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核・原子力関連年表10B(2007年7月〜12月)

 
2007年
 
 8月 3日日本政府は、原子力空母「ジョージ・ワシントン」が2008年に米海軍横須賀基地に配備されるのを前に、米海軍、横須賀市と3者による安全対策に関する協議を行い、空母から放射能漏れ事故が起きたことを想定した合同防災訓練を11月に行うことで合意。
 8月 5日ロシア海軍のマソリン司令官は、新型の潜水艦発射弾道ミサイル「ブラワ」の量産体制に入ることを明らかにしたと、インタファクス通信が報道。これまで実験失敗が連続していた同ミサイルが、改良され、今年6月28日の発射実験に成功したことを受けて、量産体制の拠点を創設することを明言。アメリカが進めるミサイル防衛網に対抗する姿勢とみられる。
 8月 5日安倍晋三首相は5日、広島市で被爆者7団体の代表と面談し、原爆症の認定基準について、「専門家の判断を基に見直すことを検討させたい」と述べ、改善を示唆。一方で認定を巡る集団訴訟については「法律的観点から各省庁で検討しているが、裁判は別として、国として何ができるのかを検討させている」と述べるにとどまる。また久間章生前防衛大臣の原爆投下「しかたがない」発言を謝罪した。
 8月 6日新潟県中越沖地震で大きな被害を受けた東京電力柏崎刈羽原子力発電所を、IAEA(国際原子力機関)の調査団が調査を開始。
 8月 7日米政府高官の話として、北朝鮮核問題の6カ国協議合意に基づく、北朝鮮へのエネルギー支援に、オーストラリアとニュージーランドが参加の意向を示していることが明らかになったと、毎日新聞が報道。
 8月13日インドのシン首相は議会下院本会議で、米国と7月に合意した原子力協力協定に関し演説を行い、その中で、「合意は、インドが将来必要に迫られれば核実験を実施する権利に何ら影響を及ぼすものではない」と述べ、インドの核戦略や外交政策の独自性が制約を受けるとの批判に反論。協定合意への支持を求める。
 8月18日日本政府は、日本独自で実施する予定だった竹島周辺海域での、旧ソ連およびロシアの放射性物質投棄による環境放射能調査の一部を、昨年に続いて韓国と共同で行う方向で最終調整に入る。
 8月19日中国電力は、島根原子力発電所沖の半径150km以内にある海底活断層10本について、再調査する方針を決定。
 8月22日米国務省と国防総省は、「欧州での米ミサイル防衛施設に関する提案」と名付けた文書を公表。イランのミサイル開発計画について、ロシアや中国、北朝鮮から支援を受けてきたことを指摘し、イスラエルを射程に入れる「シャハブ3」について、北朝鮮のノドンをベースにしていると説明。
 8月23日東京電力は、新潟県中越沖地震での柏崎刈羽原子力発電所の被災状況をまとめ発表。被害は新たに判明した5号機の変圧器防油堤内のひび割れなど計2381件に上る。
 8月23日経済産業省原子力安全・保安院は、原子力発電所の定期検査の間隔を現在の一律13か月以内から、・13か月以内・18か月以内・24か月以内の三つに分類する方針を決定。国が「優良原子炉」と認めた場合に限り、2年間の連続運転が可能になる。
 8月29日米国防総省傘下、海兵隊大学の朝鮮半島情勢専門家ブルース・ベクトル准教授は、北朝鮮が新型の中距離弾道ミサイル「ムスダン」(射程約4000km)の製造技術をイランに移転し、同国がこれを基にミサイル「シャハブ4」の開発を行っているとの情報を発表。
 8月31日日本原子力研究開発機構は、東海研究開発センター原子力科学研究所など核燃料を取り扱う施設で、1960年ごろから、非管理区域での放射能汚染の未報告や、国への許認可手続きの不備など法令違反37件を含む計49件の問題があったとする調査結果報告をまとめ、文部科学省と茨城県に提出。
 9月 1日北朝鮮核をめぐる6カ国協議の米国と北朝鮮の関係正常化に関する作業部会がスイスのジュネーブにある北朝鮮の国連代表部で開催。翌日も続けて協議進展のための日朝協議も視野に話し合われる。
 9月 3日福井県にある関西電力の大飯原子力発電所1号機の原子炉建屋内で、放射能を含む一次冷却水が約3・4トン漏れているのが見つかる。環境への影響は低いと言う。
 9月 6日イスラエルがシリア北部にある核関連の地下施設を空爆し、北朝鮮から運ばれた核関連機器を破壊したとみられる。この空爆で北朝鮮技術者数人が死亡したとみられる。イスラエル・シリア双方とも明確な説明はせず。核関連ではないという説や、中東和平会議に対する政治的思惑によるもの、と言う説も一部にある。
 9月11日ロシア軍のルクシン参謀次長は、国営テレビに出演し、ロシア軍が、世界で最も強力な「真空爆弾」の投下実験に成功したと説明。破壊力は「核爆弾に匹敵する」としている。超音速爆撃機から大型の燃料気化爆弾を投下する実験を行ったと見られる。
 9月16日クシュネル仏外相は、RTLラジオとLCIテレビのインタビューで、フランスは、イランの核問題をめぐって、更なる制裁措置を講じるべきだとし、最悪の場合、イランとの戦争の可能性にも備える必要があるとの見解を示す。
 9月19日英軍事専門誌ジェーンズ・ディフェンス・ウイークリーは、7月26日にシリアのアレッポにある軍事基地で起こった弾薬庫爆発事故は、実は、化学弾頭装填実験中のスカッドミサイルの爆発で、多数のイラン人技術者が死亡したと報道。
 9月21日広島、長崎両市は、自民党の山崎拓前副総裁が、昨年10月に北朝鮮が行った核実験について「核保有がはっきりしたという意味でやらせてよかった」と発言したことに抗議する文書を送付。
 9月21日島根県警生活保安課などは、研究用の核燃料物質(酸化ウラン、金属ウラン、酸化トリウム計約2.8グラム、約11万円相当)を、研究員にインターネットで米国の業者から違法に購入させていたとして、原子炉等規制法違反の疑いで、島根大学と同大総合理工学部の教授を松江地検に書類送検。
 9月23日英日曜紙サンデー・タイムズは、、6日に行われたイスラエル軍によるシリア北部の軍事施設に対する空爆に先立ち、特殊部隊が同施設を襲撃し、北朝鮮からの核関連物質を押収して持ち帰ったと報道。日時は不明で、イスラエルは核開発の証拠資料をアメリカ政府に示し、空爆を了承させたと言われる。
 9月23日イランのアハマディネジャド大統領は、CBSテレビとのインタビューで、イランには核兵器は必要ないと述べ、核開発をめぐるアメリカとの対決についても、米国との戦争に向かってはいないとの見方を示す。
 9月23日ニューズウィーク電子版は、消息筋の話として、イランがウラン濃縮活動を停止しなければ、イスラエルが来年にもイランの核施設を攻撃する可能性があると報道。
 9月26日英軍事専門誌ジェーンズ・ディフェンス・ウイークリーは、シリア国防筋の話として、7月26日に起きたミサイル爆発事故では、マスタードガス弾頭を取り付けたスカッドCの燃焼実験中に事故が起こり、施設内に神経ガスなどが広がり、数十人のイラン人技術者が死亡したと報道。シリア国営通信は、死者15人、負傷者50人としている。
 9月27日北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議が北京の釣魚台迎賓館で開催。北朝鮮の核施設無能力化と核計画の完全申告に関する行程表の合意文書化について調整が難航。
 9月27日静岡県御前崎市の浜岡原子力発電所内の3号機と5号機の補助建屋で、計器の触媒に使う白金板138枚(時価約1000万円相当)が紛失していたことが明らかになる。保管場所は放射線管理区域内であることなどから、内部関係者の犯行と考えられる。
10月 5日北朝鮮の朝鮮中央通信は、北京で9月27〜30日に6カ国協議が開催されたことを報じ、その中で、北朝鮮の年内の核施設無能力化、米国のテロ支援国リストからの北朝鮮除外、重油100万トン相当の経済的補償の完了で、合意文が採択されたことを報じる。
10月 6日核実験全面禁止条約機構(CTBTO)がカナダに設置した観測機が、北朝鮮の核実験で発生した大気中の放射性物質「キセノン133」を検出したことで、最終的に実験を確認。
10月 6日1972年の沖縄返還後に米軍が核兵器を再び持ち込むことを認めた日米間の密約締結を示す1969年の公文書の存在が公表される。日本大学の信夫隆司教授が米国立公文書館で発見したもの。
10月 7日高村正彦外相は出演したフジテレビの番組で、6カ国協議の共同文書で定められた北朝鮮に対するすべての核計画の申告義務について、高濃縮ウランの問題も抽出済みのプルトニウムの問題も入っているとして、ウラン濃縮計画や核兵器のほか抽出済みプルトニウムも対象になるとの認識を示す。
10月 8日朝鮮中央通信は、9日付の党機関紙「労働新聞」が就任10周年を迎えた金正日総書記の業績を称賛する「政論」を掲載し、この中で、テポドン発射などの業績を列挙し、核実験について、金総書記の「実に偉大な奇跡だ」とたたえたことを報道。
10月13日ニューヨークタイムズは、イスラエルが9月6日に行ったシリア北部への空爆は、イスラエルと米国が、建設中の原子炉と判断していた場所であったと報道。
10月14日韓国の聯合ニュースは、同国政府筋の話として、北朝鮮が昨年10月に核実験を実施した咸鏡北道・豊渓里の実験場周辺で鉄条網工事を行っており、警備の兵力が増強されていると報道。
10月17日ブッシュ米大統領は記者会見で、「イランにはイスラエルを破壊したいと公言している指導者がいる」と指摘し、「第3次世界大戦を回避したいなら、核兵器製造に必要な知識を彼らに持たせないようにするべきだ」と述べ、イランの核武装を警告し、核開発阻止のために国際社会が一致して圧力を強めるよう改めて訴える。
10月29日エジプトのムバラク大統領は、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故後に中断していた原子力発電所建設計画の再開を発表。イランの核開発を受けてと見られる。
11月 1日外林秀人・元ベルリン工科大学教授が、ベルリン郊外のポツダムに、原爆犠牲者を悼む記念碑を建立する計画を後押しするため、はじめて自身の被爆体験をベルリンで講演。この場所は、1945年夏、会談のために訪れていた当時のトルーマン米大統領が原爆投下を命令した宿舎で、建立予定地は宿舎前のヒロシマ広場。
11月 1日北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の米首席代表、クリストファー・ヒル国務次官補は、北京市内で記者会見し、寧辺・核施設の無能力化を実施するために、ソン・キム国務省朝鮮部長をリーダーとする専門家チームが寧辺入りし、現場での作業を開始するとの見通しを示す。
11月 2日米アリゾナ州にあるパロベルデ原子力発電所に、鉄パイプ爆弾とみられる不審物を持ち込もうとした男性契約従業員が、入り口の警備員に身柄を拘束される。
11月 3日北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議の米首席代表、ヒル国務次官補は、東京・内幸町の日本記者クラブで会見し、訪朝した米専門家チームが4日に寧辺入りし、5日までに核施設の無能力化作業を開始する予定であることを説明。
11月10日ワシントン・ポスト紙は、米韓当局者の話として、北朝鮮が米国に対して高濃縮ウランによる核兵器開発を行う意思がなかったことを示す「証拠」を提示し、その上で、申告と同時にテロ国家指定などの制裁を解除するよう求めていると報道。
11月15日ベネズエラのチャベス大統領は、フランスのテレビ局フランス24のインタビューに答えて、原油高騰や環境のためと言う理由で、ベネズエラも核エネルギーの開発を進める方針であることを明らかにする。反米同盟を結んでいるイランの核開発についても擁護。
11月18日ニューヨーク・タイムズ電子版は、米政府高官らの話として、ブッシュ政権が過去6年間で、パキスタンが保有する核兵器の安全管理や訓練施設の建設に約1億ドル(約111億円)を拠出したと報道。
11月20日福田首相、中国の温家宝首相、韓国盧武鉉大統領による日中韓首脳会談が実施され、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議について、寧辺の核施設無能力化、北朝鮮に核計画の申告の履行を求めていくことで一致。
11月25日防衛省は12月から、弾道ミサイルを地上から撃ち落とすPAC3(地対空誘導弾パトリオット)の移動展開訓練を、新宿御苑や防衛省市ヶ谷駐屯地など東京都内の約10か所の公園や施設で実施すると発表。
11月29日弾道ミサイルを地上で迎撃するPAC3(地対空誘導弾パトリオットミサイル)が千葉県の航空自衛隊習志野分屯基地に配備。航空自衛隊入間基地に続き2ヶ所目。
12月 5日国連総会は、日本などが提出した核軍縮決議案「核兵器の全面的廃絶に向けた新たな決意」を賛成170、反対3(米、インド、北朝鮮)、棄権9(中国、仏、イラン、パキスタンなど)で採択。賛成票数は過去最多。
12月 8日ゲーツ米国防長官は、バーレーンの首都マナマで開かれた国際会議で、イスラエルの核開発計画が地域の脅威となっていないとの見解を示す。
12月18日防衛省は、ハワイ諸島カウアイ島の沖合いで、海上自衛隊のイージス艦「こんごう」に搭載した海上配備型迎撃ミサイル(SM3)の発射実験を実施し、カウアイ島から発射した標的の模擬中距離弾道ミサイルの迎撃に成功。米国以外で初。
  
  

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