム」に応募して、来春開設予定の原子力安全工学科(大学院)に、青森県出身者(弘前大学、八戸工大出身者など)を受け入れ、修了後に青森県へUターンさせる計画を進めていることが明らかになる。また、八戸工業高等専門学校も、東北大学量子エネルギー材料科学国際センターと連携して人材育成する計画を推進。
 4月15日8日から11日まで北朝鮮を訪問していた、アメリカ・ニューメキシコ州のリチャードソン知事は、ABCテレビの番組で、北朝鮮がIAEA(国際原子力機関)の査察官を招請し、寧辺にある核施設の稼働停止・封印に向けた手続きを開始するとの見通しを示す。
 4月15日2月の6カ国協議で、北朝鮮が核施設の稼働停止・封印などの「初期段階の措置」を履行する60日期限が、履行のないままに期限切れとなる。
 4月16日IAEA(国際原子力機関)の査察官は、イランが中部ナタンツで進めている遠心分離器の設置に関して、164基を連結した「カスケード」を8組(計1312基)を設置し、ウラン濃縮を開始したことを確認。
 4月20日朝鮮中央通信は、北朝鮮の李済善原子力総局長が、IAEA(国際原子力機関)のエルバラダイ事務局長宛に書簡を送ったと報道。書簡の中で、核兵器開発に関する6カ国協議で合意された初期段階措置の履行については、その意思に変わりはないが、バンコデルタアジア(BDA)の北朝鮮関連資金が解決されていないため、行動できないと強調。
 4月24日日本原燃・六ヶ所再処理工場の燃料貯蔵プールの装置に耐震計算の誤りが見つかった問題で、同社は、青森県庁と六ヶ所村に対し、安全確保のため、使用済み核燃料の受け入れを一時中止する方針を説明。電力5社からの第一四半期分使用済み核燃料154tに相当すると見られる。装置の安全性について、国の確認が得られるまで継続の方針。11月に本格操業開始予定。
 4月24日山口県上関町に計画中の原子力発電所建設のため調査を行う予定だったボーリング台船が、反対派住民の抗議行動のために出港出来ず。
 4月24日在韓米軍のベル司令官は、上院軍事委員会の公聴会で、北朝鮮の核兵器開発問題に関する6カ国協議が行き詰まった場合、北朝鮮は2度目の核実験に踏み切るとの判断を示し、核開発の継続によって2010年までに中レベルの核保有国となると警告。
 4月28日中国電力島根原子力発電所で原子炉等規制法違反を含む不正・不適切事案が明らかになったことを受けて、松江市の松浦市長は、広島市にある中国電力本社の原子力部門を、松江市内へ移転し組織強化するよう申し入れる。
 5月 5日米国とロシアはポーランドとチェコへのミサイル防衛(MD)配備計画をめぐり、両国の外務・国防担当閣僚に安全保障担当閣僚も参加する「2プラス2」の会合を9月にも開くことで合意。
 5月 7日ソラナ欧州連合共通外交・安全保障上級代表は、国際社会の反発を無視してウラン濃縮を進めているイランについて、核問題をめぐる同国との協議は極めて困難との考えを示す。
 5月10日東京で3年半ぶりとなる第6回日韓安全保障対話が行われ、北朝鮮の核兵器開発放棄に向けた初期段階措置の履行に向けて両国が協力し合うことで合意。
 5月11日青森県六ケ所村の核燃料再処理工場のクレーンなど機器5基の耐震計算にミスがあり、しかもそれをメーカー(日立)の担当者が隠蔽していた問題で、日本原燃は、機器の耐震補強工事をすることを決め、経済産業省原子力安全・保安院に認可を申請。
 5月11日山口県上関町に計画中の原子力発電所建設のため調査を行うボーリング台船が現場海域に到着。反対派住民の抗議行動で平生町の田名埠頭からの出港が遅れていた。
 5月14日フランスのパリで開かれているエネルギー消費国26カ国で構成する国際エネルギー機関(IEA)閣僚理事会は、エネルギー安全保障などについて議論。加盟各国から化石燃料依存から脱却するため原子力発電を推進する意見が多数示される。これには産油国が、石油資源を武器に国際社会に圧力をかける動きが見られることも含まれている。
 5月14日1995年に起きた高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム漏出事故で、動力炉・核燃料開発事業団(現・日本原子力研究開発機構)で内部調査を担当していた総務部次長・西村成生さんが記者会見の翌日に自殺したのは、上司から記者会見でウソの発表をするよう強いられたのが原因などとして、遺族3人が、同機構に計約1億4800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が東京地裁であり、裁判長は「動燃が虚偽の事実の発表を強いたと認めることはできない」と述べ、動燃の事故隠しと自殺との因果関係を認めず、遺族の請求を棄却。
 5月15日日本原子力技術協会は、原子炉の制御棒が抜け落ちる事故が隠蔽されていたことが発覚した問題で、制御棒駆動装置の水圧の状態を原子力発電所の中央制御室に常に表示するなどの再発防止策を提言。
 5月15日東北電力は、2005年8月の宮城地震で停止し検査を行っている女川原子力発電所1号機で、発電に使用された水を再び原子炉に戻す設備の弁などから水漏れを発見した、と発表。地震の影響によるものではないとしており、外部への放射性物質の放出はなかったとしている。
 5月16日韓国の聯合ニュースは、4月25日に平壌で行われた北朝鮮の朝鮮人民軍創建75周年記念パレードで初公開された新型ミサイルについて、北朝鮮がイランで発射実験を行ったという情報を米韓の軍情報当局が入手し、事実かどうかの確認作業中であると報道。米側で「ムスダン」と呼ばれている射程2500〜4000kmの弾道ミサイルとみられ、これはロシアの潜水艦発射ミサイルSSN−6を改良したものと言われる。
 5月18日久間章生防衛相は衆議院安全保障委員会で、日本が武力攻撃を受けて防衛出動を発令した際に、攻撃国が日本に続いて米国に対して弾道ミサイルを発射した場合は、個別的自衛権の行使としてそのミサイルを迎撃できるとの認識を示す。
 5月19日ロシア南部で、ロストフ州のボルガドンスク原子力発電所が爆発したというデマがインターネットなどを通じて拡大、住民がパニックに陥る騒ぎとなる。
 5月19日中国安徽省合肥市科学島の中国科学院プラズマ物理研究所で、超電導トカマク型核融合実験炉が一般公開。
 5月21日ブッシュ米大統領が提唱する、地球規模で原子力の民生利用拡大を図る「国際原子力協力計画」(GNEP)の初めての閣僚・高官会議がワシントンで開催。米国、日本、フランス、ロシア、中国の5か国代表は、1:途上国の電力事情に応じた小型炉開発などを通じ、原子力利用を世界に広げる。2:不拡散の目的にもかなう使用済み核燃料の再処理技術開発――などの協力で合意。
 5月21日脱北者団体連合の北朝鮮民主化委員会は、米国の人権監視団体フリーダムハウスと共同で開催した北朝鮮の人権状況調査発表会で、北朝鮮が昨年10月に実施した核実験で、周辺に避難命令などは出されず、また脱北者などの証言から、収容所の政治犯が実験場のトンネル工事などに動員されたとの見方を示す。
 5月23日日本原子力研究開発機構は、1995年12月のナトリウム漏れ事故から運転を停止している高速増殖炉「もんじゅ」の2次系配管に冷却材のナトリウムを再充填する作業を開始。「もんじゅ」は1年8カ月にわたり改造工事を行っており、その機器などの試験が目的。国の安全審査を経た上で、福井県や敦賀市の同意を得て、早ければ来年5月の運転再開を目指す予定。
 5月24日IAEA(国際原子力機関)のエルバラダイ事務局長は、イランが核爆弾を製造できるようになるのは、2010年から2015年頃というアメリカ情報機関の分析に同意する意見を述べ、核兵器開発には3─8年はかかるとの見方を示し、主要国とイランができる限り早く交渉を再開するよう国際社会の努力を訴える。
 5月25日米国防総省は、中国の軍事力に関する年次報告書を公表。この中で、米本土の一部に到達可能な地上発射型移動式弾道ミサイル東風31号(DF31)の実戦配備が近く可能になると指摘。さらに射程を伸ばした改良型のDF31Aも、07年中に配備可能なレベルに達すると指摘、新型の潜水艦発射弾道ミサイルの「巨浪2(JL2)」にも言及し、新型の晋級原子力潜水艦に搭載されるとの判断を示す。
 5月26日中国政府建設省が北京で開いたエネルギー戦略フォーラムの講演で、中国政府が、原子力発電所による国内の発電容量を、2030年までに現在の15〜20倍に増強する目標を立てていることを、中国電力関連学会の関係者が公表。現在、稼働中の原子力発電所は、10基で800万kwの発電能力があり、中国国家発展改革委員会が、これを2030年までに1億2000万〜1億6000万kwに増強する目標を設けているといわれ、原子炉100基以上を建設することになる。
 6月 4日韓国の朝鮮日報は、複数の韓国政府消息筋の話として、北朝鮮の寧辺にある5000kwの原子炉が5月初めごろから10〜15日間ほど稼働を中断したと報道。
 6月 4日東京・丸の内の東京国際フォーラムで、天皇、皇后両陛下臨席の元、原子核物理学国際会議が開会。天皇陛下は、物理学の進歩を讃えるとともに大量殺戮兵器が作られたことにも言及。
 6月 4日イラン最高安全保障委員会のラリジャニ事務局長は、米国が東欧に配備を計画しているミサイル防衛システムをイランのミサイル攻撃から欧州を守るものだと主張していることについて、「イランのミサイルは欧州に届かない。今年一番のジョークだ」と述べて、イラン脅威論を皮肉る。
 6月 7日米国のブッシュ大統領とロシアのプーチン大統領は7日、ハイリゲンダム・サミットの開催地で会談。プーチン大統領は、米国が東ヨーロッパに配備する計画を進めているミサイル防衛(MD)システムに関して、アゼルバイジャンにある既存のレーダー施設を活用する代替案を示した。このレーダーは南側に向けて機能するもので、イランのミサイルを対象とすることは可能だが、ロシア側を探知することは出来ない。
 6月 8日米国防総省は、議会に対して、ミサイル防衛システムの一環である海上発射型のスタンダード・ミサイル3(SM3)を9基、日本に売却すると通知。売却総額は4億7500万ドルと見積もられている。
 6月 8日欧州歴訪中のブッシュ米大統領は、ポーランド北部のグダニスクで、同国のカチンスキ大統領と会談し、ポーランドとチェコへのミサイル防衛(MD)システム配備計画を推進する方針を確認。
 6月 9日理化学研究所の仁科加速器研究センターで、完成したばかりの次世代加速器施設「RIビームファクトリー」を使った実験で、パラジウムの新同位元素を発見。
 6月14日東京電力は、福島第一原子力発電所3号機で、タービン建屋2階の配管から蒸気が漏れているのが見つかったとして手動停止し、原因を調査すると発表。
 6月15日米ジョージ・ワシントン大学国家安全保障アーカイブ(NSA)の入手した機密指定解除文書によって、1970年代後半、インドの核実験成功を受けて、ひそかに核兵器開発に着手した台湾に対し、当時のフォード、カーター両米政権が強い圧力をかけて中止を迫っていたことが判明。
 6月18日北朝鮮外交筋は、原子炉の停止には約1カ月かかるため7月後半に寧辺の原子炉を封印する計画であることをロシアのインタファクス通信が明らかにする。
 6月20日5月末から、日本原子力発電の敦賀原子力発電所2号機で海水取水口に大量のプランクトン「トガリサルパ」が押し寄せ、フィルターが破損したため、出力を40%に落としていたが、この日、100%に戻す。
 6月24日久間章生防衛相は、沖縄県宮古島市で講演し、北朝鮮などから弾道ミサイル攻撃を受けた場合の防衛態勢について、今のSM3(海上発射型ミサイル)で9割以上迎撃でき、外れた1割をPAC3(陸上発射型ミサイル)が撃つ確率は9割と説明。
 6月26日日本原子力研究開発機構は、茨城県東海村にある原子力科学研究所のモックアップ建屋に隣接する共同溝内からウランの放射能汚染が見つかったと発表。これは前日に匿名の告発があった結果を受けてのもので、この施設は以前に再処理研究に使われており、1961年にウラン溶液の漏洩事故が発生した際、引き込み溝を通じて、溶液が共同溝にも流れ込み、その後2005年に改築する際に除染作業を行ったが不十分だったものと見られている。
 6月27日米ピュー・リサーチ・センターが47か国・地域の約4万5000人を対象に行った国際世論調査で、核拡散の脅威を世界で最も深刻に受け止めているのは日本であるということが明らかになる。北朝鮮の核兵器開発を受けてのことで、日本に次いで、イスラエルがイランの核兵器開発の脅威を受けているという順番となった。
 6月29日政府は、憲法9条解釈の見直しを検討する安倍晋三首相の私的懇談会「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の第3回会合を開き、米国に向かった弾道ミサイルへの対処について議論。日本のミサイル防衛(MD)システムで弾道ミサイルを迎撃すべきだとの意見が大勢を占める。
 6月30日久間章生防衛相は、千葉県柏市の麗沢大学で「我が国の防衛について」と題して行った講演で、米国が広島、長崎に原爆を投下したことについて、疑問を呈しつつも、「米国はソ連が日本を占領しないよう原爆を落とした。無数の人が悲惨な目にあったが、あれで戦争が終わったという頭の整理で、今しょうがないなと思っている」と述べ、各地で大きな波紋をもたらす。
 7月 1日久間章生防衛相は、長崎県島原市内のホテルで記者会見し、米国の原爆投下を「しょうがない」とした発言について「これから先、一切そういうことはしない」と述べ撤回。
 7月 3日米国による原爆投下を「しょうがない」と発言した久間章生防衛相が辞任。一方、米国のロバート・ジョゼフ核不拡散担当特使、国務省での記者会見で、広島、長崎への原爆投下について、「さらに何百万人もの日本人が命を落としたであろう戦争を終わらせたという点に大半の歴史家は同意すると思う」と述べて、正当性を強調。
 7月 3日北海道電力泊原子力発電所の建設現場で不審火による火災。
 7月 4日北朝鮮の朝鮮中央通信は論評で「日本の6カ国協議参加はどの面から見ても不安定要因だ」と牽制。選挙に向けて、政治的人気を得ようと利用していると批判。
 7月 4日北海道電力泊原子力発電所の建設現場で不審火による火災が再度発生。
 7月 7日東芝は、子会社の米原子力大手ウェスチング・ハウス社の保有株式77%のうち10%をカザフスタン国営原子力会社「カザトムプロム」に譲渡する方針を決定。世界第2位の埋蔵量を誇るカザフスタンでの安定的供給を得るのが目的。
 7月10日6月21日に北朝鮮を訪問したアメリカのヒル国務次官補に対して、北朝鮮側は、北朝鮮が核放棄の見返りに軽水炉を要求していたことが明らかになる。
 7月11日北海道電力泊原子力発電所の建設現場で不審火による火災がまた発生し警察が捜査。
 7月15日北朝鮮の朝鮮中央通信は、北朝鮮外務省スポークスマンの発表として、「寧辺核施設の稼働を中止し、国際原子力機関人員にその監視を許容した」と報道。
 7月16日新潟県中越沖地震発生。柏崎刈羽原子力発電所で大きな揺れを観測。変圧器の火災発生・個体廃棄物ドラム缶の倒壊、使用済み燃料プールからの大量漏水、給水ポンプタービン用油の漏洩、放射性物質の外部排気などが起こり、対応が後手に回る。外部に若干の放射線漏れ。揺れによる負傷者が若干発生するも死者なし。
 7月16日IAEA(国際原子力機関)のエルバラダイ事務局長は、北朝鮮が核施設を閉鎖したことを査察官が確認した、と発表。
 7月16日イランの政府系組織「イスラム学生協会」が作成した各関連ゲームの完成式典がテヘランで行われる。ゲームの内容は、イランの核開発を担当する核科学者が誘拐され、特殊部隊を指揮して救助に向かうというアクションもので、敵はイスラエルとアメリカという設定。
 7月17日テレビ朝日系ワイドショー「スーパーモーニング」の中で、大震災などで静岡県の中部電力浜岡原子力発電所で放射能が大量に漏れた場合について、京都大学原子炉実験所の小出裕章助教が電話取材に答え、風向きや交通網の途絶などで「東京の人たちにとって被害が最も多く出る想定で、200万人が死亡する結果になった」と話し、賛否両論となる。ちなみに即死者の数ではなく、被爆が原因で死亡する人の数としている。
 7月18日気象庁の調査で、新潟県中越沖地震を引き起こした断層が、柏崎刈羽原子力発電所の直下に達している可能性があることが判明。
 7月18日茨城県東海村の日本原子力研究開発機構から、原子力科学研究所の原子炉安全性研究炉の屋外タンクにある冷却水製造用塩酸が505リットル漏れたと東海村消防本部に連絡が入る。放射線の漏れはなし。
 7月18日新潟県柏崎市の会田洋市長は、新潟県中越沖地震で変電施設に火災が起きた東京電力柏崎刈羽原子力発電所について、施設の一部で安全性の確認ができなかったとして、消防法に基づき、油タンクなどの緊急使用停止命令を出す。
 7月18日東京電力は、新潟県中越沖地震の影響で柏崎刈羽原子力発電所6号機から海に放出された放射能量の推定値について、これまでの約6万ベクレルから約9万ベクレルに訂正し、経済産業省原子力安全・保安院に報告。法令の限度は下回っているが、原子力安全・保安院は厳重注意。
 7月18日IAEA(国際原子力機関)のエルバラダイ事務局長は、訪問先のマレーシア・クアラルンプールで記者団に対し、新潟県中越沖地震により柏崎刈羽原子力発電所で火災や放射能漏れなどの問題が多く発生したことについて、国際チームによる全面調査が必要との考えを示す。一方、日本政府はIAEAの調査は必要なしと声明。
 7月18日ロシア国防省のブジンスキー国際条約局長は、プーチン大統領が先に履行停止を命じた欧州通常戦力(CFE)条約に代わる新たな軍縮条約の締結を提案。米国とも新たな戦略兵器削減条約が必要との考えを示す。また、ロシア空軍幹部が17、18の両日に、同国の戦略爆撃機が日本海、黒海、アラスカ、カナダの上空で、巡航ミサイルの発射訓練を行ったことを明らかにする。
 7月18日北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の首席代表会合が、北京の釣魚台国賓館で2日間の日程で開幕。北朝鮮首席代表の金桂寛外務次官は、「次の段階の措置」であるすべての核計画の申告と核施設の無能力化について、条件が整えば年内履行を検討できるとの考えを示す。
 7月19日東京電力は、新潟県中越沖地震の際に柏崎刈羽原発の全7基の原子炉で、設計時の想定を超える揺れを記録していたことを公表。内訳は、1号機の最大加速度は680ガル(想定273ガル)、2号機606ガル(同167ガル)、3号機384ガル(同193ガル)、4号機492ガル(同194ガル)、5号機442ガル(同254ガル)、6号機322ガル(同263ガル)、7号機356ガル(同263ガル)。また、敷地内の建屋や敷地内に設置した地震計97台のうち、旧式の63台のデータの一部が、回線のトラブルなどで送信出来ず、余震データなどの上書きにより消失したことも明らかになる。
 7月19日新潟県中越沖地震で被害を受けた柏崎刈羽原子力発電所について、IAEAが2005年6月に火災関係の対応に不備があることを指摘していたことが明らかになる。
 7月20日新潟県中越沖地震の原子力発電所被害を受けて、各電力会社・原子力機関11社が、原子力発電所施設内の消火設備や連絡体制に関する緊急調査書を経済産業省原子力安全・保安院に提出。これによれば、化学消防車や連絡システムが整っているのは一部の会社だけで、各施設の消火設備に不備が多くあることが判明。
 7月20日東京電力の柏崎刈羽原子力発電所の高橋明男所長は、現地で初めて記者会見を開き、地震直後の所内の詳しい状況を明らかにするとともに、現地での情報提供が遅れたことなどについて謝罪。火災の対応については、3号機の火災現場に、職員ら4人が駆けつけたものの、現場近くにあった消火用配管が壊れており、このため数十メートルの距離から放水できるはずのホースからは、1メートルほどしか水が出なかった。そのため、消火をあきらめ待避したが、地震の影響で地元消防署との連絡が出来なかったという。
 7月20日麻生外相、イラン国営通信と会見し、「もしイランが国際社会の信頼を得ずに核開発を続け、国際社会との対立を深めるならば、必然的に日本との関係に悪影響を及ぼす」と述べ、「もし、イランが濃縮関連活動を停止し、対話と交渉による問題解決を望むならば、欧米と良好な関係を維持している日本は最大限の努力をする」と語る。
 7月21日東京電力は、2004年10月に起きた新潟県中越地震の際にも、柏崎刈羽原子力発電所の計5基の原子炉で、使用済み燃料プールから、放射性物質を含む水があふれていたことを公表。
 7月21日北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議の北朝鮮首席代表、金桂寛外務次官は、帰国を前に北京国際空港内で記者団に対し、「核施設を解体するならば、軽水炉の提供が必要だ」と見返りを要求する発言を行う。
 7月21日新潟県放射線監視センターなどが、柏崎刈羽原子力発電所の周囲10km以内で栽培されている農作物6種類と牛乳、半径20km圏内の水産物6種類を調査したところ、人工放射性物質は検出されなかったと発表。
 7月22日新潟県は、柏崎刈羽原子力発電所のIAEAによる調査を受け入れるよう、政府に申し入れ。政府はIAEAの調査を拒否している。
 7月23日経済産業省原子力安全・保安院は、新潟県中越沖地震で被害を受けた東京電力柏崎刈羽原発へのIAEA(国際原子力機関)による調査を受け入れる方針を決定。これまでは受け入れを拒否していた。
 7月23日新潟県中越沖地震で、東京電力柏崎刈羽原子力発電所6号機の使用済み燃料プールから大量の水があふれ、一部が「非管理区域」を経て海に放出された問題で、経済産業省原子力安全・保安院は日、プールが設置されている原子炉建屋4階の構造に、設計上の問題があるとの見方を示す。
 7月24日北海道電力泊原子力発電所の建設現場で不審火による火災が発生し、これまでの一連の不審火とあわせて大きく報道される。
 7月24日甘利経済産業相は閣議後の記者会見で、新潟県中越沖地震で東京電力柏崎刈羽原子力発電所の被害が大きかったことを受けて、震源である海底断層について建設時の東京電力による調査や、国の審査体制が不十分だったとの認識を示す。
 7月25日新潟県中越沖地震で被害を受けた東京電力の柏崎刈羽原子力発電所で、放射性物質の放出につながりかねないトラブルが、すでに報告されている漏出2件のほかに13件あり、そのうち5件では詳細が依然としてつかめていないことが新たに明らかにされる。
 7月26日新潟県中越沖地震で被害が出た柏崎刈羽原子力発電所で、前夜から降り続いた大雨の影響により、放射性物質を扱う放射線管理区域4か所が浸水、計約30トンの水たまりができたことが判明。放射性物質は検出されなかったが、管理区域のため、低レベル放射性廃棄物として処理。
 7月27日東京電力は、新潟県中越沖地震の揺れのために柏崎刈羽原子力発電所1号機の原子炉圧力容器から、放射能を帯びた水が周辺の作業用フロアにこぼれた可能性のあることをこの日になって初めて公表。また、地震時に緊急時対策室がある事務本館の天井が落下し、通路がふさがれる被害が出ていたことも、公表していなかったことが判明。
 7月31日東京電力は31日、柏崎刈羽原子力発電所の下請けなど協力企業676社について、地震前に約5500人が勤務者として登録していたのに対し、地震後に働いているのは半数以下の約2700人にとどまることを公表。また、新潟県中越沖地震の影響で柏崎刈羽原子力発電所が全面停止したことを受け、2008年3月期の連結業績予想について、最終利益を当初予想の3100億円から前期比78.2%減の650億円に大幅下方修正したと発表した。経常利益は4000億円から70.5%減の1300億円となる。
  
  

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