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核・原子力関連年表11A(2008年1月〜7月)

 
2008年
 
 1月 4日朝鮮中央通信は、六カ国協議で決められた「すべての核計画申告」に関連して、ウラン濃縮に使われた疑惑のある輸入アルミ管について、北朝鮮がサンプルを米国に提供したうえで、アルミ管を使った軍事施設を米国に視察させたと北朝鮮外務省報道官が述べたことを報道。同報道官はアルミ管とウラン濃縮は無関係と強調。
 1月15日防衛省は、弾道ミサイルを地上から迎撃するPAC3(地対空誘導弾パトリオットミサイル)の配備について、新宿御苑などで調査を開始。
 1月18日ワシントン・タイムズは、中国軍が、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)巨浪2型を改良して、潜水艦発射型の衛星攻撃兵器(ASAT)システムの開発を進めていると伝えた。現在開発中の「晋」級原子力潜水艦に積載される予定だと言う。
 1月30日弾道ミサイルを地上で迎撃するPAC3(地対空誘導弾パトリオットミサイル)が30日未明、神奈川県横須賀市の航空自衛隊武山分屯基地に配備。航空自衛隊入間基地、習志野分屯基地に続く3カ所目。
 2月 4日イラン国営通信は、イランが4日、人工衛星打ち上げに使用する宇宙センターを開所し、国産の観測ロケットを打ち上げたと発表し、「初の国産ロケット発射」と報道(ただしロケットは前年2月にも打ち上げている)。
 2月 5日東京都の石原慎太郎知事は、防衛省で開かれた「防衛医学セミナー」で講演し、弾道ミサイルを地上から迎撃するPAC3(地対空誘導弾パトリオットミサイル)について、皇居前広場に展開すべきだとの考えを示す。
 2月 8日ウォールストリート・ジャーナルは、昨年9月にイスラエル軍によって空爆されたシリア領内の核関連とみられる施設付近で、北朝鮮の作業員が定期的に姿を現し、偵察衛星から目撃されていたと報道。ただし北朝鮮人かどうかを衛星からどう判断したのかは不明。
 2月 8日ロシアのプーチン大統領は、クレムリンで演説し、NATOの東欧への拡大や、米国が東欧諸国に配備を計画するミサイル防衛システムを批判し、「新しい軍拡競争が始まっている」と警告。
 2月18日福建省寧徳市沖で中国初となる海上に浮かぶ原子力発電所の第1期建設工事が開始。建設地は、福州市から143km、温州市からは113kmの距離に位置する。
 2月25日厚生労働省は、原爆症認定基準の見直し案を発表。爆心地より約3・5キロ以内で直接被爆、投下より約100時間以内に爆心地から2キロ以内に入った、投下より約100時間経過後約2週間以内に爆心地から約2キロ以内の地点に1週間程度以上滞在、と規定した上で、がん、白血病、副甲状腺機能亢進症、放射線白内障、放射線起因性心筋梗塞にかかっていれば認定とする。また、原因確立を審査自体には使わない。分科会の審議にかけずに無審査で認定する場合の判断基準(原因確率10%以上)として事務局レベルでのみ用いられることとする。
 2月27日城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」東海事業所で1999年9月に起きた臨界事故で、同事業所近くの工場にいて被曝(ひばく)した同県日立市久慈町、無職大泉昭一さん(79)と妻恵子さん(68)が、JCOと親会社の住友金属鉱山(東京都港区)を相手取り、約5800万円の慰謝料や治療費を求めた訴訟の判決が27日、水戸地裁であった。志田博文裁判長は請求を棄却
 2月29日東芝と、造船重機大手のIHIが、原子力発電所の設備を含むエネルギー・プラント事業で包括提携交渉に入ったことが明らかに。IHIの同事業部門を別会社にして、東芝が出資する案などを検討している。将来は東芝の原子力関連などの部門をこの別会社に合流させる形で事業統合も視野に入れている。統合されれば、同事業の売上高は単純合計で1兆円規模になり、三菱重工業を抜いて国内トップ
 3月13日北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議の米首席代表、ヒル国務次官補と北朝鮮代表の金桂冠外務次官が、ジュネーブの米国連代表部などで北朝鮮の核計画申告に関して約9時間にわたり断続的に協議。
 3月19日前年10月に発生した宮崎大学医学部での放射性同位元素による汚染事件で、敷地内の放射性物質保管施設に不正侵入したとして、同学部大学院生兼助教の新原琢也容疑者が、同僚の女性職員への嫌がらせ目的に放射性同位元素を盗んだ疑いがあることが明らかになる。
 3月20日ロシアの国営原子力企業アトムエネルゴプロムは、東芝と原子力発電分野で協力するための枠組み協定に調印。
 3月21日内閣府の原子力委員会が閣議で「2007年版原子力白書」を報告。地球温暖化対策のため、原子力エネルギーの平和的、世界的な利用拡大が不可欠と訴える。
 3月21日フランスのサルコジ大統領は、シェルブールの軍港での新型原子力潜水艦の進水式で演説し、同国の航空核戦力を3分の2に縮小し、核弾頭の総数を300以下に減らすことを明らかにする。フランスの核弾頭数は348個と言われている。
 3月25日米国防総省は、2006年に台湾から発注を受けたヘリコプター用電池を輸出する際に、誤って弾道ミサイル用の核弾頭起爆装置を輸出していたことを明らかにする。起爆装置は台湾より返却されたという。
 3月26日東芝は、北米での原子力開発事業強化のため、米国の原子力発電所事業開発会社、ニュークリアイノベーションノースアメリカに3億ドルを出資すると発表。同社の親会社であるNRGエナジーとの間で、12%の株式を譲り受けることで合意。また、NRGエナジーと米電力会社CPSエナジーがテキサス州で計画中の米国初のABWR型原子力発電所2基の主契約者に選定されたと発表。
 4月 1日厚生労働省、原爆症認定の新基準をスタートさせる。
 5月 2日日米両政府が共同開発中の海上配備型ミサイル防衛の次世代型迎撃ミサイルに関し、弾頭が複数に分かれる多弾頭の導入を日本が了承していたことが明らかになる。ロシアや中国が多弾頭型弾道ミサイルの開発を推進していることから、米国政府は迎撃ミサイルの多弾頭型への変更を計画していたが、米下院軍事委員会では、開発の条件に日本の同意が必要としたため、日米で協議が進んでいた。
 5月 8日米国務省のマコーマック報道官は、訪朝した米国務省のソン・キム朝鮮部長から、北朝鮮の寧辺の黒鉛減速炉など核施設の稼働記録など2万ページ近い膨大な資料を提供されたことを明らかにする。
 5月 8日検査会社「非破壊検査」京葉事業部から放射性物質イリジウム192が盗まれた事件で、千葉県警市原署は会社役員磯智則容疑者の供述に基づき、横浜市神奈川区の川を捜索し、川底からイリジウムが入ったケースを回収。
 5月12日中国四川省でマグニチュード8.0の大地震。死者推定約7万人、重軽症者37万人。415万棟が被害を受け、1500万人が避難。同地域山岳地帯には、冷戦以降、攻撃を受けにくくするため、航空宇宙産業や、核兵器・弾道ミサイル開発関連施設、プルトニウム生産原子炉などが集中して作られており、それらの施設にも被害があったとされる。
 5月16日日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」に、ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料集合体18体が運び込まれる。1995年12月のナトリウム漏れ事故で停止して以来、12年半の間、燃料はそのままになっていたが、劣化し、再起動できなくなる恐れが出てきたため。
 5月18日中国軍の馬健総参謀部作戦部副部長は、四川大地震による影響について、「軍事施設は軽微な影響を受けたが、深刻な損傷は報告されておらず核施設は安全」と声明。
 5月20日中国政府の周生賢環境保護相は、四川大地震で計32個の放射性物質が倒壊ビルなどの下敷きとなり、30個は回収し、残りの2個も安全を確保する措置を取ったと声明。ただし、放射性物質の種類や施設名などは明らかにしていない。
 5月22日原子力空母ジョージ・ワシントン、横須賀配備のために日本へ向かう途中、南米沖で火災。負傷37名。火気厳禁の場所での喫煙が原因と見られる。
 5月22日東京電力は、前年7月の新潟県中越沖地震で運転を全面停止した柏崎刈羽原子力発電所を、6月にも強度を現行の4〜5倍に高める、耐震補強工事に着手する方針を発表。
 5月25日東洋大や広島工業大の研究グループは、青森県六ケ所村の日本原燃原子燃料サイクル施設の直下に、マグニチュード8クラスの大地震を引き起こす地下活断層を発見したことを発表。施設東側の活断層出戸西方断層の真下の地下500m〜1.5kmに、施設直下へ沈み込む逆断層面があるという。
 5月26日25日に、カーター元米大統領が訪問先の英国ウェールズで、出版関係のイベントに参加した際、イスラエルが150個の核弾頭を保有していると語ったと英紙タイムズが報道。ただし、その根拠については語らなかったと言う。イスラエルは、公式には肯定も否定もしていないが、核保有国。
 5月28日原爆症認定訴訟の控訴審で、仙台高等裁判所は、処分の取り消しを命じた1審判決を支持、2人を原爆症と認め、国の控訴を棄却。ただし原告の賠償請求は認めず。
 5月30日大阪高等裁判所は、原爆症認定訴訟控訴審において、被爆者9人(内3人死亡)全員の不認定処分取り消しを命じた1審の大阪地裁判決を支持し、国の控訴を棄却。
 6月 4日スロベニア南東部にあり、スロベニア・クロアチア両国が共同管理しているクルスコ原子力発電所が、一次冷却系の冷却水漏れ事故によって安全装置が作動し緊急停止。欧州委員会の核関連早期警報システムが作動し、欧州連合加盟27カ国に警報が発せられる。スロベニア当局は、隣国のイタリア、オーストリア、ハンガリーに対して、「訓練だった」と情報を流し、その後撤回。環境や人体への影響はない。
 6月 4日東芝の下請け会社で、労働基準法に違反して、昨年10月〜今年5月まで、18歳未満のアルバイト6人が、福島県の東京電力福島第1原子力発電所、宮城県の東北電力女川原子力発電所、青森県の東北電力東通原子力発電所にある放射線管理区域内で定期検査の際に必要な機材を運ぶ作業をしていたことが判明し、5月に、各地の労働基準監督署に報告していたことが明らかになる。
 6月 5日スロベニア政府は、前日に起こった原子力発電所緊急停止の際に、誤った情報を流したことについて、ウィーンで開催された国際原子力機関(IAEA)の定例理事会と、ルクセンブルクで開かれたEU環境相会議で批判を受け釈明。
 6月10日厚生労働省は、原爆症認定訴訟控訴審の仙台高裁と大阪高裁の判決を受け、上告を断念。ただし、認定新基準の見直しは行わず。
 6月11日NASA米航空宇宙局は、フロリダ州ケープカナベラル空軍基地から、日米欧が開発したガンマ線天文衛星「GLAST」をデルタ2ロケットで打ち上げ、軌道投入に成功。この衛星は、高度約560キロで地球を周回しながら、ブラックホールや中性子星から放出される高エネルギーのガンマ線を観測する。
 6月21日イスラエル軍が昨年9月に空爆したシリア東部に建設中の核関連施設は、シリアと北朝鮮の技術協力の下、イランがプルトニウム型核ミサイルを開発するためのものだったと独誌シュピーゲルが報道。
 6月23日原爆症認定訴訟第一次長崎訴訟で、長崎地裁は、長崎県内の被爆者27人(8人は死亡)中20人を原爆症と認める判決を出す。厚生労働省は控訴。
 6月26日北朝鮮政府が、6カ国協議合意に基づく核計画申告書を議長国の中国に提出。これを受け、米政府も見返り措置として、北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除のための議会通告と対敵国通商法の適用除外に向けた制裁解除の国内手続きに踏み切る。
 6月27日北朝鮮政府は、寧辺にある核施設の冷却塔を爆破解体。日米中韓露の放送メディアに取材をさせる。解体費用は米国が出したと言われる。
 7月 1日米ABCテレビ電子版は、イスラエルが年内にもイラン中部の核関連施設を攻撃する可能性が高まっているとの見方を、複数の匿名米国防筋の話として報道。米国務省のケーシー副報道官は全面否定。
 7月 7日北海道洞爺湖サミット開幕。事前協議などで、核拡散防止条約(NPT)体制強化へ、「核兵器の削減」を目指す、北朝鮮の核兵器と核計画・弾道ミサイル計画の放棄を要求する、という政治分野の首脳宣言が決まる。
 7月 8日米財務省と国務省は、イランの核・ミサイル開発に関与しているとして、革命防衛隊や航空宇宙産業機構などの関係者6個人と、5法人に対して米国内の資産を凍結し、米国企業・個人との取引を禁止する追加制裁を発動。
 7月 9日イラン国営テレビは、イラン革命防衛隊が新型の長距離シャハブ3ミサイルを含む中長距離地対地ミサイル9発を試射したと報道。ただ、同防衛隊のウェブサイトに掲載された発射の様子の画像は、明らかに画像を合成して多く見せており、3発しか発射していないという説もある。
 7月13日北朝鮮の核開発問題を巡る六カ国協議、合意出来ずに閉幕。拉致問題があるため支援に参加しない日本への批判も出る。
 7月18日原爆症認定訴訟第二次近畿訴訟で、大阪地裁は、新基準による未認定5人のうち4人を原爆症と認定するよう国に求める判決を出す。ただし、1人については、被災後の救護活動中の被爆であるため、原爆症と認めず。
 7月22日長崎原爆被災者協議会など長崎県内の被爆者5団体は、自民党の久間章生元防衛相に対し、8月9日に長崎市で開かれる平和祈念式典への出席を控えるよう要請する文書を送付。昨年「原爆投下はしょうがない」と発言したことによる。
 7月23日フランスの南東部ドーム県のトリカスタンで、原子力発電施設から放射性物質の漏出事故が発生し、100人が軽度の放射線を浴びたことが判明。人体や環境に影響はないという。同施設では同月8日にも漏洩事故が起こったほか、18日には別の施設二カ所でも漏洩事故が起こっている。
 7月23日5月の四川大地震で被災した四川省で、早ければ5年以内に同省で初めての原子力発電所建設を計画していることを、国営英字紙チャイナ・デーリーが報道。
 7月25日広島市中区にある「堀川町原爆慰霊碑」が何者かによって路上に倒され破損。
 7月30日米海軍は、火災で修理中の原子力空母ジョージ・ワシントンの艦長ダイコフ海軍大佐を更迭。火災の原因が火気厳禁の場所での喫煙と火の不始末によるもので、綱紀の乱れであったことから。
 7月31日米海軍は、グアムを母港とする米攻撃型原子力潜水艦ヒューストンから、「極めて微量」の放射性物質を含む水の漏出が一定期間続いていたことを日本政府に通告。漏水は7月24日にハワイで点検中に発見。同艦は3月に米軍佐世保基地に寄港している。日本政府は数日、これを秘匿していたことが判明し、佐世保や沖縄で反発。
  
  
 
2008年
 
 この年米国、練習空母JFKをのぞき、通常動力空母廃止予定。横須賀には原子力空母「ジョージ・ワシントン」配備予定。
 
2010年
 
 この年までに、米国は原子力発電所の建設を再開する予定。
 この年頃に、インドネシアはジャワ州のムリア半島に100万キロワット規模の原子力発電所4基の建設着工を予定。
 
2013年
 
 この頃までに、ITER国際熱核融合炉実験施設を完成させ、実用実験に入る予定。
 
2020年
 
 米国、プルトニウムを使った核兵器起爆装置の製造を再開する予定。
 この年に、ベトナム政府は、ニントゥアン省で100万キロワット2基の原子力発電所を稼働予定。
 
2021年
 
 この頃までに、ドイツの原子力発電所は全廃の予定(脱原発法に基づき)。
 
2025年
 
 この年をもって、ベルギーの原子力発電所は全廃の予定。

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