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核・原子力関連年表11A(2008年8月〜)

 
2008年
 
 月 日
 8月 6日広島原爆慰霊祭に、核保有国の中国の代表が、初めて参列。福田首相は、相次いで国が敗訴している原爆症認定訴訟で、原爆症の審査結果と司法判断にギャップがあることから、審査会に司法関係者を加えることを明らかにする。この時点までで10回の判決すべてが国の敗訴となっている。直接の被爆者だけでなく、被災直後の救助活動などによる入市被爆者・救護被爆者も対象とすべきかどうかが争われるケースが多いが、元々厚生労働省は、アメリカ政府の「残留放射線の影響はない」と言う公式見解に基づいて決めているため、これまで認定されてこなかった。このアメリカ政府見解は、1945年9月の現地調査に基づいた結果と言う貧弱な根拠によるものであり、分裂片の生成や中性子線による放射化など核分裂型核爆発の仕組みから見ても、この結論はあきらかにおかしい。当然、厚生労働省の旧認定には科学的根拠はない。
 8月 7日米原子力潜水艦ヒューストンから微量の放射能を帯びた冷却水が漏れていた問題で、漏水は2006年6月から始まっていたことが米側の調査で判明。米政府は7日になって在東京大使館を通じて外務省に連絡。この間、同艦は、佐世保に2006年7月16日から2008年4月6日までの間に5回、横須賀に2007年1月25日から29日にかけて1回、沖縄に2007年3月17日から2008年3月12日にかけ5回、それぞれ寄港している。放射能の推定放出量は佐世保で13キロベクレル未満、横須賀は3.5キロベクレル未満、沖縄が6.3キロベクレル未満(1ベクレル=1秒間に1つの原子核が崩壊して放射線を放つ量)。
 8月13日愛知県庁舎、県内各地の県民事務所など計20の県施設で、午後2時ごろ、弾道ミサイル発射に関する誤情報が、庁内放送を通じて流れるミスが発生。地震やテロなどの発生を自治体に知らせる総務省消防庁の全国瞬時警報システム(J−ALERT)の試験情報が、誤って流れてしまったとみられる。
 8月13日米海軍のロサンゼルス級原子力潜水艦コロンブスが、沖縄県うるま市のホワイトビーチに寄港。先にホワイトビーチに寄港していた米原子力潜水艦ヒューストンから放射能を帯びた冷却水が2006年から漏れていたことが判明しており、市民団体や地元市議らが抗議集会を開催。
 8月15日米民主党が開幕する全国党大会で採択する予定の政策綱領案の内容に、安全保障関係で「核兵器のない世界を追求する」として究極的な核廃絶を目指す方針を明記。イランや北朝鮮に核放棄を求めるとともに、米国自身も核兵器削減・廃絶に向けて具体的行動を取ることを打ち出した。
 8月28日ロシア軍戦略ミサイル部隊は、大陸間弾道ミサイル「トーポリ」の打ち上げ実験を実施。ロシア北部のプレセツク宇宙基地から発射し、約6000km離れた極東のカムチャツカ半島にある演習場の標的に命中。
 9月 6日原子力関連技術の輸出管理にあたる原子力供給国グループ(NSG)は、核拡散防止条約(NPT)未加盟のインドに対する原子炉や核燃料の輸出を例外的に認める決定を出す。
 9月10日世界中の研究者が集まり、スイスのジュネーブにある欧州合同原子核研究機関(CERN)の巨大な加速器LHC(Large Hadron Collider)を使って、未知の素粒子発見を目指す国際共同プロジェクトが開始される。日本からも研究者約100人が参加。最大の目的は、物質の質量を決めるヒッグス粒子の発見。一部でブラックホールが作られるとか、ストレンジレット(仮想粒子の一種)が発生することを、懸念する学者やメディアも存在し、訴訟に発展している。CERNでは、マイクロブラックホールが出来るほどの質量がない上に、仮に出来たとしても一瞬で消滅すると説明している。
 9月10日中部電力は2006年に発生した浜岡原子力発電所5号機の蒸気タービン損傷事故で、設計・製造元の日立製作所に対し、原子力発電所停止中に運転した火力発電所の燃料費などの支払いを求める損害賠償請求訴訟を東京地裁に起こす方針を決定。
 9月11日気象庁は、地下核実験を監視するために包括的核実験禁止条約(CTBT)機関準備委員会が世界中に展開している地震観測網のデータを、津波の監視に利用することで合意し、調印したことを発表。スマトラ大津波の災害を受けて両者が検討していたもの。
 9月16日稼動したばかりの欧州合同原子核研究機関(CERN)の巨大な加速器LHCのシステムの一部コンピュータに、「Greek Security Team」の「Group 2600」と名乗るハッカー集団がハッキングしていたことが判明。セキュリティの問題が浮かび上がる。
 9月24日北朝鮮が国際原子力機関(IAEA)に対し、1週間以内に寧辺の核再処理施設を再稼動することを通告。さらにエルバラダイ事務局長は、北朝鮮の要請により寧辺核施設で封印と監視カメラ装置をIAEA検証チームが撤去したとIAEA理事会に報告。
 9月24日核爆発を伴う核実験を禁じた包括的核実験禁止条約(CTBT)の重要性を訴える「CTBTフレンズ外相会合」が国連で開かれ、核放棄を義務付けた対北朝鮮安保理決議の順守を同国に要求する共同声明を採択。
 9月25日横須賀に配備される米海軍原子力空母「ジョージ・ワシントン」が横須賀港に入港。1992年就役。全長約333メートル、満載排水量約9万7000トン。
 9月27日文部科学省と国土交通省は、京都府南丹市の大学が、日本アイソトープ協会に発注した、試薬などに使われる放射性物質リン32の液体約1ミリリットルが入った段ボール箱が、輸送中に所在不明になったと発表。リン32は放射線を遮蔽する容器に入っており、開封しない限り危険性はないという。
  
 9月30日フランスのサルコジ大統領とインドのシン首相は、エリゼ宮(大統領府)で会談し、両国間の原子力協力協定に調印。
10月 1日韓国の通信社、聯合ニュースは、北朝鮮の咸鏡北道豊渓里にある核実験場付近で、最近、煙が出たことが確認されたと報道。核実験場の復旧に向けて装備や作業服などを焼却処分しているのではないか、と韓国政府は推定しているという。
10月 1日9月25日に米海軍横須賀基地に配備された原子力空母ジョージ・ワシントンが、韓国の建国60周年を記念する観艦式に参加するため出港。横須賀海上保安部の放射能調査艇「きぬがさ」が約3km追尾し、大気と海水中の放射線量を測定する通常調査を実施。
10月 2日北朝鮮の核計画申告の検証手続きをめぐる米朝協議で、検証の対象を、寧辺の核施設など6月に申告済みの施設・活動と、核兵器や濃縮ウラン計画、拡散活動などの未申告の施設・活動の二つに分離する「検証パッケージ」案が浮上していることが明らかになる。米国もこれにあわせてテロ支援国指定を暫定的に解除する。
10月 2日韓国紙・東亜日報は韓国政府筋の話として、北朝鮮が咸鏡北道舞水端里のミサイル発射基地を大幅に改修して、テポドン2号を改良した最大射程1万キロの新型長距離ミサイルの発射できるようにする兆候があることを報道。
10月 8日ロシアは、軍事演習の一環で戦略爆撃機を日本海上空で偵察飛行させ、緊急発進した自衛隊機がこれを追尾。爆撃機はツポレフ22M3で、スホイ27戦闘機2機も同行。
10月16日経済協力開発機構(OECD)は、原子力発電の見通しをまとめた初の報告書を発表し、世界の原発発電容量が2050年までに現在の1.5倍から最大3.8倍に拡大すると予測。原油高騰や新興国の増加でエネルギー需要が高まっているためと考えられる。ちなみに現在稼働中の原子力発電所は、31カ国・地域で439基。
10月18日パキスタンのクレシ外相は、記者会見で、中部パンジャブ州チャシュマに新たに造る原子力発電所2基を中国が提供することを発表。ザルダリ大統領の訪中に伴い決定したもの。しかし原子力協定の締結等は行われず。パキスタンは核拡散防止条約(NPT)に加盟しておらず、中国から原子力施設や技術協力を受ける場合、国際原子力機関(IAEA)との査察協定締結、原子力供給国グループ(NSG)の承認が必要となることも理由に考えられる。
10月22日フランス原子力安全機関は、エレベーター製造のオーチス社の子会社がフランス国内でエレベーター補修に使用した昇降ボタンから、放射性物質のコバルト60が検出され、ボタンを取り扱った作業員30人が被爆したことを明らかに。インドの下請け会社が製造した部品の原材料が、放射性物質が混ざっていたリサイクル品だったことが原因と見られる。オーチス社は、8月から10月にかけ補修したエレベーター約2500機のうち、500〜600機のボタンを取り換えると発表。
11月 8日東京電力は新潟県中越沖地震で被災し、運転を停止していた柏崎刈羽原子力発電所7号機に核燃料を装填。その様子を報道陣に公開。燃料棒872本を約10日かけて装填する。
11月13日定期点検中の東北電力女川原子力発電所1号機で、溶接作業の火が地下1階の空調装置フィルターに引火し、さらに作業員の服に燃え移る火災が発生。作業員が負傷。駆け付けた職員の手で消火。点検中で原子炉は停止しており、周辺環境への放射能漏れはなし。
11月20日福井県は、営業運転中の関西電力美浜原子力発電所で、送電線が落雷を受けたため、送電が止まり、1、2号機の保護装置が作動、原子炉が自動停止したと発表。外部環境への影響はなし。3号機は定期検査後の調整運転中だったため、出力を落とす運転に移行することで対応。
  
  
  
 
2010年
 
 この年までに、米国は原子力発電所の建設を再開する予定。
 この年頃に、インドネシアはジャワ州のムリア半島に100万キロワット規模の原子力発電所4基の建設着工を予定。
 
2013年
 
 この頃までに、ITER国際熱核融合炉実験施設を完成させ、実用実験に入る予定。
 
2020年
 
 米国、プルトニウムを使った核兵器起爆装置の製造を再開する予定。
 この年に、ベトナム政府は、ニントゥアン省で100万キロワット2基の原子力発電所を稼働予定。
 
2021年
 
 この頃までに、ドイツの原子力発電所は全廃の予定(脱原発法に基づき)。
 
2025年
 
 この年をもって、ベルギーの原子力発電所は全廃の予定。

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